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令和02年06月03日

令和2年三重県議会定例会 知事提案説明(追加提案・その7)

 令和2年定例会6月定例月会議の議案等の説明に先立ちまして、当面の県政運営にあたっての私の考え方を申し述べます。
 
(新型コロナウイルス感染症の猛威から命・経済を守り抜くために)
 令和の始まりには想像もできなかった「新型コロナウイルス感染症」という脅威が、世界中に大打撃を与えています。
 三重県では、45人の感染者が確認され、1名の方がお亡くなりになりました。5月末には入院されていた患者の方がすべて退院されましたが、あらためて、亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、感染されたすべての皆様にお見舞い申し上げます。
 県は感染症収束に向け、3月に緊急経済対策、4月には経済対策に医療体制の整備、学校への対応も加えた緊急総合対策を講じました。
 県民の皆様には外出自粛、三つの「密」の回避など感染防止対策の徹底にご協力いただき、県内企業の皆様には、県の休業要請等に対して、感染拡大防止のため、店舗の休業や営業時間短縮、施設の利用停止等にご協力いただきました。
 さらに宿泊業の皆様におかれては、ゴールデンウィーク期間中を含む県外からの宿泊予約の延期にご協力いただきました。
 多くの観光客が見込まれるゴールデンウィークに、宿泊業をはじめとするサービス業の皆様におかれては、断腸の思いで休業や営業規模の縮小にご対応いただいたことと思います。県としましても、昨年の観光消費額は、神宮式年遷宮のあった平成25年を上回る 過去最高の5,564億円と順調に増加し、今後の飛躍を期待していた中、県民の皆様の大切な命と健康を守り抜くために必要な措置として、非常に苦しい決断をさせていただきました。
 「オール三重」での強い決意のもと、感染拡大防止に取り組んだ結果、4月24日を最後に、新たな感染者は確認されていません。
 また、5月14日に三重県で緊急事態宣言が解除され、5月25日には、全国でも解除されました。
 これまでの成果は、県の緊急事態措置にご理解、ご協力いただいた県民の皆様や事業者の皆様、ご来訪を控えていただいた県外の 皆様、また、県内の医療機能や社会基盤を支えていただいている、 医療関係者の皆様、市町や関係団体の皆様のご尽力によるものです。あらためて深く感謝申し上げます。
 しかしながら、国内外で、いまだ感染者が発生している地域も 存在しています。また、新型コロナウイルスは非常に感染力の強いウイルスであることから、県民の皆様におかれては、引き続き、 三密を避けることなど、「新しい生活様式」の実践に努めていただくようご協力をお願いします。
 県としても、引き続き、警戒を緩めることなく、県民の皆様と ともに、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた対策を進めていきたいと考えています。
(感染拡大の防止と医療提供体制の整備)
 新型コロナウイルス感染者の早期発見と感染拡大防止のため、 PCR検査については、保健環境研究所に加え、三重大学医学部 附属病院等や民間検査機関においても実施するなど、検査体制を 拡充しています。
また、より迅速な検査体制を整備するため、PCR検査を集中的に実施する「地域外来・検査センター」の県内10カ所程度の設置に向け、医師会や地元自治体等と調整を進め、準備が整った地域 から順次、設置を行っていきます。
 感染症の予防・拡大防止に必要なマスクや消毒液については、 現在、徐々に市場に出回り始めたものの、以前のように供給が安定する状況には至っておらず、医療機関における感染拡大防止に必要なN95マスクやガウンなどの個人防護具については、未だに供給不足の状況が続いています。このため、国からの配布や県独自での調達など、引き続き安定的な確保に取り組み、医療機関や高齢者 施設等へ随時配布を行っていきます。
 また、今回の感染症対応への応援のため、国内外から多くの寄附をいただき、医療機関や必要な施設に配布し、活用させていただきました。
 
