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平成21年02月17日

平成21年第1回三重県議会定例会 知事提案説明

 平成21年第1回定例会の開会にあたり、県政に対する基本的な考え方を申し述べるとともに、平成21年度当初予算を含めた諸議案について説明いたします。

(オバマ大統領誕生と経済情勢)
 去る1月20日、バラク・オバマ氏がアメリカ合衆国第44代大統領に就任されました。
 「変革」を旗印に国民の信任を得た大統領は、就任演説において、米国を再生するため、今求められているのは「新たな責任の時代に入る」ことであり、あわせて「困難ではあるが必ず解決できる」と国民に訴え、直面する経済危機をはじめ、緊張の続く国際関係など多くの課題に果敢に挑戦する姿勢を表明しました。また、「政府が大きいか小さいかが問題ではなく、機能するかどうかである」として、これまでの政権からの政策転換を明確に打ち出しました。
 しかしながら、サブプライムローン問題に端を発する米国発の経済危機は、世界を混迷の淵に引きずり込んでいます。百年に一度といわれる今回の危機は、過度に規制が緩和されるなか、金融工学を駆使したアメリカ型の金融資本主義が破綻をきたしたものであり、新たな世界経済秩序を形成するには、相当な困難と年月を要するのではないかと思われます。

(国内の雇用・経済情勢)
 我が国においても実体経済に影響が出てきており、時を経るごとに凄まじいスピードで経済活動が低下しています。
 自動車や電気機械産業をはじめ、あらゆる産業分野に大きな影響が及んでおり、生産の減少や収益の悪化等非常に厳しい経営環境になってきています。
 また、雇用面では、昨年12月の完全失業率が、前月に比べて0.5ポイント悪化して4.4%となり、昭和42年以来となる大きな悪化幅となりました。非正規雇用者の雇い止めや解雇等による離職が12万人以上に及ぶとともに、正規雇用者についても相当規模の雇用調整が行われるおそれがあるなど、雇用環境は厳しい状況になってきています。

(本県の雇用・経済情勢と対策)
 こうしたことが本県においても、昨年秋以降、県民生活や企業活動など地域社会に著しい影響を及ぼしつつあります。
 昨年12月の有効求人倍率が0.90まで低下するとともに、本年3月までに離職する非正規雇用者の数が4,000人以上に膨れ上がり、正規雇用者への影響も心配されるところです。また、鉱工業生産指数が昨年11月には対前月比マイナス8.9%と、急速な落ち込みを示しています。
 このような状況の変化を踏まえ、県では昨年12月に「三重県緊急経済対策会議」を立ち上げ、企業に対する雇用継続の要請、中小企業への融資枠の拡大、外国人に対する相談事業の充実、県営住宅への一時入居等、緊急に取り組む対策を講じてきたところです。
 今後は、平成20年度、21年度と切れ目なく、「雇用対策」「経済対策」「生活対策」の三つの柱を中心に、国の対策と連携しながら、最優先課題として取組を進めます。
 まず、官民一体となった「三重県経済危機対策会議」を設置し、県内の雇用・経済情勢を的確に把握するとともに、効果的な対策の推進を図ります。
 雇用対策については、国からの交付金を有効に活用し、外国人を含めた雇用機会の創出に重点的に取り組むとともに、職業訓練機会の拡大、介護や第一次産業等における求人と求職のミスマッチの解消など、就労の促進に向けた取組を進めます。
 経済対策については、中小企業の経営安定化に向けて、資金調達の円滑化の支援や緊急専門相談の実施等を進めるとともに、特徴ある技術を生かした事業化の促進や新たなビジネスの創出など、新たな事業展開に向けた取組を支援します。
 生活対策については、離職者等に対する市町の住宅確保策への支援や緊急生活資金貸付制度の創設などにより、離職者等の生活の安全・安心の確保に努めます。
 なお、雇用・経済情勢は、日増しに深刻化している状況であり、今後、状況を見極めながら、追加的な対策が必要な場合は、補正予算により迅速に対応したいと考えています。

