今回は、「須恵器生産地のお墓事情―西毛谷(にしもうたに)A遺跡の発掘調査―」と題して、三重県埋蔵文化財センター職員の原田恵理子(はらだえりこ)が講演を行いました。当日は、この季節らしいさわやかな晴天でしたが、80名もの方にご参加いただき、会場内は熱気あふれんばかりでした。
講演では、西毛谷A遺跡で見つかった飛鳥時代の木棺直葬墓(もっかんじきそうぼ)・土器棺墓(どきかんぼ)・方墳(ほうふん)・横穴式木室(よこあなしきもくしつ)といったさまざまな形態の墓を具体的に紹介しました。とりわけ、横穴式木室は墓室を木で造っており、県内で7例目、全国的にも大変貴重なものであることや、須恵器の大甕を2つ組み合わせた土器棺墓は、近くにある徳居(とくすえ)窯跡群で焼かれたものを用いていることを説明しました。さらに、他府県の須恵器生産地でも同様にさまざまな形態の墓が造られていることにも触れました。
横穴式木室墳に副葬された須恵器と、土器棺墓に使われた2つの大甕が展示され、参加者の方々が熱心に観察されておられました。
今回の講座は、事前に新聞で報道されたこともあり、いただいたアンケートでは、初めて参加された方が少なからずいらっしゃいました。今後もよろしくお願いいたします。また、学習棟のカーテンの破損や照明の不備など施設設備に関するご意見をいただきました。できるところから対応してまいります。ありがとうございました。
とても多くの方においでいただきました | 熱心に観察されるみなさん |