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平成21年10月01日

保環研年報 第11号(2009)

2009年年報表紙

 三重県保健環境研究所年報 第11号(通巻第54号)(2009)を発行しましたので その概要をご紹介します。

 各研究報告(原著、ノートおよび資料)の全文(PDF形式)をご希望の方は、こちらから ダウンロードできます。
 

 


 

研究報告

 

 ノート

2009rep1  食品中のアフラトキシン分析法の検討
  竹内 浩,一色 博,林 克弘,川合啓之,林﨑由美子,大垣有紀,志村恭子
   キーワード:アフラトキシン,カビ毒,イムノアフィニティーカラム,事故米

 2008年9月,農薬のメタミドホスやアセタミプリド,カビ毒のアフラトキシンによって汚染された「事故米」を食用と偽って転売する事件が発生した.県内においては,事故米から製造された可能性のあるでんぷんを使用した厚焼き卵が学校給食に提供されていたことが判明した.この事故米転売事件に伴い,白米等の穀類を対象としたアフラトキシン分析法を検討した.その結果,抽出液のクリーンアップ法として,イムノアフィニティーカラムを使用する通知法が有効であった.ピーナッツや酒等は4種アフラトキシン標品を用いて標準添加回収実験を行ったところ,いずれのアフラトキシンも回収率80%以上の良好な結果であった.この方法を用いてとうもろこし,酒,米菓子等食品中のアフラトキシンを分析したところ,供試した13種類の全てにおいてアフラトキシンは検出されなかった.
 
2009rep2  農作物中残留有機リン系農薬の一斉分析法の検討
  大垣有紀,林 克弘,一色 博,川合啓之,林﨑由美子,竹内 浩,志村恭子
        キーワード:有機リン系農薬,一斉分析法,混合標準溶液

 FPD(P)-GC を用いて有機リン系農薬58種の一斉分析法について検討した.アセトン・酢酸エチル・n-ヘキサン混合溶媒(独自法)とアセトニトリル(通知改良法)の2つの抽出溶媒を用いて添加回収実験を行い比較した結果,両者間に有意な差は認められなかった.アセトン・酢酸エチル・n-ヘキサン混合溶媒を用いる独自法で,代表的な5農産物を用いて添加回収実験を行ったところ,本法は有機リン系農薬のスクリーニングとして有用な方法であった.試験溶液の一部をGC/NH2積層ミニカラムを用いて精製し,測定を行ったところ,58農薬中49農薬で70%以上の良好な回収率であり,精製を行わなかった場合に比して,マトリックス効果による感度上昇が抑えられることがわかった.さらに,市販の混合標準溶液を利用することで省力化をはかること,GPC移動相として用いるジクロロメタンをアセトンに変更し環境負荷の軽減をはかること等の変更,改良を行った.

2009rep3  食品中のメラミンおよび関連化合物分析法の検討
      川合啓之,林 克弘,竹内 浩,一色 博,林﨑由美子,大垣有紀,志村恭子
   キーワード:メラミン,アンメリン,アンメリド,マトリックス検量線,LC/MS/MS
 
 2008年,中国において粉ミルクへのメラミン混入事件が発生した.メラミンは食器などに利用されるメラミン樹脂の原料であり,食品中に混入することは想定されていないことから,食品を対象とした分析法は確立されていなかった.その後,厚生労働省から通知法として「メラミン試験法」が示されたが,その関連化合物であるアンメリンおよびアンメリドについては現在まで示されていない.そこで,本報では当該通知法がアンメリンおよびアンメリドの分析法として適用可能であるか確認するために,食品12種について標準添加回収実験を実施した.その結果,マトリックス検量線を用いて定量を行うことにより,良好な回収率を得ることができた.また,通知法による分析が困難な食品については,試料採取量を変更することで,対応が可能となった.

