資料3―17 三重県における赤潮発生状況(平成14年1月1日~12月31日)
整理番号 | 発生時期 | 発生海域 | 赤潮構成種名 | 発生状況および発達状況 | 最大 面積 (km2) |
発生 水深 (m) |
最高 細胞数 (cells/ml) |
漁業被害 の有無 (被害整 理番号) |
情報源 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (S-1) |
1.17 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Prorocentrum triestinum |
1.17に五ヶ所湾神津佐において赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、0m層の7,300cells/mlであった。 | 不明 | 0-5 | P.t. 7,300 |
無 | 南勢町 |
2 (S-2) |
2.21 | 志摩度会 (国崎) |
Eutreptiella gymnastica |
2.21に国崎漁港内において赤潮の発生が確認された。表層で高密度となっており、緑色に着色していた。 | 不明 | 0 | E.g. 40,000 |
無 | 国崎漁協 鳥羽市 |
3 (I-1) |
3.14- 6.5 |
伊勢湾 | Noctiluca scintillans (推定を含む) |
3.14から6.5にかけて伊勢湾の各所でNoctiluca scintillansによる赤潮の発生が断続的に確認された。3.14には鈴鹿から津の沖合で確認され、一部の海域ではN.scintillansの死骸と思われる浮遊物もみられた。3.18、3.21には松阪から大淀の沖合5マイルの範囲内で点在していた。その後は、3.22に鈴鹿から伊勢市(宮川河口)の沖合5マイル付近、4.3に二見の沖合3.5マイル付近、4.9に小鈴谷の沖合、4.17に鈴鹿から松阪の沖合、4.24に四日市から鈴鹿の沿岸及び沖合、5.8に東大淀から有滝の沖合、5.14に鈴鹿から津の沖合および下御糸から桃取の沖合、5.27には河芸から津の沖合1.5マイル付近、6.4に松名瀬から北藤原の沖合0.5マイルの範囲内、6.5に伊勢湾南部海域において赤潮の発生が確認された。 | >70 | 0 | N.s. 50 |
無 | 第四管区海上保安本部 しらなみ あさま丸 鈴鹿水産研究室 伊勢市漁協 伊勢市 |
4 (S-3) |
4.8- 5.22 |
志摩度会 (的矢湾・志摩半島沿岸・英虞湾・五ヶ所湾・古和浦) |
Noctiluca scintillans |
4.8に的矢湾湾口(安乗漁港)、英虞湾湾口から湾中央、五ヶ所湾湾口から湾中央においてNoctiluca scintillansによる赤潮の発生が確認された。細胞数は、安乗漁港の表層( 赤潮濃密部 )で 1,000cells/ml、英虞湾(御座)の0m層で57cells/mlであった。その後、4.10には古和浦で、5.21には御座岬の南東5マイル付近で着色域が確認された。5.22には国府から志島の沿岸および和具の漁港内で発生が確認され、和具漁港0m層(赤潮濃密部)の細胞数は1,390cells/mlであった。 | 不明 | 0 | N.s. 1,390 |
無 | 阿児町 南勢町 南勢志摩県民局 水産研究部 第四管区海上保安本部 |
5 (I-2) |
4.9 | 伊勢湾 (北東部) |
Skeletonema costatum |
4.9 常滑沖の伊勢湾北東部海域においてSkeletonema costatum による赤潮が確認された。 水色:No.45 | >56 | 0 | S.c. 39,500 |
無 | しらなみ |
6 (K-1) |
4.9- 5.14 |
熊野灘 北部 (紀勢町錦・紀伊長島町・尾鷲湾・賀田湾・熊野灘沖合) |
Noctiluca scintillans |
4.9に紀伊長島町城ノ浜においてNoctiluca scintillansによる赤潮の発生が確認された。細胞数は698cells/mlであった。4.10には紀勢町錦で、4.26には尾鷲湾(行野浦)及び賀田湾(三木浦)で発生が確認された。細胞数は、行野浦港内の0m層で460cells/ml、三木浦湾奥の0m層で910cells/mlであった。5.14には尾鷲から熊野の沿岸および沖合10~20マイル付近で赤潮が確認された。 | 不明 | 0 | N.s. 910 |
無 | 南勢志摩県民局 尾鷲水産研究室 紀北県民局 |
7 (S-4) |
5.10 | 志摩度会 (阿曽浦 (道方浦)・(慥柄浦) |
Gymnodinium sanguineum |
5.10に南島町阿曽浦(道方浦)および慥柄浦においてGymnodinium sanguineumによる赤潮の発生が確認された。細胞数は、阿曽浦(道方浦)の表層で1,820cells/mlであった。5.13には赤潮は終息していた。 | 不明 | 0 | G.s. 1,820 |
無 | 南島町 水産研究部 |
8 (K-2) |
5.14 | 熊野灘 北部 (紀勢町錦) |
