クビアカツヤカミキリによる被害がウメで確認されました。
1 病害虫名 :クビアカツヤカミキリ Aromia bungii
2 発生確認作物:ウメ
3 発生確認地域:北勢地域
4 発生確認の経過
(1)2025年6月16日に、北勢地域の果樹園のウメ4本において、クビアカツヤカミキリの加害によると疑われるフラス(フンと木くず)の排出が確認されました(6月20日付 病害虫防除技術情報第1号)。
(2)6月23日にフラスが排出されている木から幼虫を採取し、クビアカツヤカミキリであることが確認されました。
(3)クビアカツヤカミキリは、2019年に木曽岬町、2024年に桑名市と四日市市の街路樹及び公園のサクラにおいて寄生が確認されています。県内の果樹園でクビアカツヤカミキリによる被害が確認されたのは、今回のウメでの事例が初めてです。
(4)2012年に国内で初めて発見されて以来、15都府県で発生が確認されています。発生地では、公園等のサクラや果樹園のモモ、スモモ、ウメ等が枯死する被害が確認されています。
5 本種の特徴及び被害状況
(1)成虫は全体に光沢のある黒色で、赤い胸部と長い触角が特徴です。体長は2.5cmから4cmです。
(2)幼虫が入り込んだ樹木からは、ひき肉状につながったフラスが排出されます。フラスを拡大すると、均一な大きさで、木を薄く削ったような形状をしています。フラスは特に6月から9月によく見られます。幼虫期間は基本的に2年間です。成虫は6月から8月頃に見られます。
(3)樹皮の亀裂やめくれのあるところに産卵します。産卵数が非常に多く、1匹の雌が1,000個以上の卵を産むこともあります。
(4)幼虫は幹の表面から少し内側にある内樹皮の部分を加害します。樹幹が全周にわたり加害されると樹木が枯死します。
6 成虫や被害を発見した場合の注意事項
(1)農地で成虫や被害が疑われる樹木を発見した場合は、病害虫防除所にご連絡ください。街路樹や公園などで被害樹を発見した場合は、情報収集フォームに情報をお寄せください。
クビアカツヤカミキリ発見情報収集フォーム
URL : https://logoform.jp/form/8vMX/809346
7 防除対策及び注意事項
(1)成虫を発見した場合は、直ちに捕殺してください。外来生物法により、生きたまま持ち運ぶことは禁止されています。
(2)成虫の脱出、分散を防ぐため、被害樹を発見した場合は、目合い4mm以下のネットを地際部から1mから2m程度の高さまで2重に巻き付けてください。
(3)防除法には、被害樹の伐採、フラス排出孔への薬剤注入、成虫を対象とした薬剤散布などがあります。詳細については、国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所の「クビアカツヤカミキリの防除法」で確認できます。
URL:https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/5th-chuukiseika12.html
8 問い合わせ先
三重県病害虫防除所:電話 0598-42-6365