(新型コロナ克服 みえ支え“愛”募金)
 過酷な状況で昼夜を問わず新型コロナウイルス感染症の治療などに従事する医療従事者の皆様、放課後児童クラブ、介護施設、 障がい福祉施設等で献身的に子どもたちや利用者を支える皆様、 子どもや学生、障がいのある方や外国人の方々などを応援するため、5月から「新型コロナ克服 みえ支え“愛”募金」を実施しています。誰もが苦しい時期であるからこそ、地域でのつながりや支え 合いを支援するため、寄附金の一部を活用し、貧困世帯やひとり親世帯の子どもたちへ食料を提供する取組への支援や、休業した小学校に代わり、子どもたちの居場所を確保いただいた放課後児童クラブに対し、電子マネーと衛生用品などを組み合わせた「みえ支え“愛”セット」を配布する取組を進めていくこととしています。
 引き続き、皆様からの募金を、感染拡大の防止や治療にご尽力 いただいている医療従事者等への感謝や、さまざまな事情を抱えて不安な日々を過ごされている方々への応援の気持ちとして届けて いきます。
 
(避難所における感染対策等)
 県の独自の対策として、4月21日付けで地域減災力強化推進補助金の対象に消毒液やマスク、使い捨てビニール手袋などを新たに 加えるとともに、適切な避難行動の推進に向けた啓発や、避難所における感染対策などに関する情報を集約して市町に提供しました。
 また、5月29日には「三重県避難所運営マニュアル策定指針」の改訂を行い、避難所における感染症への対策などを提示しました。
 さらに、市町のご意見を踏まえ、昨日6月2日には三重県旅館ホテル生活衛生同業組合のご協力を得て、同組合に加盟するホテル・旅館の名簿を市町に提供し、避難の分散化の取組を支援しています。
 今後とも、市町としっかりと連携して、災害時における円滑な 避難に向けた対策に取り組んでいきます。
 
(休業要請に対する協力金)
 4月に発表した三重県緊急事態措置に伴い市町と協調して実施した感染症拡大阻止協力金につきましては、4月27日から申請期限の5月22日までに1万1千件を超える申請をいただいています。
 このほか、三重県は国内有数の観光地であり、県内外から多数の宿泊予約があることから、感染拡大防止のため、ゴールデンウィーク期間中の宿泊予約について延期を依頼していただくなど、ご協力いただいた宿泊事業者に対して、県独自の取組として宿泊予約延期協力金制度を創設しました。この制度については、5月の緊急事態宣言の延長に伴い、対象期間を5月31日まで延長し、640件の申請をいただきました。
 同じく三重県独自の取組として、5月の緊急事態宣言の延長を機に、例年この季節に、県外から釣りやキャンプ、ゴルフなどを目的とした多くの観光客を受け入れている事業者の皆様に対して、感染拡大防止の観点から来県延期協力金制度を設けました。6月1日 時点で280件の申請をいただいています。
 これらの協力金については、現在、審査を終えたものから順次 お支払いしています。
 厳しい状況が続きますが、再開した店舗などでは「常連のお客様などにお越しいただき、このような状況でも勇気が湧いた。」と いう声もお聴きしています。
 