2009rep4  三重県性感染症4疾患全数把握調査-2007年度と2008年度調査結果の比較-
  高橋裕明,山内昭則,福田美和,松村義晴,大熊和行
   キーワード:性感染症4疾患,全数把握調査,感染症サーベイランス
 
 三重県では,実態と乖離しているとの指摘がある現在の定点による性感染症4疾患サーベイランスを見直すため,2007年度から3年間の計画で,三重県内の産科,婦人科,産婦人科,泌尿器科,皮膚科,性病科を標榜する338医療機関に協力を依頼し,性感染症4疾患患者全数把握調査を実施している.2007年度に患者報告があったのは107機関から3,467人,2008年度は87機関から2,830人であった.2007年度と比較して2008年度は,泌尿器科からの男性の性器クラミジア感染症および淋菌感染症の減少が顕著であったが,産婦人科からの性器クラミジア感染症は男女とも大きな減少はみられなかった.また,2年間に亘って恒常的に25人以上の患者報告があった医療機関に制限した集計では,女性の性器クラミジア感染症は逆に増加が認められるなど,全国で示されている傾向と異なり、実態の把握には,より詳細な分析の必要性が示唆された.
 なお,今後は,本来の目的である感染予防・まん延防止を考慮し,無症状病原体保有者の把握も視野に入れた性感染症サーベイランスを検討すべきと考えられた.

2009rep5  生食用カキに含まれるノロウイルスとカキ養殖海域の海況
  中野陽子1),山中葉子2),永井佑樹,岩出義人
       1)津保健福祉事務所,2)小児診療センターあすなろ学園
   キーワード:ノロウイルス,海水温,塩分濃度,汚染リスク回避

 2007年6月から2008年3月まで毎月1回,鳥羽市浦村町と志摩市的矢町の2箇所の計3箇所の養殖海域で養殖されたカキに含まれるノロウイルス(以下NV)を検索した.7月,12月,1月,2月にウイルスが検出された.合計186検体の中腸腺を検査したところ検出数は19検体(検出率10.2%)であった.感染性胃腸炎の流行は12月上旬から始まり,その1週間後からNorovirus(NV)が検出されはじめた.夏季でもカキ中腸腺からNVが検出されたが,同じ場所に同一ロットを養殖し続けると翌月には検出されなくなった.塩分濃度は水深が深くなるほど変動の幅が小さかった.浦村と的矢では塩分濃度の変化に差があった.浦村は変化が小さく,的矢は変化が大きく,深度により異なる傾向を示した.海水温の傾向は両海域とも夏季は深いほど低く,冬場は深い方が若干高かった.海水温が15℃を下回り感染性胃腸炎の流行期になるとカキ中腸腺からNVが検出されるものが現れるので,海水温をモニターすることは対策を開始する目安となると考えられた.今回の調査で降雨による塩分濃度の変化の差から,両海域は同じ対策ではなく,それぞれ海域特有のリスク回避策を模索する必要が示唆された.

2009rep6  浄水汚泥を原材料とした環境浄化材料の開発
  吉岡 理,片山 貴幸,市岡 高男,塚田 進
   キーワード:浄水汚泥,廃水処理,土壌汚染,不溶化,活性Al

 県内10カ所の浄水場で採取した浄水汚泥を風乾あるいは105~600℃で加熱処理した試料を用い,廃水処理剤,汚染土壌不溶化材等環境浄化材料に適用することを目的として,その各種汚染物質に対する除去能の評価を行った.廃水処理用として試験を実施したところ,六価クロム,ふっ素に対しては高い除去率を示したが,セレンに対しては六価物と四価物で除去能力が異なっていた.また,汚染土壌不溶化用として,模擬汚染土壌に重量比20%の浄水汚泥試料を混合,養生することにより,不溶化材としての効果を試験した.六価クロム,ふっ素および四価セレンに対して,土壌溶出量基準を満足する結果が得られたが,六価クロム汚染土壌に対し,pH変化に対する安定性試験を実施したところ,アルカリ剤添加で溶出量が増加する傾向が認められた.

