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平成29年02月16日

平成29年三重県議会定例会 知事提案説明

 平成29年定例会2月定例月会議の議案等の説明に先立ちまして、平成29年度における県政の展開方向について説明いたします。
 
(三重の進化に向けた新たな挑戦)
 県民の皆様が一丸となって取り組み、成功に導いた伊勢志摩サミットでは、三重県が有する日本らしい伝統・文化や美しい自然、豊かな食の魅力が、日本国内はもとより世界へ発信されるとともに、G7の首脳が伊勢神宮を訪れ、三重県が平和を希求し多様性を寛容に受け入れてきた地であることを、世界に強く印象付けました。
 終了後には、県民の皆様から「頑張ってきたことに光が当たった。」、「人とのつながりの中で自分の力を生かしていきたい。」など、前向きな声をたくさんいただきました。自分たちの仕事や活動の価値、地域の魅力にあらためて気づいたことで、県民の皆様の中に自信が生まれ、地域への誇りや愛着が高まることとなりました。サミット開催による多くの成果を三重県の未来にどう生かしていくのか、真価が問われています。
 伊勢志摩サミットは、県民の皆様一人ひとりが、先人から受け継いだ地域の大切なものを守り継承する一方で、さらなる発展に向けて地域を変えていくための行動を起こす契機になったと考えており、県民の皆様とともに、三重県を「県民自らの手によるイノベーションで発展していく地域」としていく必要があります。さまざまな主体と力を合わせて、「オール三重」で取組を進め、希望がかない選ばれる三重として進化を遂げることができるよう、新たな挑戦をスタートさせていきます。
 
(国内外の情勢)
 国内外の情勢を見渡すと、海外では、昨年6月にイギリスで実施された国民投票でEU離脱派が勝利し、本年1月にアメリカでドナルド・トランプ氏が第45代大統領に就任しました。本年4月にはフランス大統領選挙と韓国大統領選挙が、また、9月にはドイツ連邦議会選挙が予定されています。こうした日本の外交や経済に大きく関わる海外の動きは、県民生活にも少なからず影響を及ぼすと考えており、注視していく必要があります。
 国内では、国と地方自治体が一体となり地方創生の取組を推進していますが、平成28年の人口移動の状況を見ると、地方から東京圏への人口の流入が続いています。地方創生の実現に向け取組を加速させるとともに、全国知事会等とも連携し、国に対して、その役割を十分に果たされるよう今後も働きかけていきます。
 平成32年に予定されている東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた準備が加速し、また、10年後の東京・名古屋間の開業に向けてリニア中央新幹線の整備が進んでいます。これら国家レベルのプロジェクトを最大限活用し、三重県の発展に着実につなげていく必要があります。
 平成29年度の県政運営にあたっては、こうした国内外の情勢も踏まえ、県民の皆様にしっかりと成果を届けることができるよう、県政の諸課題の解決に向け、全力で取り組んでいきます。
 このような考え方のもと、平成29年度は、「伊勢志摩サミットの成果で三重の活力を高める」や「命と暮らしを守る」、「未来を担う人づくり」、「子どもの育ちを支える少子化対策の推進」、「スポーツ推進の本格展開」の五つを注力すべき取組の柱とし、県政を展開していきます。
 
(伊勢志摩サミットの成果で三重の活力を高める)
 サミットの開催により三重県の知名度が高まっています。平成27年の県内の延べ宿泊者数は約946万人で過去2番目に多い人数となり、平成28年の延べ宿泊者数も11月末時点で約925万人、対前年伸び率は全国2位となっており、過去最高を記録した平成25年の968万人を超える勢いです。中でも、G7構成国の宿泊者数の対前年伸び率は47.6%と大きく増加しています。
 三重県全域にサミットの効果を波及させ、三重の活力を高めていくため、この機会を最大限に生かし、国内外から「選ばれる三重」となるよう取組を推進していきます。
 