(ピンチをチャンスに)
 また、私は、このような厳しい雇用・経済情勢のなかにあっても、萎縮することなく、中長期的な視点にたって、ピンチをチャンスにしていくという考え方、姿勢が大切であると考えています。
 本県では、これまで、高度部材イノベーションセンターを設置するなど、地域に蓄積されてきた技術や人材等を生かして、付加価値が高く、競争力の高い知識集約型産業構造への転換をめざした取組を進めてきました。
 一方、本県には、三重ブランドに代表されるように、豊かな自然や人びとの知恵によってはぐくまれてきた豊富な地域資源に恵まれており、これまで、観光振興や地域づくりに取り組んできました。
 このように、付加価値の高い産業構造への転換を進めるとともに、豊かな地域資源をさらに磨きをかけることで、厳しい雇用・経済情勢を乗り越え、チャンスに結びつけていけるように、中長期的視点で戦略的に取り組んでいきたいと考えています。

(この国のかたち)
 一方、これまで、「小さな政府」を標榜する経済構造改革が進んだ結果、医療や雇用等に関するセーフティネットの崩壊が進むなど、さまざまな社会的ひずみや格差問題が顕在化しています。
 このような状況のもと、国においては、生活者や地方に政策の重点を移すとともに、中福祉中負担のくにづくりといった政策転換の議論も始まっています。
 しかし、政府が本来果たすべき機能、役割について、まだ十分な議論にはならず、国民の多くは、将来への不安から閉塞感を感じているのではないでしょうか。
 私は、「国のかたち、社会のあり方」を考える際には、国民が将来への希望を持ち、安心して暮らすことができる生活基盤を構築することが基本であると考えています。
 本年7月には、全国知事会議がこの三重県で開催されることから、こういった機会を活用しながら、地方の生活実感、現場の実態を基本に据えた「この国のあり方」について、積極的に提言していきたいと考えています。

(“文化力立県”元年)
 さて、本県では、「文化力」「新しい時代の公」「経営品質向上活動」という3つの視点で「質の行政改革」に取り組み、県民の皆様に提供するサービスの充実を図ってきました。
 「文化力」については、小さな政府論や構造改革論という経済最優先の流れのなかでは理解しにくい状況もあったと感じていますが、市場経済を優先しすぎた結果としての米国の危機的状況が発生し、人の生き方に焦点を置いた「文化力」の考え方が、より重要性を増してきていると思います。
 このようなことから、本年を「“文化力立県”元年」と位置付け、「文化力」の考え方を具体化する取組を進めていきたいと考えています。
 まず、「文化力」を象徴する事業である「美(うま)し国おこし・三重」の取組を本格的にスタートさせ、多様な主体が参画する実行委員会において、オープニングを行うとともに、座談会の開催や、パートナーグループの育成・支援等に取り組みます。
 また、「文化と知的探求の拠点」としての新県立博物館の開館に向けて、建築や展示のための設計等に着手します。また、県民の皆様とともに、調査研究、収集保存、活用発信といった博物館活動や運営の仕組みの構築に取り組みます。
 さらに、全国高等学校総合文化祭や世界新体操選手権、熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道(みち)」の世界遺産登録5周年を記念する国際シンポジウム等の大型イベントの開催や紀南中核的交流施設のオープン等を予定しており、集客の拡大と県内経済の活性化にもつなげていきたいと考えています。

(次期戦略計画に向けて)
 一方、平成21年度は、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」の後半スタートの年であり、さらに、「質の行政改革」を展開するとともに、戦略計画の目標達成に向けて着実に取組を進めていきます。
 また、昨年来の社会経済情勢の激変と今後の中長期課題を展望しつつ、次期戦略計画の基本的な考え方を整理していきたいと考えています。


 以上、特に留意すべき点について申し述べましたが、次に、平成21年度当初予算等の概要について説明いたします。

(平成21年度当初予算編成の考え方)
 平成21年度当初予算は、現下の厳しい雇用・経済情勢や極めて厳しい財政状況を踏まえ、次の考え方を基本に編成しました。
 まず、県内の雇用・経済情勢の悪化に対応するため、国の対策と連携し、平成20年度2月補正予算と一体的にとらえた切れ目のない対策を講じることです。
 次に、「県民しあわせプラン」の実現に向け、県民の安心や満足を築くため、第二次戦略計画の重点的な取組の着実な推進を図ることです。
 最後に、「“文化力立県”元年」として、「文化力」を象徴する事業に本格的に取り組むことです。