(事業の継続への支援と雇用の維持)
 4月に創設した三重県経営向上支援新型コロナ危機対応補助金については、業況が悪化し、資金繰りに困っている中小企業・小規模企業に寄り添えるよう、迅速に審査を行うとともに、概算払い請求のあった事業者から順次対応し、4月中にも資金をお届けしました。その後もニーズが高かったことから、5月に2回目の募集を行ったところ、6月2日現在で1,103件の申請がありました。また、中小企業・小規模企業の感染防止対策の取組を支援できるよう、同補助金に「感染防止対策型」を新設し、募集したところ、6月2日現在で1,881件の申請がありました。
 さらに、今回、企業の皆様の資金繰り負担を最大限軽減するため、国、県、民間金融機関等がスクラムを組み、創設した「三重県新型コロナウイルス感染症対応資金」については、リーマン・ショック時に行った1回あたりの最大追加融資枠1,300億円を大きく上回る2,000億円の追加融資枠を設けました。なお、新型コロナウイルス感染症関連の県融資制度における資金全体の取扱実績については、5月29日時点で2,970件、約745億円が三重県信用保証協会において保証承諾されています。
 今後も、あらゆる産業において、極めて厳しい状況が続くことが懸念されることから、セーフティネット資金の融資枠をさらに 150億円追加し、総額500億円に拡大することで、中小企業・小規模企業の資金繰り支援を強力に実施していきます。
 このほか、新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴う 収入減少などで生活に困窮している方々を支援するため、貸付原資を増額した生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例 貸付実績は5月29日時点で2,018件、約3億7千万円となって います。
 
 今回、新型コロナウイルス感染症の拡大による外食・宿泊業等の休業や営業自粛の影響により、特に松阪牛や養殖マダイなどの高級食材をはじめとする県産農林水産物の需要減少や価格の下落が生じています。生産現場の皆様からは、今後の事業継続への不安など、切実な声をお聞きする中で、県では、これまでに県内量販店や大手通販会社等と連携した県産高級食材の販売促進活動を行うほか、 県産品の家庭内消費の需要獲得に向けて、県内事業者の新たな販路開拓を支援するため、5月に通販ポータルサイト「オール三重! 全力応援サイト『三重のお宝マーケット』」を開設しました。
 また、再開された学校給食において、三重が誇る素晴らしい食材の子どもたちへの提供とあわせて、地産地消や食育を推進する取組を実施したいと考えています。
 今後もさまざまな取組を強力に進め、県内事業者の新たな販路 開拓、消費喚起につなげていきます。
 
 また、社会経済の回復期を見据えて、農林水産分野においては、今回生じた労働力の不足や、消費者行動の変化に対応するため、 農業大学校における研修体制の強化や農林水産事業者のスキルアップを支援することで、環境変化に対応できる経営体や人材の育成に取り組みます。
 さらに、地域経済の活性化、生産性の向上や防災・減災、インフラ老朽化対策などの国土強靱化等に資する公共事業の早期執行を 図ることにより、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ景気の下支えに万全を期します。
 
(みえモデル)
 新型コロナウイルス感染症対策は新たなフェーズに入っています。
 感染症への警戒は緩められませんが、県内で感染を抑え込むことができている今こそ、感染防止対策を徹底しながら、「次の段階」として、傷ついた暮らしと経済の再生・活性化を図るという新たな挑戦に着手するときであると考えています。
 このことから、3月の緊急経済対策、4月の緊急総合対策に続く第3弾の対策として、5月29日に、「“命”と“経済”の両立をめざす『みえモデル』」を策定しました。
 「みえモデル」では、これからも続く新型コロナウイルス感染症の脅威の中で、社会経済活動への影響を最小限にしたうえで、どのように県民の皆様の命と健康を守り抜くのか、また、感染症がもたらした価値観やライフスタイルの変化を踏まえながら、どのように傷ついた暮らしと経済の再生・活性化を図っていくのか、そのための道筋を明らかにしています。
 また、「みえモデル」では、「デジタル・トランスフォーメーション」の推進やこれまで積み重ねてきた「三重の強み」の活用、一極集中リスクの軽減と地方創生の推進、SDGsの推進の四つを、 全体を貫く視点に据え、段階を踏んで、取組を展開していきます。
 具体的な取組としては、例えば、新型コロナウイルス感染症への対策を教訓とし、全県をあげた万全の対策を計画的かつ総合的に 講じるため、全国に先駆けた本県独自の「三重県感染症対策条例(仮称)」の制定や、「三重県新型インフルエンザ等対策行動計画」、「三重県感染症予防計画」について、新型コロナウイルス特有の 感染状況に合わせて、国の行動計画の改訂を待つことなく、県独自で見直すことなどを盛り込んでいます。「みえモデル」に掲げた 取組のうち6月補正に計上しているものについては、議案等の概要で説明いたします。
 これらの対策を早急かつ強力に講じることにより、県民の皆様に一刻も早く安心を届けられるよう、全力で取り組んでいきます。
 