(国内外の交流の拡大)
 インバウンドの拡大については、台湾とフランスに設置した、現地で誘客活動を行う代理人を積極的に活用し、海外の富裕層の誘致や欧米からの誘客を加速します。また、国際会議等MICE誘致に向けて、首都圏や関西圏など、県外でのセールス体制を強化するとともに、補助制度を効果的に活用し、県外で開催されている国際会議等の誘致に積極的に取り組みます。
 伊勢志摩国立公園の世界水準のナショナルパーク化に向けて、外国人観光客が快適に利用できるよう、案内標識等の多言語化やビューポイントの整備を進めるとともに、まち並みの景観改善を進めます。また、三重県が誇る海、山、川などを生かした「三重まるごと自然体験」の取組を県内全域で展開します。
 第27回全国菓子大博覧会・三重「お伊勢さん菓子博2017」の開催まで、いよいよあと65日と迫ってきました。現在、実行委員会による準備が進められており、関係市や団体と連携してその取組を支援しています。
 菓子博では、初の試みとして、県内の高等学校や専門学校の生徒が三重の食材をテーマにした工芸菓子の制作に挑戦するなど、菓子職人をめざす若者に活躍の場を提供します。また、三重県の特産品であるあおさや伊勢茶、かんきつ類を使用した、これまでにないお菓子も商品化されており、これらの商品を「みえの食」の新たな魅力として広く発信していきます。菓子博の開催を通じて、国内外との交流の拡大を図るとともに、菓子文化や技術の継承・発展、食関連産業の振興につなげていきます。

(農林水産業の振興)
 東京オリンピック・パラリンピックを契機に、三重県産農林水産物の需要拡大を図るため、伊勢志摩サミットで高まった評価を生かしながら、海外や首都圏等に向けた戦略的な販売促進に取り組みます。特に、東京オリンピック・パラリンピックで新たに定められる食材の調達基準などを見据え、官民が一体となって協議会を立ち上げ、農業の生産工程管理手法の一つであるGAPなどの認証を取得した、三重県ならではの農林水産物の供給体制の整備や、認知度向上のためのプロモーションなどを展開します。
 次代の農林水産業を担う高い経営感覚を持った人材を育成するため、三重県農業大学校に新たな教育コースを設置するほか、「みえ森林・林業アカデミー(仮称)」の設置に向けた検討や漁師塾の設置地区の拡大などに取り組みます。
 
(移住の促進)
 移住の促進については、これまでも市町と連携して取り組んでおり、首都圏の「ええとこやんか三重 移住相談センター」では、平成29年1月末時点で、昨年度の相談件数を既に上回る881人の移住相談がありました。こうした相談者の方々に一人でも多く三重県を選んでいただけるよう、取り組んでいく必要があります。実際に移住された方からは、「ライフスタイルを変えてくれた。」、「自然も魅力的だが、一番の魅力は地域の人たちです。」といった声をいただいています。三重県で多様なライフスタイルが実現できることを積極的にアピールするとともに、仕事や住まい、子育てなどの移住に関するさまざまな相談にワンストップできめ細かく対応していくこととし、取組の一層の強化に向け、地域連携部に新たに移住促進監を設置し、部局横断的に取り組みます。
 
(広域交通ネットワークの整備)
 昨年8月の閣議決定により、リニア中央新幹線の全線開業が最大8年間前倒しされ、東京・名古屋間開業に引き続き、名古屋・大阪間の工事が着工されることとなり、リニア開業に向けた動きが新たなステージに入りました。今後は、東海三県一市や奈良県、大阪府などの関係自治体、関係団体等との連携をさらに強化し、名古屋・大阪間の概略ルートや中間駅位置の早期決定について、JR東海や国に強力に働きかけていくとともに、東京・名古屋間の整備効果を最大限に生かすため、三重県にもさまざまな便益がもたらされるよう、中部圏としてのリニア駅を核としたまちづくりの将来構想に関する検討を進めます。
 また、企業の生産性向上や地域の経済活動を支えるとともに、県内外との交流・連携の拡大につながる高規格幹線道路などの基盤整備を引き続き推進していきます。東名阪自動車道の渋滞対策として、四日市インターチェンジ・鈴鹿インターチェンジ間の上り線約8kmの暫定3車線化が決定しました。今後、未開通となっている幹線道路の早期完成をめざし、東海環状自動車道の東員インターチェンジ以北や、新名神高速道路の新四日市ジャンクション・亀山西ジャンクション間の整備が着実に進められるよう、国などに引き続き強く要望していきます。また、平成29年度中の完成に向け、四日市港から伊勢湾岸自動車道みえ川越インターチェンジを結ぶ霞4号幹線の整備が進められています。
 これらの取組を進めることで、県民生活の利便性の向上はもとより、交流人口の拡大や県内企業の生産性の向上、県内外からの投資の増加を図ります。
 