(補正予算及び当初予算の規模)
 以上のような考え方により予算編成を行った結果、当初予算の額は一般会計では、前年度当初予算と比べ、借換債を除くベースで1.1%減の6,696億3,797万6千円、特別会計は、11.4%減の224億5,824万円、企業会計は、12.2%減の619億2,402万6千円となり、三会計を合わせた予算額は、2.4%減の7,540億2,024万2千円となりました。
 また、平成20年度2月補正予算は、一般会計で182億959万6千円となっており、21年度当初予算と合わせた14ヵ月の予算ベースでは、前年度当初予算とほぼ同額の7,722億2,983万8千円を確保しました。

 このうち、当初予算の歳入の主なものについて説明いたします。
 県税収入については、法人関係税の大幅な落ち込みなどから、対前年度16.5%減の2,264億1,900万円を計上しています。
 地方交付税については、国から示された地方財政対策において地方交付税が1兆円増額されたことなどにより、4.0%増の1,286億円を計上しています。
 地方債については、臨時財政対策債の増により、借換債を除くベースで22.6%増の1,289億3,190万円を計上しています。
 国庫支出金については、公共事業等の投資的経費の減などにより、1.9%減の669億4,892万8千円を計上しています。
 なお、平成20年度2月補正予算の歳入は、国庫支出金について、国の第二次補正予算に伴う「ふるさと雇用再生特別交付金」のほか、地域活性化・生活対策のための交付金など158億209万3千円を計上するとともに、公共事業等実施のための県債を22億7,700万円計上しています。
 続きまして、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」の着実な推進のための取組について説明いたします。

(三重の元気づくり)
 まず、「三重の元気づくり」についてであります。
 地域の持つ特性や資源の強みを生かすため、オンリーワンをめざす企業が行う新商品・新技術の研究開発に対し、事業戦略の策定や課題解決などを支援します。また、新たに「みえ農商工連携推進ファンド」を総額25億円で組成し、農商工連携体による新たな着眼での創意工夫を生かした事業を支援するほか、県産品などの首都圏等における市場開拓や流通機能の向上を図ります。
 また、産業面において、知識集約型の産業構造への転換を進めるため、高度部材イノベーションセンターを核に、研究開発プロジェクトを推進するとともに、ものづくり産業を支える人材を育成し、国内外の研究機関等との連携を促進します。また、地域の企業や大学などの連携を促進し、地域発のイノベーションを誘発するために、メカトロ技術の活用による地域産業の高度化やITを活用した新たな産業の創出を促進します。
 学校教育については、少人数教育や外国人児童生徒教育のため、教員の配置を拡充し、一人ひとりに応じた、きめ細かく行きとどいた教育を推進します。また、特別支援教育については、特別支援学校の適正規模化及び配置等の諸課題に対応するため、学習環境の整備を進めます。

(みえのくらしづくり)
 次に「みえのくらしづくり」についてであります。
 防災対策については、平成21年度が伊勢湾台風から50年を迎えることから、「みえ風水害対策の日」を制定し、風水害に係る啓発イベントのほか、自然災害に強い地域社会の実現に向けた減災対策を実施します。また、東海地震、東南海・南海地震の発生が危惧されるなかで、津波対策、孤立対策等について引き続き市町を支援するとともに、住宅・公共施設等の耐震化や緊急輸送道路の整備などを進めます。
 防犯対策については、交番・駐在所や捜査支援システムの整備などのハード対策を進めるとともに、全ての交番に交番相談員を配置するなど、地域における支援体制を充実します。
 医師確保対策については、新しい医師修学資金貸与制度を活用するとともに、三重大学医学部の定員増を踏まえ、地域医療に従事する医師の育成と県内定着を促進します。また、三次救急医療体制を充実するため、県医療審議会救急医療部会の答申を踏まえ、県独自のドクターヘリの導入について調査・検討をします。
 なお、病院事業の在り方に関しては、「病院事業の在り方検討委員会」の答申を踏まえるとともに、県議会などからいただいた様々な意見を参考にし、策定した「県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)」を今定例会でお示ししたいと考えています。
 新型インフルエンザ対策については、抗インフルエンザウイルス薬等の備蓄や検査機器等の整備とともに、県民への啓発や庁内体制を強化するための訓練を行います。
 子育て環境の整備については、子どもの自ら育つ力をはぐくむため、思いや夢を実現できる社会づくりについて、子どもたち自身が思いを発信したり主体的に考える機会を設けます。また、出産前から保育所等への入所前までの子育て家庭を支援する仕組みづくりにモデル的に取り組みます。
 地球温暖化対策については、二酸化炭素排出量の増加傾向の著しい家庭部門において、多様な主体の参加のもとで自主的な地球温暖化防止の取組が広がるよう、三重県地球温暖化防止活動推進センター等と連携し、普及啓発に取り組みます。また、二酸化炭素の吸収など森林の公益的機能の増進を図るためには、林業の振興が不可欠であることから、新たに木材の安定的な生産供給体制の整備を図ります。