(全国知事会における地方創生対策本部からの提言)
 5月20日、全国知事会地方創生対策本部長として、全国知事会長等とともに、北村内閣府特命担当大臣に対し、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の『飛躍的増額』に向けた 緊急提言」を行いました。
 私からは、新型コロナウイルス感染症と共生する「新たな日常」を作り上げるという大きな挑戦に取り組む必要がある一方で、 各都道府県も非常に厳しい財政状況となっていることから、「臨時交付金については、自由度の高い柔軟な制度とするとともに、 リーマン・ショック当時の経済対策を上回る、最低でも総額3兆円以上となるよう交付金の追加措置を行うこと。また、地方創生は、都道府県と市町村が連携し取り組んでいることから、市町村に対しても、都道府県と同程度の交付金措置が必要であること。」などを強く要望しました。
 この結果、国の令和2年度第2次補正予算(案)において2兆円の増額が閣議決定され、第1次補正予算の1兆円とあわせ、総額3兆円の措置がなされることになります。
 明日、6月4日に開催される全国知事会議では、地方創生対策 本部長として、「地方創生の危機突破・加速化に向けた提言」に ついて提案します。
 この提言では、臨時交付金の増額、新型コロナウイルス感染症 緊急包括支援交付金の使途の拡大のほか、「ひと」の命を守り抜くための、医療・検査体制の整備に向けた支援、「しごと」と「まち」を守り抜くための事業の継続と雇用の維持、さらに、まち・ひと・しごとの未来を切り拓くための地方創生の再加速化に向けた施策を求めていきます。
 
(県立学校の再開)
 6月1日から、全学年・全学級において県立学校の教育活動を 再開しました。
 現在、学校では、教室の換気はもとより、登校時において過密 状態を回避するための通学バスの増便、校内で多くの児童生徒が 手を触れるドアノブや手すり等の消毒を行うスクールサポートスタッフの全校配置など、感染防止対策を徹底した上で、教育活動を 実施しているところです。
 「久しぶりに友だちに会えて嬉しい」、「教室でみんなと勉強できて楽しい」と、学校にようやく子どもたちの笑顔と明るく元気な声が戻ってきたことを、私も嬉しく思います。
 本格再開までの間、オンラインでの授業やホームルームの実施と、分散登校を効果的に組み合わせたハイブリッドによる学習など、 前例のない取組に対し、現場の教職員が創意工夫して取り組むと ともに、何よりも家庭の皆様が子どもたちを見守り、地域の皆様が子どもたちを支えていただきました。
 休業期間が長かったことから、学校再開後も、子どもたちはさまざまな不安を抱えていることと思います。
 春から初夏にかけてのこの時期は、通常であれば、学校での授業のペースをつかむとともに、進学や就職について考えたり、運動会や修学旅行といった学校行事を開催したりと、子どもたちの学びを深めるための、とても大切な時期です。こうした機会が奪われて しまった子どもたちを、私たち大人は、心のケアを含め、しっかりとサポートしていく必要があります。
 また、この間の学習の遅れを心配する声もありますが、短期間に詰め込むのではなく、理解の状況に応じて、丁寧に学習を進めて いくなど、一人ひとりに寄り添った対応を行っていきます。
 