(海女文化の振興)
 去る1月27日に、国の文化審議会において、「鳥羽・志摩の海女漁の技術」が重要無形民俗文化財に指定するのにふさわしいとの答申がありました。海女漁の伝統を守り伝えてきた鳥羽、志摩の海女の皆さんや関係者の方々に、あらためて敬意を表します。
 今後も、海女保存会をはじめ、鳥羽市、志摩市の皆さんと共に、保存・継承の取組を継続するとともに、ユネスコ無形文化遺産への早期登録をめざし、これまで以上に海女文化の素晴らしさを世界に向けて発信していきます。
 
(海外展開)
 2月9日から12日にかけて台湾を訪問しました。県内の4人の市町長もご同行いただき、(ちん)副総統との会談や()台湾立法院長との面談、経済団体とのビジネス交流会を通じ交流を深めました。人口275万人を抱える台湾中部最大の都市である台中市では、(りん)市長を訪問し国際交流促進に関する覚書を締結しました。中部国際空港と台中国際空港の姉妹空港化に向けた動きもある中、三井台中アウトレットパークのオープンや日台観光サミットの開催等の機会を生かし連携を深めていきます。
 また、高雄市では、(ちん)市長を訪問するとともに、(はん)教育局長と面談し、本年6月に100名規模の三重県への教育旅行を計画しているとの意向が示され、今後の教育旅行による交流拡大について合意しました。
 今回の訪台は、平成24年に私が三重県知事として初めて訪問して以来、今年で5年の節目となるものでしたが、副総統や自治体のトップの方から「こうした三重県の取組は、日台の自治体間交流のモデルになる。」と大変高い評価をいただきました。台湾で高まりつつある三重県の存在感を生かし、産業、観光、文化等のさまざまな分野で交流の強化を図っていきます。
 また、三重県とパラオ共和国の友好関係締結20周年を迎えたことを記念し、明後日の17日から訪問団を派遣します。政府への表敬訪問をはじめ、本県の魅力をPRする事業や交流を深める事業を行い、相互の発展につなげていきます。
 
(サミットの成果の継承・発展)
 伊勢志摩サミットが開催された5月26日、27日の前後2週間程度を「みえ国際ウィーク」と定め、「みえ国際ウィーク2017~つながろう世界と、広げよう世界を!~」を開催します。県内全域で国際交流等の取組を集中的に行うことで、県民の皆様がより一層世界に関心を向ける契機としていきたいと考えています。
 また、サミットの成果を次世代に引き継ぐ場として、「伊勢志摩サミット記念館(仮称)」をオープンします。サミットの概要と使用された調度品や県産材の紹介に加え、北海道洞爺湖サミット記念館における取組や運用面での課題等を参考に、物販や飲食の提供、企画展示の実施なども行い、訪れた皆さんの記憶に長く残る魅力的な記念館にするとともに、子どもたちの学びの場としても活用していきたいと考えています。あわせて県内の観光情報の発信も行っていきます。
 なお、伊勢志摩サミット推進局は本年3月末をもって廃止しますが、雇用経済部に新たにポストサミット・国際戦略担当次長を配置し、引き続き、ポストサミットの取組を全庁的に推進していきます。
 