2009rep7  浮遊粒子状物質に含まれる多環芳香族炭化水素類について(2)
        -微小粒子からの多環芳香族炭化水素類の抽出について-
  佐来栄治,小山善丸,西山 亨,塚田 進
   キーワード:微小粒子,多環芳香族炭化水素類,高速溶媒抽出装置,元素状炭素,
          パーソナルカスケードインパクト(PCI)サンプラー

 微小粒子に含まれる多環芳香族炭化水素類(PAHs)について,北勢地域の3地点(納屋,桑名,桜)の試料についてジクロロメタン超音波抽出法で前処理を行ったところ,桑名,桜に比べ納屋のPAHsの抽出率および添加回収率が低かったことを前報1)で報告した.そのため,今回はトルエンを抽出溶媒に用いて高速溶媒抽出装置による納屋のPAHsの抽出率および添加回収率の改善を図ったところ,桑名,桜と同程度の良好な抽出率および添加回収率を得ることができた.また,納屋のジクロロメタン超音波抽出法ではPAHsの抽出率・添加回収率が低く,その要因を検討したところ,桑名,桜に比べて微小粒子中に含まれる元素状炭素濃度が高いことによる影響と考えられた.2008年8月~2009年3月のPAHsの実態調査の結果,桑名,桜に比べ納屋が全ての月で高く,今回の調査期間内では3地点とも12月のPAHs濃度が最も高かった.

2009rep8  三重県の有害大気汚染物質の状況について(第3報)
  西山 亨,秋永克三,佐来栄治,小山善丸,寺本佳宏,棚瀬敦史,塚田 進
   キーワード:有害大気汚染物質,環境基準,健康リスク指針値,大気汚染常時監視測定局,
          主成分分析,後方流跡線解析

 大気汚染防止法に基づき,1997年から県内数地点で有害大気汚染物質モニタリング調査を行っている.
  今回,2005~2008年度の4ヵ年にわたって得られた県内4地点19物質の測定結果について検討を行った.その結果,ほとんどの物質の濃度が横ばいまたは低下傾向にあることが分かった.また,沿道の調査地点では自動車排ガス由来の物質が比較的高濃度で検出され,自動車排ガスの影響を受けていることが分かった.ベンゼンに関しては,引き続き低下傾向を示した.環境基準や健康リスク指針値のある物質については,ほとんどの物質で大幅にその値を下回っていた.大気汚染常時監視測定局で測定している項目との比較では,アルデヒド類と二酸化硫黄に良好な相関関係のある調査地点があった.また,自動車排ガス関係の物質と窒素酸化物に良好な相関関係がみられた.
  各地点毎に有害大気汚染物質について主成分分析を行うと,19物質を概ね4つのグループに分けることができた.このうち,伊賀は,他の3地点とは異なる傾向を示した.桑名は他の3地点ほど,明確に4つのグループに分かれなかった.全国の測定値との比較では,県内4地点の結果は概ね下回っていたが,一部,全国平均値より高いデータがあった.調査地点間の比較を行ったところ,桑名と鈴鹿との間,伊賀と松阪との間に,濃度や濃度変化の傾向が似ている物質が幾つか存在した.ベンツ(a)ピレンが伊賀と松阪で高濃度である事例について,後方流跡線解析を行ったところ,北京付近を通過し,その影響を受けている可能性が示唆された.

2009rep9  画像を活用したアスベスト計数分析のマニュアル作成
  小山善丸,棚瀬敦史,西山 亨
   キーワード:環境大気,アスベスト,位相差顕微鏡,分散染色法,SEM
 
 環境中アスベスト濃度の位相差顕微鏡を用いた計数分析(PCM法)においては,繊維状粒子が計数対象のアスベストであるかの判断が,分析者によって異なることによる検査結果のばらつきが問題とされている.アスベスト繊維の定量精度の向上を目的として,画像を活用した判別のためのマニュアルを作成した.マニュアルの作成により環境試料におけるアスベスト定量精度の大きな向上はみられなかったが,繊維状粒子の外形による定性精度は向上した.

2009rep10 環境汚染物質測定技術の改良に関する研究-大気ばい煙発生施設等の有害物質分析-
  棚瀬敦史,小山善丸,西山 亨
        キーワード: イオンクロマトグラフ,ふっ素化合物,塩化水素,硫黄酸化物

 イオンクロマトグラフを用いた排ガス中のふっ素化合物,塩化水素および硫黄酸化物の測定における検量線,定量範囲等について,JIS K 0103,K 0105およびK 0107の試料採取量(50mL×2本)で調製した分析用試料溶液を10倍希釈して測定することを想定して検討した.その結果, 検量線の範囲とその相関係数はふっ素化合物(ふっ化物イオン)0.005~5mg/L,0.9997,塩化水素(塩化物イオン)0.1~10mg/L,0.9999,硫黄酸化物(硫酸イオン)0.05~50mg/L,0.9999と良好な直線性を示し,定量下限はふっ素化合物0.001mg/L(ガス試料換算0.09mg/m3N),塩化水素0.007mg/L(ガス試料換算0.4mg/m3N),硫黄酸化物0.02mg/L(ガス試料換算0.9ppm)となり,既存の定量範囲よりもさらに低い濃度を測定できることを確認した.