(部活動にかかる大会・コンクール等の中止に伴う対応)
 県立学校の部活動についても、6月1日から再開しているところであり、段階的に練習試合や公式大会への参加など、活動を本格化させていきます。
 しかしながら、休業期間に、子どもたちの日頃の練習の成果を 発表する場である大会やコンクール等が中止となりました。これまで熱心に練習に取り組んできた子どもたちのことを思うと、心が 痛む思いです。
 子どもたちの想いをかなえるため、県高等学校総合体育大会、 全国高等学校野球選手権三重大会については代替の大会を開催します。また、高校生の文化活動の発表の場である「みえ高文祭」に ついては、合唱や吹奏楽などにおいて、多人数とならない工夫を 検討していきますが、例年と同じ部門数で開催します。
 引き続き、子どもたちの安全確保を第一としつつ、子どもたちのこれまでの努力の証が、形として残るような活躍の場を確保できるよう取り組んでいきます。
 
(人権と多様性の尊重)
 感染は自身や大切な家族にも起こりうることで、決して他人事ではありません。感染症に関して差別的な出来事が発生していると、体調が悪くなった際に、差別を受けることをおそれて、我慢した まま日常生活を続けてしまうことになりかねません。このことは、 結果としてウイルスを拡散させることにつながります。
 感染拡大の防止や、県民の皆様への正しい情報提供の重要性に 鑑み、勇気を出して情報の公表に応じていただいた個人や企業に 対し、誹謗中傷等がなされることは絶対にあってはなりません。
 また、医療従事者、やむを得ない理由で県外から来県される方、外国から帰国された方、日本に居住される外国人の方などが、差別や偏見を受けることも、決して許されることではありません。
 このため、根拠が不明な情報の拡散や不当な差別、いじめなどを行わないよう、民間企業のご協力による店舗での館内放送に加え、ラジオ放送や県ホームページなどを通じて、県民の皆様へ呼びかけを行ってきたところであり、今後の状況を踏まえ、引き続き取組を進めていきます。
 差別や偏見は、社会の分断や軋轢を生み、ときには生きる希望を失わせ、命にもかかわることがあります。今こそ、三重の持つ多様性の尊重と受容という素地を生かしつつ、一人ひとりを大切に、互いを思いやる社会となるよう、取組をさらに進める必要があります。
 ダイバーシティ社会の実現に向けて、性の多様性についても、 広く理解され、差別や偏見が解消されるよう、当事者の皆様からの声も踏まえ、多様な性的指向・性自認に関する新たな条例の制定に取り組みます。海外では、新型コロナウイルス感染症に関し、 もともと同性婚への反対意見が強い国などにおいて、LGBTなどの当事者がアウティング等をおそれて検査を避けてしまうおそれがあると指摘する報道もあります。LGBTなどの当事者を傷つけるだけでなく、家族関係や就労環境を不安定なものにしたり、友人との人間関係を分断し孤立に追い込んだりしかねないカミングアウトの強制やアウティングについて、都道府県では初めて、禁止する ことを条例に規定したいと考えています。
 有識者会議を設置し検討していくとともに、議会においてご審議いただき、ご意見を踏まえながら制定していきたいと考えています。
 誰もが希望を持って、挑戦し、参画・活躍できるよう、「みえ 県民力ビジョン・第三次行動計画」がめざす「三重県らしい、多様で、包容力のある持続可能な社会」を実現していきます。
 
(令和2年度の県政運営)
 令和2年度は、「第三次行動計画」の初年度です。また、「第二期希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」や「三重県環境基本計画」、「三重県観光振興基本計画」、「三重県教育ビジョン」などの 県の主要な計画が始まる年でもあります。
 第二次行動計画では、防災対策、医療、観光などの分野において、県民の皆様に一定の成果を届けることができました。みえ県民意識調査の結果によると、令和元年度に実施した第9回調査では、県民の皆様が日ごろ感じている幸福感は、10点満点で6.69点となり、第二次行動計画がスタートした前年度、平成27年度の第5回調査より0.02点高く、平成23年度の第1回調査と比較すると0.13点高くなっています。
 また、幸福実感指標については第5回調査と第9回調査を比べると、「必要な医療サービスを利用できている」が9.3ポイント、 「必要な福祉サービスを利用できている」が5.5ポイント上昇し、 医療・福祉施策など、これまで第二次行動計画において、特に注力して取り組んだ成果であると考えています。
 現在、新型コロナウイルス感染症により、多大な影響が発生していることから、まずは新型コロナウイルス感染症の収束に向け、 全力を尽くすとともに、今後とも「幸福実感日本一」の三重の実現に向け、第三次行動計画の視点として取り入れたSociety5.0や SDGsを踏まえ、各施策を進めていきます。
 