Heterosigma akashiwo |
5.14に紀勢町錦湾奥の漁港内においてHeterosigma akashiwoの赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、0m層の50,000cells/mlであった。 | 不明 | 0 | H.a. 50,000 |
無 | 南勢志摩県民 局 水産研究部 |
9 (K-3) |
5.20- 5.27 |
熊野灘 北部 (引本湾・尾鷲湾) |
Prorocentrum dentatum |
5.20に引本湾矢口浦においてProrocentrum dentatumによる赤潮の発生が確認された。細胞数は、0m層で11,800cells/mlであった。5.23には引本湾の矢口浦からタケダ漁場にかけて着色が確認され、尾鷲湾の古里漁場でも着色がみられた。5.27以降に終息した。最高細胞数は、5.21矢口浦2m層の25,700cells/mlであった。 | 不明 | 0-5 | P.d. 25,700 |
無 | 紀北県民局 尾鷲水産研究室 |
10 (S-5) |
5.22- 5.27 |
志摩度会 (鳥羽市沿岸) |
Haptophyceae (ハプト藻の一種) |
5.22に鳥羽市沿岸(小浜~浦村)においてハプト藻の一種による赤潮の発生が確認された。このプランクトンは、大きさ約5~8μmで長卵型から左右不対照の洋梨形、2本の不等長の鞭毛と短いハプトネマおよび黄緑色の色素を有しているのが特徴であった。最高細胞数は、浦村0m層の609,600cells/mlであった。5.27には顕著な着色は確認されず、細胞数は坂手島(鳥羽市水研前)の900cells/mlが最高であった。 水色:黄緑色 |
不明 | 0 | Haptophyce-ae 609,600 |
無 | 鳥羽市 水産研究部 |
11 (S-6) |
5.24- 5.30 |
志摩度会 (志摩町和具) |
Haptophyceae (ハプト藻の一種) |
5.24に志摩町和具漁港内においてハプト藻の一種による赤潮の発生が確認された(鳥羽市沿岸と同種と思われる)。細胞数は、0m層で138,400cells/ml、2m層で140,800cells/mlであった。5.30には顕著な着色はみられなかった。 | 不明 | 0-2 | Haptophyce-ae 140,800 |
無 | 南勢志摩県民局 水産研究部 |
12 (S-7) |
6.13 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Prorocentrum dentatum |
6.13に五ヶ所湾の礫浦においてProrocentrum dentatumによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、2m層の18,500cells/mlであった。6.24には赤潮は終息していた。 | 不明 | 2 | P.d. 18,500 |
無 | 南勢町 |
13 (S-8) |
6.14 | 志摩度会 (奈屋浦) |
Heterosigma akashiwo |
6.14に南島町の奈屋浦においてHeterosigma akashiwoによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、漁港沖の100,500cells/mlであった。6.17には 赤潮は確認されなかった。 |
不明 | 0 | H.a. 100,500 |
有① | くまの灘漁協 南勢志摩県民局 水産研究部 |
14 (I-3) |
6.17- 6.18 |
伊勢湾 (北部) |
Chaetoceros sp. Skeletonema costatum |
6.17 常滑市と鈴鹿市を結ぶ線より北の伊勢湾北部海域において、Caetoceros sp.、Skeletonema costatumによる珪藻複合赤潮が発生しているのが確認され、6.18まで継続した。 水色No.32 |
>46 | 0 | C.sp. 38,950 S.c. 18,600 |
無 | しらなみ |
15 (K-4) |
6.19 | 熊野灘 北部 (白浦) |
Heterosigma akashiwo |
6.19に海山町の白浦においてHeterosigma akashiwoによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、港内1m層の35,900cells/mlであった。 | 不明 | 0-1 | H.a. 35,900 |
無 | 尾鷲水産研究室 |
16 (S-9) |
6.24 | 志摩度会 (方座浦) |
Prorocentrum dentatum |
6.24に南島町の方座浦においてProrocentrum dentatumによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、市場前0m層の43,750cells/mlであった。 | 不明 | 0 | P.d. 43,750 |