2009rep11  イミノ二酢酸・エチレンジアミン三酢酸キレート樹脂を用いた環境水中の微量金属元素分析
  山﨑美香,加藤 進1),塚田 進,吉岡 理
   1)三重大学創造開発研究センター
   キーワード:キレート樹脂,固相抽出,金属元素,環境水

 近年,金属に対する選択性および保持容量の高いキレート樹脂が開発され,これらの利用により迅速・簡便に河川水中の金属を濃縮することが可能となった.本研究ではアルカリ金属・アルカリ土類金属の効率的な除去が可能な市販のイミノ二酢酸・エチレンジアミン三酢酸キレート樹脂を使用し,県内北勢地域の5河川および伊勢湾内の2地点における海水について,その環境水中の微量金属元素の脱塩・濃縮およびこれらのICP発光分光分析法による金属元素の分析を実施した.
 Fe,Mn,Ni,Cu,Zn,Pb,Cd,Coの8種の金属元素について分析した結果,河川水はおおむねFe>Mn>Zn>Cu>Ni>Pb,海水はMn>Fe>Zn>Cu>Ni>Pbという濃度傾向がみられ,金属の種類や地点・海水層毎に季節や周辺環境による傾向の違いを明らかにした.

資料

2009rep12  2008年度の三重県における化学物質による有症苦情事案等の食品衛生検査結果
  大垣有紀,一色 博,川合啓之,林 克弘,林﨑由美子,竹内 浩,前田 明,佐藤 誠,
  吉村英基,森 康則,志村恭子
   キーワード:清涼飲料水,グリホサート,事故米,つぶあん,異臭
 
 近年,消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりとともに,食品衛生検査に対する社会的ニーズが飛躍的に高まっており,2008年6月23日に「三重県食の安全・安心の確保に関する条例」が公布された.当研究所では同条例第13条に基づき,食の安全・安心の確保に関する施策を科学的知見に基づき効果的に実施するため,県内で発生した有症苦情事案等に関する食品の衛生検査に対応している.本報では,2008年度に県内5保健所から当研究所に依頼された有症苦情事案等に関する食品16検体の衛生検査について,その分析方法を概括するとともに,分析の際の原因物質の検索の流れに考察を加えて整理した.対象食品は,清涼飲料水,精米,米菓,つぶあん,魚介乾燥品など多種多様で,測定対象物質,測定機器も多岐に渡った.

2009rep13  三重県における2008年度環境放射能調査結果
  吉村英基,森 康則,前田 明,志村恭子
   キーワード:環境放射能,核種分析,全ベータ放射能,空間放射線量率

 文部科学省の委託により2008年度に実施した三重県における,降水中の全ベータ放射能測定,降下物,大気浮遊じん,淡水,土壌,蛇口水,各種食品試料および日常食のガンマ線放出核種(I-131,Cs-137,K-40)分析,ならびに空間放射線量率測定の結果について報告する.
   2008年度の環境および食品中の放射能レベルは,すべて平常値であった.
   核種分析においては,人工放射性核種であるCs-137,天然放射性核種であるK-40が,一部試料から検出されているが,過去の検出状況および全国の調査結果と比較して特に問題は認められなかった.降水中の全ベータ放射能,モニタリングポストを用いた空間放射線量率の連続測定およびサーベイメータを用いた月1回の空間放射線量率の測定結果でも,異常は認められなかった.