(平和の発信)
 伊勢志摩サミット終了後、アメリカのオバマ大統領が初めて広島を訪問されたことがきっかけとなり、本年1月に、私と広島県知事、さらに三重県内の若者が平和について考えるトークセッションが実現しました。参加者から「平和を願った大勢の思いを伝えていくことができるのは私たちの世代です。」といった発言があり、次代を担う若い世代の想いに感銘を受けたところです。県議会の非核平和県宣言決議から20年の節目となる本年、被爆を経験した地域と連携して「平和のつどい(仮称)」を開催し、三重県から平和の尊さや大切さについて発信していくとともに、県民の皆様が平和への思いを一層深め積極的な行動の第一歩を踏み出す機会としていきます。
 
(働き方改革)
 三重県では、企業現場における長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの推進に取り組むなど、地方創生の一環としていち早く働き方改革に注力してきた結果、県内企業における生産性の向上や人材確保などにつながっています。働き方改革は、誰もがいきいきと働き続けることのできる職場環境の実現だけではなく、企業の競争力強化や女性活躍、ひいては少子化対策にもつながることから、取組を加速させていきます。
 あらゆる分野における女性活躍の推進に向けて、女性の活躍につながるプロジェクトを発信するとともに、新たな分野における女性の人材の掘り起こしを行うなど、ロールモデルの創出に取り組みます。
 企業における障がい者の雇用について、三重労働局等と連携して取り組んだ結果、平成28年の障がい者の実雇用率が2.04%となり、初めて法定雇用率2.0%を超えました。また、法定雇用率の達成企業割合が60.8%となり、都道府県別では全国1位の伸びとなりました。引き続き、障がい者の実雇用率及び法定雇用率の達成企業割合が全国トップクラスになることをめざし取組を推進します。
 また、ステップアップカフェ「Cotti菜」は、オープンから2年あまりで来場者は約6万人を数え、働く障がい者の中から、新たな一般就労の職場へステップアップする方も出てきました。今後も、「Cotti菜」を活用し、障がい者雇用に関する理解を促進するとともに、企業間ネットワークの支援等に取り組みます。
 
(命と暮らしを守る)
 二つ目の柱として、「命と暮らしを守る」取組に注力します。県民の皆様が夢や希望を持っていきいきと活動するためには、日常生活における不安が解消され、安全で安心な生活が確保されていることが重要です。
 東日本大震災や紀伊半島大水害の教訓をもとに策定した「三重県新地震・津波対策行動計画」及び「三重県新風水害対策行動計画」を見直し、これらの計画を一本化した「三重県防災・減災対策行動計画(仮称)」を策定するとともに、津地方気象台等とも連携しながら、新たに「三重県版タイムライン(仮称)」を策定します。
 また、熊本地震の課題を踏まえ、大規模災害時に国や他県等の応援を効果的に被災者支援につなげるため、「三重県広域受援計画(仮称)」を策定します。
 県民の皆様や市町に対し、防災情報を迅速かつ的確に提供するため、防災情報プラットフォームを整備するとともに、伊勢志摩サミットの開催を契機として運用を開始した「DONETを活用した津波予測・伝達システム」を、関係市町と連携して県南部地域に展開します。
 自然災害による被害を最小限にするため、河川や海岸、漁港などの耐震対策の整備を進めるとともに、河川の堆積土砂撤去に引き続き取り組みます。
 
 昨年、障害者差別解消法が施行され、さまざまな取組が進められる中、神奈川県相模原市の障害者支援施設において殺傷事件が発生したことを踏まえ、障がいを理由とする差別の解消に向けた啓発活動を進めるとともに、障害者支援施設等の安全対策強化のための支援に取り組みます。 
 三重県手話言語条例の施行を受け、年度内に策定する三重県手話施策推進計画に基づき、手話を学習する機会の確保など、県民の皆様が手話を使用しやすい環境の整備に取り組みます。その一環として、聴覚障がい者の方々に県政情報を十分にお伝えすることができるよう、知事定例会見でも手話通訳を取り入れたところです。
 