(スマート改革の推進)
 今年4月から、私は国の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の委員を務めており、その会議では新型コロナウイルスの感染拡大防止に対応した社会の在り方について議論をしてきました。 全国的にテレワークの導入が急速に進んでいるように、新型コロナウイルス感染症の影響で、世の中の考え方や働き方が大きく変わってきています。感染拡大が落ち着いた後も、その状況が「新しい 常態」(ニュー・ノーマル)になれば、たとえば、在宅勤務や都市の人が地方に拠点を持ちつつ遠隔で働くことが普通のことになる、そういう社会が到来すると考えられます。
 今年度本格的に実施しているスマート改革については、こうした「新常態」を見据えた行政の変革として位置づけ、ICTを活用 した業務の生産性の向上、職員の働き方の見直し、最新技術を活用した社会課題の解決を一層進めていきます。県庁が率先して変革を進めていくことで、三重県全体に変革の気運を波及させることを めざします。
 
 「凧は向かい風の時に最も高く上がる。追い風の時ではない。」
 英国の政治家、ウィンストン・チャーチルの言葉です。
 今、世界中で誰もが厳しい環境にある時期であるからこそ、 「オール三重」で知恵と力を合わせ、新型コロナウイルス感染症による危機を突破し、夢や希望に満ち溢れる三重の未来を切り拓いていきます。
 
(議案等の概要)
 引き続き、上程されました補正予算1件、条例案9件、その他議案8件合わせて18件の議案について、その概要を説明いたします。
 議案第103号の補正予算は、「新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた『三重県指針』」に基づく取組を速やかに実行するため、一般会計で81億3,666万8千円を増額するものです。
 それでは、一般会計の概要を説明いたします。
 歳入は、国庫支出金について、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で34億9,293万2千円、新型コロナウイルス感染症 緊急包括支援交付金で17億5,418万9千円を増額するなど、合わせて73億691万5千円を増額しています。
 寄附金について、「新型コロナ克服 みえ支え“愛”募金」にご協力いただいた寄附金など1億1,000万円を増額しています。
 繰入金について、地域医療介護総合確保基金繰入金で4億4,821万4千円、中小企業振興基金繰入金で1億円をそれぞれ増額するなど、合わせて5億7,542万8千円を増額しています。
 県債について、三重県運転免許センター空調設備改修経費の財源として1億2,600万円を増額するなど、合わせて1億4,300万円を増額しています。
 次に、歳出のうち主なものを説明します。
 