(みえの絆づくり)
 最後に、「みえの絆づくり」についてであります。
 幹線道路網の整備について、引き続き新名神高速道路、紀勢自動車道、東海環状自動車道、熊野尾鷲道路などの高速道路網や北勢バイパス、中勢バイパス、第二伊勢道路の整備を促進するとともに、これらにアクセスする県管理道路を重点的に整備し、御遷宮に向けて道路ネットワークの形成をめざします。
 観光振興については、首都圏、関西圏、中部圏などエリア別の情報発信・誘客戦略を効果的に推進するとともに、外国人観光客を誘致するため、ターゲットとする地域の拡大や情報発信等に取り組みます。また、教育旅行の誘致や自動車観光に適した観光情報の提供などに取り組みます。

 最後になりますが、県の財政状況は財政構造の硬直化が進み、臨時的な財政需要に対応できる自由度が失われつつあります。このため、雇用・経済対策について重点的に取り組むとともに、人件費抑制など財政健全化の取組を引き続き行うなど、適切な財政運営に努めたいと考えています。

(予算以外の議案等の概要)
 次に、今回提案しています予算以外の議案は、条例案33件、その他議案17件の合計50件でありますが、その概要について説明いたします。
 基金に関し、議案第2号から第7号までは、国の第二次補正予算に対応し設置又は改正するものであり、議案第35号は、基金の積立て等の状況にかんがみ所要の改正をするものです。また、議案第47号及び第48号は、所期の目的を達成したことから基金条例を廃止するものです。
 議案第24号及び第39号は、関係法令の改正に伴い、関係条例について所要の改正を行うものです。
 議案第25号は、現行の「三重県地震対策推進条例」の対象を地震から自然災害全般とし、「三重県防災対策推進条例」に全部改正するものです。
 職員の勤務時間や定数等に関し、議案第26号及び第40号は、勤務時間の見直し等を、議案第28号、第38号及び第46号は、定数及び定員を、また、議案第30号は、旅費の支給等について、それぞれ改正するものです。
 議案第27号は、関係法律に基づき、知事の権限に属する事務の一部を市町が処理することについて改正を行うものです。
 議案第29号は、県の財政状況を考慮し、知事及び副知事等の給与を減額する期間を延長するため改正するものです。
 議案第31号から第34号までは、手数料について額の改定をするものです。
 議案第36号、第37号及び第45号は、修学資金の返還免除の規定及び授業料を徴収しない場合の規定を整備するものです。
 議案第41号は、三重県立四日市高等学校通信制課程及び三重県立南伊勢高等学校南島分校を廃止するものです。
 議案第42号は、三重県立熊野少年自然の家の管理を指定管理者に行わせることについて、所要の改正をするものです。
 議案第43号は、「三重県北部広域圏広域的水道整備計画」の改定に伴い、規定を整備するものです。
 議案第44号は、伊賀水道用水供給事業の給水開始などに伴い、規定を整備するものです。
 議案第49号は、「三重県振興拠点地域基本構想」の廃止等に伴い、関係条例を廃止するものです。
 議案第50号は、三重県病院事業の在り方に係る調査審議が終了したことに伴い、条例を廃止するものです。
 議案第51号は、包括外部監査契約を締結しようとするものです。
 議案第52号は、全国自治宝くじ事務協議会規約の一部を変更するものです。
 議案第53号から第59号までは、県の行う建設事業の経費又は流域下水道の管理運営に要する費用について、関係市町に負担を求めようとするものです。
 議案第60号から第64号まで及び第67号は、工事請負契約を締結しようとするものです。
 議案第65号は、訴えを提起しようとするものです。
 議案第66号は、三重県地方卸売市場(しじょう)の管理を行う指定管理者を指定しようとするものです。

 以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明いたします。
 報告第1号から第13号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。

 以上をもちまして提案の説明を終わります。
 なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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津市広明町13番地(本庁3階)
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