無 | くまの灘漁協 水産研究部 |
17 (K-5) |
6.27- 7.2 |
熊野灘 北部 (引本湾) |
Prorocentrum dentatum Chattonella sp. |
6.27から7.2にかけて引本湾においてProrocentrum dentatumとChattonella sp.による複合赤潮の発生が確認された。P. dentatumの最高細胞数は、6.27、タケダ漁場 0m層 の 13,650 cells/ml 、Chattonella sp. の最高細胞数は7.2、ムナシ漁場2m層の130cells/mlであった。 (Chattonella sp.は100cells/ml以上を赤潮とした。) |
不明 | 0-2 | P.d. 13,650 C.sp. 130 |
無 | 紀北県民局 |
18 (I-4) |
7.2- 7.4 |
伊勢湾 (南東部・南西部) |
Noctiluca scintillans |
7.2から7.4にかけて伊勢湾南東部および南西部において、Noctiluca scintillans による赤潮が発生しているのが確認された。7.2から7.3には野間から豊浜にかけての海域で、7.3には津市から鳥羽市の沖合一帯で、7.4には松阪市から伊勢市にかけての沖合2マイルの範囲内で、それぞれ赤潮がパッチ状に発生していた。 水色:No.14 | >186 | 0 | N.s. 11 |
無 | 第四管区海上保安本部 しらなみ 鈴鹿水産研究室 あさま丸 |
19 (I-5) |
7.3 | 伊勢湾 (西部) |
Heterosigma akashiwo |
7.3に津市沿岸においてHeterosigma akashiwoによる赤潮の発生が確認された。 | 不明 | 0 | H.a. 53,400 |
無 | 鈴鹿水産研究室 |
20 (S-10) |
7.3 | 志摩度会 (石鏡~安乗) |
Noctiluca scintillans |
7.3に石鏡から安乗の沖合10~20マイルにおいてNoctiluca scintillansによる赤潮の発生が確認された。 | 不明 | 0 | 不明 | 無 | 鈴鹿水産研究室 あさま丸 |
21 (I-6) |
7.3- 7.9 |
伊勢湾 (北東部) |
Skeletonema costatum Chaetoceros sp. |
7.3 小鈴谷以北の伊勢湾北東部海域において、Skeletonema costatum、 Chaetoceros sp. による珪藻複合赤潮が確認され、7.9まで継続した。 水色:No.45 | >107 | 0 | S.c. 31,200 C.sp. 18,600 |
無 | しらなみ |
22 (S-11) |
7.9 | 志摩度会 (古和浦) |
Prorocentrum dentatum |
7.9に古和浦においてProrocentrum dentatumによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、市場前2m層の9,100cells/mlであった。 | 不明 | 2 | P.d. 9,100 |
無 | 古和浦漁協 水産研究部 |
23 (I-7) |
7.22-7.25 | 伊勢湾 | Thalassiosira sp. Skeletonema costatum |
7.22 伊勢湾中央部から北部を中心とする広範囲において Thalassiosira sp.、 Skeletonema costatum による珪藻複合赤潮が発生しているのが確認された。 水色:No.45 |
530 | 0 | T.sp. 48,000 S.c. 15,000 |
無 | しらなみ 知多農林水産事務所 |
24 (K-6) |
7.29- 8.9 |
熊野灘 北部 (引本湾) |
Prorocentrum dentatum Ceratium furca Calyptrosphae- ra sp. |
7.29から7.31にかけて引本湾においてProrocentrum dentatumによる赤潮の発生が確認された。8.7からはP. dentatum、Ceratium furca、Calyptrosphaera sp.を優占種とする複合赤潮となった。8.10以降に終息した。 | 不明 | 2-5 | P.d. 39,000 C.f. 4,000 C.sp. 6,500 |
無 | 尾鷲水産研究室 |
25 (S-12) |
7.30- 9.24 |
志摩度会 (英虞湾) |
Heterocapsa circularisquama |
7.5から英虞湾においてHeterocapsa circularisquamaの出現が確認されていたが、7.30に立神浦および神明浦で100cells/ml以上の細胞数に達した。その後も湾奥部で100cells/ml以上の細胞数が継続し、8月下旬から9月中旬にかけては湾奥部で2,000cells/mlを超える細胞数も確認された。最高細胞数は、9.18、立神定点、3m層の2,870cells/mlであった。9.24を最後に100cells/ml以下に減少した。 (H.circularisquamaは100cells/ml以上を赤潮とした。) |