(感染拡大の防止と医療提供体制の強化)
 感染拡大の第二波の発生に備えて、県民の皆様の命を守る医療提供 体制を継続して整備するため、入院患者を受け入れる病床や症状が 軽快した方等を受け入れる宿泊施設を確保するとともに、医療機関への消毒液・防護服の配布や医療従事者の派遣、医療設備の整備支援を行います。また、PCR検査体制を強化するため、検査を集中的に 実施する「地域外来・検査センター」を設置運営するなど、44億 3,359万6千円を増額しています。
 介護施設等においては、県がマスクや消毒液等を購入・配布するとともに、簡易陰圧装置の導入支援を行うため、3億3,396万4千円を増額しています。
 社会福祉施設や高度な医療的ケアが必要な方に対して、県が消毒液を購入・配布するとともに、児童養護施設等の個室化改修に要する 経費を支援するため、5,483万円を増額しています。
 警察業務における感染防止対策を強化するため、マスク、消毒液等の購入を行うほか、運転免許センターの空調設備の改修経費など、 1億5,089万8千円を増額しています。
 大規模災害に備えて、県が三重県備蓄・調達基本方針に基づきセーフティネットとして、マスク、消毒液、簡易トイレを備蓄するため、1,765万2千円を増額しています。
 県内事業者が消毒液等の感染予防・拡大防止に資する製品の製造を行う際に必要な設備投資に対する支援を行っていますが、参入意欲の高まりを踏まえ1億5,875万円を増額し、総額を倍増させます。
 早期開発が待たれるワクチンや治療薬については、メディカルバレー構想の推進を通じて培われた産学官民連携のネットワークを生かし、ワクチン等の研究開発に積極的に取り組もうとする県内の企業・研究機関等の研究 開発経費を支援するため、400万円を計上しています。
 また、三密の回避に向けて、介護従事者の感染防止にかかる業務 負担等の軽減を図る介護ロボットの導入やICT等の活用を支援するため、1億1,425万円を計上しています。
 就労系障害福祉サービス事業所におけるテレワークシステム導入や、発達障がい児者の支援事業所におけるソーシャルスキルトレーニング機器の導入を支援するため、1,000万円を計上しています。
 介護サービス事業所や障害福祉サービス事業所等において感染者が発生した場合に、事業所が提供するサービスの変更に要する経費や、障害者入所施設において軽症の入所者を介助した職員に特殊勤務手当を支給する経費等を支援するため、1億1,229万7千円を増額しています。
 
 
(社会経済活動の維持・発展)
 県中小企業融資制度「セーフティネット資金(保証4号・危機関連保証)」にかかる保証料を補助するため、4,982万円を増額しています。
 感染拡大の影響に伴う海外ニーズの変化に食品産業が対応できる よう、輸出を行う食品製造事業者等が行うHACCP等に対応した 施設改修や新設を支援するため、2億円を計上しています。
 感染拡大の影響を受けている県産牛や養殖マダイなどを学校給食に提供することで生産現場への関心・理解を高めるとともに、滞留している食材の解消を図るため、8億8,688万8千円を計上しています。
 感染症の拡大により、活動休止等を余儀なくされているNPOを 支援するため、各種支援制度の情報提供や事業展開に関する伴走型 支援を行う経費として、126万5千円を増額しています。
 感染拡大により普及が加速化しているテレワークをさらに進化させ、三重県内の自然豊かな環境で安全に仕事ができるワーケーションや 交通至便地でのリモートワークを推奨するため、首都圏等からの誘致に向けたPR活動や県内受入施設とのマッチングを行うなど、1,100万円を計上しています。
 県民の皆様が安全で安心した旅行ができるよう、県内バス事業者等が感染拡大防止策を徹底したうえで実施する県内周遊型の旅行商品の造成に対して支援を行うため、6,023万9千円を計上しています。
 令和3年に予定されている第9回太平洋・島サミットについては、地元市町や関係団体と連携し、感染症への対応を踏まえつつ万全の 態勢で開催できるよう、SNSを活用した広報活動経費や準備経費など、2,458万1千円を計上しています。
 
(生活者支援)
 感染症を起因とした人権侵害や誹謗中傷等による社会の分断や軋轢を絶対に阻止し、県民の皆様の正しい認識と理解を深めるため、テレビやラジオを活用した啓発活動を行う経費として、275万円を増額 しています。
 感染症に対して不安を抱える妊婦の方が気軽に相談できるWEB 相談窓口等を設置するとともに、県民の皆様、医療従事者、外国人 住民の方向けの相談体制を充実するため、合わせて924万円を増額 しています。
 特別支援学校等の臨時休業の延長に伴う放課後等デイサービスの 利用者負担額の増加に対して一部を補助するとともに、県立学校の 臨時休業による給食食材のキャンセルに伴う経費を負担するなど、260万4千円を計上しています。
 