 また、昨年は交通死亡事故が多発し、16年ぶりに交通死亡事故多発非常事態宣言を発令する事態となりました。安全で安心な道路交通を確保し、悲惨な交通事故の発生に歯止めをかけるという強い決意のもと、摩耗し見えにくくなった全ての横断歩道を塗り替えるとともに、老朽化した信号柱を更新するなど、道路交通環境の改善に向けた取組を全力で推進します。
 人と動物の共生をめざし、本年5月に三重県動物愛護推進センター「あすまいる」を開所します。動物愛護管理の拠点としてセンターを活用し、犬・猫の殺処分数ゼロに向けた取組や災害時の動物救護体制を整備する取組などを推進します。
 
(未来を担う人づくり)
 子どもたちが「学ぶ喜び」や「わかる楽しさ」を実感しながら主体的に学び、他者と協働しながら社会を創っていく力を育めるよう、注力する三つ目の柱として「未来を担う人づくり」に取り組んでいきます。
 学力の向上については、平成28年度全国学力・学習状況調査結果に成果として表れたように、子どもたちに芽生えてきた「やればできる」という思いが形になってきています。学校での取組を深め、家庭・地域での取組を広げるため、授業改善等の取組を進めるとともに、家庭での生活習慣や読書習慣の定着や、地域で学習支援を行う地域未来塾を実施する市町の取組の拡充を図るなど、学校・家庭・地域が一丸となった「みえの学力向上県民運動セカンドステージ」の取組を推進していきます。
 体力の向上についても、子どもたちが体を動かす喜びや楽しさを感じ、スポーツに積極的に取り組むことにより健やかに成長していけるよう、効果的な取組の普及など、発達段階に応じた学校等での取組への支援や、スポーツ医科学等を利用した運動部活動の充実などを推進します。
 
 ジュニア・サミットや高校生サミット等に参加した若者や子どもたちは、国内外の多くの方々と交流し、海外への関心を高める中で、さまざまな気づきを得ました。例えば、「ディベート力とコミュニケーションが大切だと感じた。」、「自らの意見を積極的に述べるためにも日本や三重県についてもっと勉強する必要がある。」といった声をいただいています。こうしたサミットの成果を踏まえ、地球規模の視野で物事を考え地域の視点に立って行動するグローカルな人材育成を進めます。高校生が自らのアイデンティティを持ちながら、異なる文化・伝統を持つ人々と協働する力を育むため、みえ未来人育成塾や、海外進出している県内企業での職業科生徒のインターンシップ等を実施するとともに、小・中学生が郷土への愛着を高め、英語で積極的に自らの考えや意見を表現するワン・ペーパー・コンテスト等を実施します。
 また、地域の課題解決や活性化について主体的に参画する意欲や態度を育成するため、県内外の高校生が集い交流する「高校生地域創造サミット(仮称)」を開催します。
 さらに、伊勢志摩サミット関連事業として開催された「大学生国際会議in三重」の成果を引き継ぎ、海外や県内外の学生が住民との交流や討議を通じて、地域を知り、グローバルな視点から地域の課題を考える大学生版のサミットを開催します。
 加えて、日本で最初の学生交流プログラムであり、多くの著名人も参加されていた伝統ある日米学生会議が本年8月、三重県を含む国内4か所で開催されます。日米両国の学生が一堂に会し、約3週間にわたり、世界的なさまざまな課題について議論する予定であり、この三重の地で日本人の精神性のルーツなどを探り、その上で現代社会が抱えるさまざまな問題について議論を深めるとともに、三重県の魅力を感じてもらいたいと思います。
 
