10月28日(土)は、名張市の「なばり学教室」の第2回目を行いました。
今回は9月に小学生の製作した弥生土器の野焼きをしました。最初に乾燥した土器をたき火で十分にあぶって、土器を温めたうえで、本格的な焼成をしていきました。着火から焼成の終了までかかった時間は1時間30分ほどでした。
焼成した土器は、ほんの少しひび割れしたものはありましたが、無事焼き上がりました。参加された5組の親子のうちのひとりの保護者からは「子どもの作った土器がみえた瞬間、びっくりしました。こうやって野焼きで焼かれるのは初めてで身近にみられてよかった。」「土器はこういう方法で焼くんですね。今は便利になって、電気で火をおこせるけれど、当時の人たちは苦労していたんですね。」と感想を言っておられました。
11月3日(祝・金)は「なばり学教室」の第3回目を行い、焼成した作品で、ご飯炊きをしました。10組12名が参加されました。みなさん赤米ということもあって、どんな味がするのか炊きあがりを楽しみにいました。
どの親子も火力を高めるのに苦労しながらも団扇(うちわ)で一生懸命、火元をねらって風を送りこんでみえました。煙がたちこめて、目があけていられず、かまどをはなれていってしまう子供達もいましたが、蒸らしの段階になると、土器に近づいてきて、出来上がりを確かめていました。試食が始まると、炊きあがった赤米の歯ごたえを確かめながら味わっていました。
参加された保護者は「火の取り扱い、うちわで風を送るのに苦労して、けむいのでかわって全部やりました。親として私もこういう体験は好きで、子供達にはこれからもしてもらいたい。」「古代の人はどんなもの、どんな木を燃やして炊飯していたのでしょう。今日は火がすぐついて、勢いがよくて、こんなに早く食べられてよかった。」と感想を言っておられました。
この出前講座を通して、土器製作、焼成や炊飯のノウハウを確実に高めていくことができましたので、これからも県下市町等の教育機関への協力体制を継続しながら、県民のみなさんのニーズに応えていきたいと考えています。
焼成前、薪を2段に組んで準備完了
トーチに着火し、焼成始める
土器全体が見えて、焼成終了
薪に着火し、火力を増す
煙に負けず、火を調整するみなさん
蒸らして、出来上がり