(学校再開後の児童生徒の学びや学生への支援)
 学校再開後に、児童生徒一人ひとりの状況に応じて、よりきめ細かな学習支援を行うため、小中学校に非常勤講師や学習指導員を配置 する経費として、5,932万9千円を増額しています。
 家庭の収入や自身のアルバイト収入等の減少に伴う家計の急変を 踏まえ、県内高等教育機関の学生を支援するため、奨学金等を受給中の学生に対して、県内の飲食店で利用できる食事券を配付する経費として、8,787万1千円を計上しています。
 
(「新型コロナ克服 みえ支え“愛”募金」等を活用した取組)
 「新型コロナ克服 みえ支え“愛”募金」を活用した取組として、
 感染の不安に苛まれながらも献身的に子どものために頑張っていただいた放課後児童クラブに対して、感謝と応援の気持ちを伝えるため、「みえ支え“愛”セット」を配布する経費として、2,200万円を計上しています。
 飲食店等と協働して子ども食堂を運営するNPO法人など民間団体の活動経費を助成するため、200万円を計上しています。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にある観光 関連の中小企業・小規模企業者等を支援したいとして1億円の寄附をいただいたところですが、三重県経営向上支援新型コロナ危機対応 補助金のニーズが引き続き高いことから、1億円の寄附も活用して、合計6億円を増額し、補助金総額を10億円とします。
 県民の皆様や県外の三重県ご出身の方、企業・団体の方々などで、趣旨にご賛同いただけます方は、引き続き無理のない範囲で結構ですので、ご協力のほど、よろしくお願い致します。
 
 
 今後も緊急度に応じて、適時適切に対策を追加する予定ですので、ご理解・ご協力をお願いします。
 
 以上で補正予算の説明を終わり、引き続き条例案等の諸議案について、説明いたします。
 議案第104号は、本県の主要農作物の品質の確保及び安定的な生産を通じ、消費者への安全で安心できる食糧の供給に寄与するため、 主要農作物の種子の生産等について必要な事項を定める条例を制定 するものです。
 議案第105号は、職員が新型コロナウイルス感染症に対処するための業務に従事したときの試験防疫業務手当の特例に関する規定を整備するものです。
 議案第106号は、家畜伝染病予防法の一部改正に伴い、規定を整理するものです。
 関係法律等の一部改正等に鑑み、議案第107号は、自動車税、個人県民税、不動産取得税等についての規定を、議案第108号は、県税の特例措置についての規定を、それぞれ整備するものです。
 議案第109号は、みえこどもの城の施設等の利用料金の規定を整備するものです。
 議案第110号は、三重県環境学習情報センターの開館時間及び休館日についての規定を、議案第111号は、三重県交通安全研修センターの休館日についての規定を、それぞれ整備するものです。
 議案第112号は、関係省令の一部改正に鑑み、県立病院の使用料の規定を整備するとともに、三重県立こころの医療センターの診療科目を追加するものです。
 議案第113号及び第114号は、工事請負契約の変更をしようとするものです。
 議案第115号から117号までは、財産を取得しようとするものです。
 議案第118号は、県道の路線を廃止しようとするものです。
 議案第119号は、三重県桑名市大字五反田字源十郎新田地内における油の回収等の措置について、四日市簡易裁判所調停委員会から提示された調停案に合意しようとするものです。
 議案第120号は、損害賠償の額を決定し、和解をしようとするものです。
 
 以上で諸議案の説明を終わり、次に報告事項について説明いたします。
 報告第7号から第9号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
 報告第10号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
 報告第11号から第15号までは、令和元年度一般会計、特別会計 及び企業会計のうち、翌年度へ繰り越した経費について、それぞれ 繰越計算書を調製しましたので、報告するものです。
 以上をもちまして提案の説明を終わります。
 なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
 

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