(子どもの育ちを支える少子化対策の推進)
 平成27年の合計特殊出生率は、過去20年間で最も高い1.56で、上昇幅も全国3位となり一定改善しつつあるものの、目標とする水準とはかい離があり、引き続き「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」に基づき、四つ目の柱である「子どもの育ちを支える少子化対策の推進」の取組を、継続・強化します。
 子どもの自立を促し人格の形成を担う家庭教育は、教育の原点であり、子どもたちの豊かな未来の実現に向け、応援戦略に基づき、家庭教育応援にかかる気運醸成を図るとともに、家庭と地域をつなぐ取組などを行う市町を支援します。
 社会的養護を必要とする子どもができる限り家庭と同様の養育環境で生活できるよう、課題である里親制度の認知度の低さに対応し、説明会などを通して制度自体の普及啓発に取り組むとともに、里親に対する研修等を実施します。
 児童相談所については、これまでも体制強化を図ってきたところですが、北勢地域での虐待の相談件数が増加していることから、一層迅速で的確な対応ができるよう、北勢児童相談所の体制をさらに充実します。また、中勢児童相談所に里親制度の推進を図る職員を増員します。
 また、子どもたちが生まれ育った家庭の経済状況にかかわらず、夢と希望を持って成長できる環境が整うよう、「三重県子どもの貧困対策計画」に基づき、市町、関係団体等と連携し、ひとり親家庭等の子どもへの学習支援を行う市町を支援するなど、各地域の実情に応じた多様な支援体制を構築していきます。
 発達障がいなど支援が必要な子どもたちやその保護者の方々の悩みや将来への不安などの切実な声に応えていくため、県立草の実リハビリテーションセンターと県立小児(こども)心療センターあすなろ学園、三重県児童相談センターの難聴児支援部門を統合し、「県立子ども心身発達医療センター」を本年6月に開設します。子どものこころとからだの発達支援の拠点として、併設する「県立かがやき特別支援学校分校」や隣接する国立病院機構三重病院と緊密に連携し、専門性の高い医療・福祉・教育が一体となった支援を行うともに、地域における途切れのない支援体制を構築するため、地域支援機能を強化します。
 
(スポーツ推進の本格展開)
 そして、五つ目の柱は「スポーツ推進の本格展開」です。平成29年は、三重県における全国高等学校総合体育大会開催の前年であり、平成32年の東京オリンピック・パラリンピック、平成33年の第76回国民体育大会・「三重とこわか国体」及び第21回全国障害者スポーツ大会・「三重とこわか大会」の開催を控えており、三重県のスポーツ推進にとって重要となるこれから5年間のスタートの年、いわば「スポーツイヤー・元年」です。これらの大会の成功と三重県選手の活躍に向け、組織の拡充を図り、競技力の向上や施設整備、大会準備等を本格的に進めていきます。
 競技力の向上については、選手や指導者がより高いレベルでの実戦経験を積むことなどの課題を解決するため、競技団体に対する支援を拡充するとともに、関係団体等とも連携しながら、選手の育成・強化や指導者の養成・確保に効果的に取り組みます。また、トップアスリートの県内定着を図るため就職支援にも取り組みます。
 「三重交通G スポーツの(もり) 伊勢」陸上競技場について、本年10月の供用開始に向けて整備を図るなど、三重とこわか国体等の開催準備を着実に進めていきます。そのための体制整備として、現在健康福祉部で所管している三重とこわか大会の準備業務を地域連携部に移管し、三重とこわか国体と一体的に開催準備に取り組みます。
 一流選手のプレーを目にすることは、県内の競技者や子どもたちにとって大きな刺激になることから、ボッチャの国際大会など、大規模スポーツイベントの県内誘致を積極的に進めるとともに、東京オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップ2019のキャンプ地誘致に向けて、市町と連携して取り組みます。
 
(財政の健全化に向けた取組)
 第二次行財政改革取組については、「みえ県民力ビジョン」の着実な推進につなげるため、全庁を挙げて取り組んでいるところであり、引き続き積極的な推進を図っていきます。
 とりわけ、本県の財政状況は極めて深刻な状況にあることから、より一層の歳入確保と、歳出構造の抜本的な見直しを図るため、平成28年9月定例月会議で、「三重県財政の健全化に向けた集中取組(素案)」をお示ししたところです。
 現在、素案でお示しした取組の実効性をより高めるため、さらに踏み込んだ具体的取組について、あらゆる視点で検討を進めているところであり、とりまとめしだいお示ししたいと考えています。
 財政の健全化に向けた道筋をつけられるよう、平成31年度まで集中的に取組を進めてまいります。