2009rep14  2008年感染症発生動向調査結果
  赤地重宏,矢野拓弥,前田千恵,山中葉子1),永井佑樹,岩出義人,田沼正路
   1) 小児診療センターあすなろ学園
   キーワード:感染症発生動向調査,インフルエンザウイルス

 2008年1月1日~12月31日までに県内の病原体検査定点医療機関から検査依頼のあった患者数は459人であった。疾患別の内訳は、感染性胃腸炎の103名が最も多く、次いでインフルエンザ様疾患60名、リケッチア感染症55名、手足口病34名、ヘルパンギーナ32名、麻疹30名の順であった。
 これらのうち、278名(60.6%)から病原体が分離・検出された。主な分離・検出病原体はインフルエンザウイルスAH1型(AH1)、Rickettsia japonica、コクサッキーウイルスA16型(CA16)、インフルエンザウイルスAH3型(AH3)、麻疹ウイルス(MV)であった。

2009rep15 2008年度感染症流行予測調査結果(日本脳炎,インフルエンザ,風しん,麻しん)の概要
  矢野拓弥,前田千恵,赤地重宏,岩出義人,田沼正路
   キーワード:感染症流行予測調査,日本脳炎,インフルエンザ,風しん,麻しん

 感染症流行予測調査では,人の抗体調査による免疫保有状態の程度について年齢等の別により分布を知る感受性調査と,病原体の潜伏状況及び潜在流行を知る感染源調査を実施している.2008年度に実施した調査結果の概要は次のとおりである.
(1)日本脳炎感染源調査については三重県中部地域で飼育された豚の日本脳炎ウイルス (JEV)に対する赤血球凝集抑制(Hemagglutination inhibition:HI)抗体保有の有無を調査した.2008年7月14日にHI抗体陽性率が100%となり,IgM抗体の指標となる2-Mercaptoethanol(2-ME)感受性抗体は4頭で認められた. 
(2)ヒトの日本脳炎感受性調査での中和抗体価保有率は289人中168人(58.1%)であった.
(3)動物のインフルエンザウイルスの侵入を監視する体制強化の一環として,豚100頭からのインフルエンザの分離を実施したが,ウイルスは分離されなかった.
(4)ヒトのインフルエンザウイルスの流行動態および規模に最も影響を及ぼす乳児から学童期の年齢層の流行期前のHI抗体保有率(40倍以上)は,A/Brisbane/59/2007(H1N1) は0-4歳26.4%,5-9歳69.0%,A/Uruguay /716/2007(H3N2)は0-4歳13.2%,5-9歳51.7%であった.B型インフルエンザに対しては,B/Malaysia/2506/2004(ビクトリア系統) は0-4歳0%,5-9歳10.3%,B/Florida /4/2006(山形系統)は0-4歳0%,5-9歳17.2 %であった.
(5)風しん感受性調査での全年齢層におけるHI抗体保有率は88.9%(男性:80.8%,女   性:93.5%)であった.
(6)麻しん感受性調査での全年齢層におけるPA(Particle Agglutination Test)抗体保有率は93.8%であり,免疫獲得状況は良好であった. 先天性代謝異常等検査は県を実施主体としており,2007年度は県内の新生児のうち保護者が希望した17,649件について検査を行った.疑陽性と判定し再検査を行った検体は490件であり,精密検査依頼数は先天性副腎過形成症51件,先天性甲状腺機能低下症22件,フェニルケトン尿症1件、ガラクトース血症1件の計75件であった.確定患者数は、先天性甲状腺機能低下症が6人、先天性副腎過形成症1人、フェニルケトン尿症1人であった.

2009rep16  2008年度の先天性代謝異常等検査の概要
  永井佑樹,前田千恵,田沼正路
   キーワード:先天性代謝異常等検査,先天性副腎過形成症,先天性甲状腺機能低下症
  
 三重県における先天性代謝異常等検査事業は三重県先天性代謝異常等検査実施要綱に基づき,アミノ酸代謝異常症3疾患,ガラクトース血症,先天性副腎過形成症および甲状腺機能低下症の6疾患を対象に実施している.2008年度は県内の新生児のうち保護者が希望した17,452件について検査を実施した.疑陽性と判定し再検査を行った検体は486件であり,精密検査依頼数は先天性副腎過形成症35件,先天性甲状腺機能低下症14件,ガラクトース血症3件の計52件であった.確定患者数は、先天性甲状腺機能低下症の7人であった.

本ページに関する問い合わせ先

三重県 保健環境研究所 〒512-1211 
四日市市桜町3684-11
電話番号:059-329-3800 
ファクス番号:059-329-3004 
メールアドレス:hokan@pref.mie.lg.jp

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