不明 | 1-B-1 | H.c. 2,870 |
無 | 英虞湾内真珠組合 阿児町 芙蓉海洋開発 水産研究部 |
26 (S-13) |
8.24- 8.28 |
志摩度会 (古和浦) |
Gymnodinium mikimotoi |
8.24に南島町古和浦においてGymnodinium mikimotoiによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、8.26、ホテミ漁場、2m層の5,790cells/mlであった。8.29以降に終息した。 | 不明 | 0-2 | G.m. 5,790 |
有② | 古和浦漁協 南勢志摩県民局 水産研究部 |
27 (S-14) |
8.28 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Mesodinium rubrum |
8.28に五ヶ所湾の五ヶ所浦においてMesodinium rubrumによる赤潮の発生が確認された。8.29以降に終息した。 | 不明 | 0-2 | M.r. 3,200 |
無 | 南勢町 |
28 (S-15) |
8.28- 8.29 |
志摩度会 (英虞湾) |
Mesodinium rubrum |
8.28に英虞湾の浜島浦においてMesodinium rubrumによる赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、8.28、浜島漁港前、0m層の2,475cells/mlであった。8.30以降に終息した。 | 不明 | 0-3.1 | M.r. 2,475 |
無 | 水産研究部 |
29 (I-8) |
9.2- 9.4 |
伊勢湾 (北中部) |
Noctiluca scintillans |
9.2 知多市と三重県川越町を結ぶ線より南から伊勢湾中央部にかけての範囲内で、Noctiluca scintillans による赤潮が部分的に発生しているのが確認された。 水色:朱色 | 不明 | 0 | 不明 | 無 | 第四管区海上保安本部 しらなみ |
30 (S-16) |
9.3 | 志摩度会 (古和浦) |
Prorocentrum dentatum Calyptrosphae- ra sp. |
9.3古和浦においてProrocentrum dentatumとCalyptrosphaera sp.による複合赤潮の発生が確認された。最高細胞数は、P. dentatumは灯台下、2m層の13,550cells/ml、Calyptrosphaera spは天神、2m層の5,900cells/mlであった。 | 不明 | 2 | P.d. 13,550 C.sp. 5,900 |
無 | 古和浦漁協 南勢志摩県民局 水産研究部 |
31 (I-9) |
9.4- 9.9 |
伊勢湾 (北部) |
Skeletonema costatum Chaetoceros sp. Thalassiosira sp. |
9.4 常滑市と三重県楠町を結ぶ線より北の伊勢湾北部海域において、Skeletonema costatum をはじめとする珪藻複合赤潮が発生し、9.9まで継続した。 水色:No.42 | 197 | 0 | S.c. 18,100 C.sp. 2,800 T.sp. 1,550 |
無 | しらなみ |
32 (I-10) |
10.15-10.17 | 伊勢湾 (東部) |
Skeletonema costatum Chaetoceros sp. |
10.15 伊勢湾中央部から知多半島沿岸沿いの伊勢湾東部海域において、Skeletonema costatum、Chaetoceros sp. による珪藻複合赤潮が発生しているのが確認された。 水色:No.45 |
>126 | 0 | S.c. 22,000 C.sp. 6,560 |
無 | 知多のり研究会 知多農林水産事務所 漁業生産研究所 しらなみ |
【備考】
- H.circularisquamaは100cells/ml以上を赤潮として扱った。
- Chattonella sp.は100cells/ml以上を赤潮として扱った。
【注】
- 「整理番号」は、発生時期の順に一連番号を記載し、( )内には発生海域毎に一連番号を記載した。
(I、S、Kはそれぞれ伊勢湾、志摩度会、熊野灘北部の各海域を示す。) - 2あるいは3海域にまたがって発生した場合は、各海域のそれぞれに発生したものとして扱った。
従って、例えば2つの海域にまたがって発生した場合は、1つの発生に対して2つの整理番号を与え、発生件数は2件とカウントした。 - 「発生時期」は、発生が確認された日から消滅日までを記載することを基本としたが、同一海域で発生、消滅(一時的な細胞数の減少)を繰り返したものについては、最初の発生から最後の発生まで(完全な赤潮の終息まで)を1単位として記載した。
- 水色表示の( )内は、赤潮情報伝達事業、赤潮調査事業水色カードの番号で示した。