(平成29年度当初予算編成の考え方)
 このような、平成29年度における県政の展開方向を踏まえた上で、平成29年度当初予算編成の考え方について説明いたします。
 
 平成29年度当初予算は、極めて深刻な財政状況の中にあっても、県民の暮らしを守る取組や真に必要な投資には予算を確保することを基本方針として編成しました。
 中でも、防災・減災などの喫緊の対策や伊勢志摩サミットの資産を未来に生かす取組、スポーツの推進などの未来への投資については重点化して計上しています。
 一方で、平成29年度当初予算には、「三重県財政の健全化に向けた集中取組(素案)」に基づく改革の初年度として、県単独補助金をはじめとする事務事業の徹底した見直しと一層の歳入確保の取組を反映させています。
 
 このような方針のもと、「平成29年度三重県経営方針(最終案)」で「平成29年度に注力する取組」に位置付けた五つの柱については、特に注力して取り組んでいきます。
 
(予算の規模)
 以上のような考え方に基づき予算編成を行った結果、当初予算の額は、一般会計で、前年度当初予算額と比べ4.8%減の7,011億992万円、特別会計で、19.2%増の2,030億6,393万8千円、企業会計で、8.2%減の384億4,906万3千円となり、三会計を合わせた予算額は、0.7%減の9,426億2,292万1千円となっています。
 
 まず、一般会計の歳入予算のうち主なものについて説明いたします。
 県税収入について、法人県民税及び法人事業税で、国や地方の経済対策の効果や円安による輸出環境の改善による好調な企業業績を反映して増収となる見込みです。一方、地方消費税で、譲渡割が原油などの卸売価格の低下で全国的に減少傾向にあり、貨物割についても原油価格の低迷に伴い減収が見込まれることなどから、県税収入全体としては、対前年度1.7%減の2,451億8,500万円を計上しています。
 地方交付税について、国の平成29年度地方財政対策を踏まえ、0.5%減の1,382億9,100万円を計上しています。
 国庫支出金について、参議院議員選挙委託金の皆減などにより、3.8%減の740億5,845万5千円を計上しています。
 県債について、一般単独事業債の減などにより、8.0%減の1,080億2,700万円を計上しています。
 基金繰入金について、財政調整基金からの繰入の減などにより、21.5%減の195億971万2千円を計上しています。
 
 次に、議案第1号の平成28年度三重県一般会計補正予算(第6号)は、国の平成28年度補正予算(第2号)に対応し、児童福祉施設の防犯対策強化や第1次産業関連施設の整備などに係る経費について補正を行うもので、一般会計で10億1,317万7千円となっています。
 歳入の主なものとして、国庫支出金について、子育て支援対策臨時特例交付金で6億8,205万2千円を追加するとともに、強い水産業づくり交付金で2億451万2千円を、合板・製材生産性強化対策事業費補助金で7,000万円を、それぞれ増額するなど、合わせて10億797万3千円を増額しています。また、県債について、補正予算債で400万円を、基金繰入金について、財政調整基金繰入金で120万4千円を、それぞれ増額しています。
 歳出の主なものとして、市町が行う保育所等整備事業に対して支援するため、三重県安心こども基金に6億8,205万2千円を積み立てるほか、社会福祉法人等が行う児童養護施設等の防犯対策強化に対して支援するため1,069万6千円を増額しています。また、地域の水産業の競争力強化に向けて、高鮮度化のための共同利用施設の整備を支援するため2億451万2千円を、木材加工施設における機器整備を支援するため7,000万円を、それぞれ増額しています。
 
(予算以外の議案等の概要)
 次に、今回提案しています予算以外の議案は、条例案42件、その他議案12件の合計54件でありますが、その概要について説明いたします。
 議案第19号は、三重県情報公開審査会及び三重県個人情報保護審査会の効率的、効果的な運営を図るため両審査会を統合し、三重県情報公開・個人情報保護審査会を設置するもので、議案第21号及び第22号は、同審査会の設置等に鑑み、規定を整備するものです。 
 基金に関し、議案第20号は、伊勢志摩サミットの成果を三重の未来に生かすための事業に要する経費の財源に充てるため、伊勢志摩サミット基金を設置するものです。また、議案第31号は、基金の設置目的を達成するための事業の実施期間の延長に鑑み、規定を整備するもので、議案第60号は、国の交付金の活用方法の変更に伴い、三重県発電用施設周辺地域企業立地資金貸付基金条例を廃止するとともに、関係基金条例の規定を整理しようとするものです。
 議案第23号、第34号、第36号及び第37号は、関係法律の一部改正に伴い、規定を整理するものです。
 議案第24号、第42号及び第58号は、定数の見直し等に伴い、職員の定数について、それぞれ改正するものです。
 議案第25号及び第44号は、人事委員会の議会及び知事に対する平成28年10月14日付けの給与改定に関する勧告等に鑑み、所要の改正を行うものです 。
 議案第26号、第28号、第30号及び第55号は、三重県立子ども心身発達医療センターの設置等に鑑み、規定を整備するものです。
 議案第27号及び第45号は、関係法律等の一部改正に鑑み、介護休暇制度等について規定を整備するものです。  
 議案第29号は、関係法律等の一部改正に鑑み、育児休業等の対象となる子の範囲の拡大等について規定を整備するものです。
 議案第32号、第33号、第46号及び第47号は、関係法律の制定等に鑑み、手数料の規定を整備するものです。 
 議案第35号は、地方税法の一部改正等に鑑み、県民税、事業税、地方消費税、自動車取得税及び自動車税についての規定を整備するものです。
 議案第38号、第43号、第54号及び第56号は、関係法律等の一部改正に鑑み、規定を整備するものです。
 議案第39号は三重県営総合競技場の、第50号は三重県営ライフル射撃場の、それぞれ施設整備に鑑み、使用料等の規定を整備するものです。
 議案第40号は、中勢沿岸流域下水道に志登茂川処理区を加えるとともに、使用料に関する規定を整理するものです。
 議案第41号は、特定公共賃貸住宅としての用途を廃止した住宅を、公営住宅と同様に低額所得者に賃貸することができるよう、県営住宅の管理についての規定等を整備するものです。
 議案第48号は三重県総合博物館の、議案第49号は三重県立美術館の、議案第52号は三重県立図書館の、それぞれ管理の一部を指定管理者に行わせること等に鑑み、規定を整備するものです。
 議案第51号は、義務教育学校及び中等教育学校が三重県内に設置されることに伴い、関係条例の規定を整理するものです。
 議案第53号は、三重県立志摩病院の施設改修に伴い、一般病床数を改定するものです。
 議案第57号は、組織の見直しに伴い、改正を行うものです。
 議案第59号は、三重県防災会議の委員定数を改定するものです。
 議案第61号は、包括外部監査契約を締結しようとするものです。
 議案第62号から第64号までは、国が行う土地改良事業の負担金又は県の行う建設事業の経費に関し、関係市町に負担を求めようとするものです。
 議案第65号及び第66号は、工事請負契約を締結しようとするものです。
 議案第67号は、財産を無償譲渡しようとするものです。
 議案第68号は、県道の路線を廃止しようとするものです。
 議案第69号及び第70号は、訴えを提起しようとするものです。
 議案第71号は、地方独立行政法人三重県立総合医療センターが策定した第二期中期計画を認可しようとするものです。
 議案第72号は、議会の議決を要する計画を変更しようとするものです。
 
 以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明いたします。
 報告第1号から第20号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
 報告第21号は、地方独立行政法人三重県立総合医療センターの常勤職員の数について、関係法律に基づき、報告するものです。
 報告第22号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
 以上をもちまして提案の説明を終わります。
 なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
 

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