3か月近くじっくり乾燥させた弥生土器は「覆い焼き」という方法で焼成を行います。これは、土器の上や間に載せた藁や薪の上に、水でどろどろにこねた粘土をかぶせたあとで着火する方法です。この方法で行うと、薪や藁は最初に一気に燃え上がりますが、その後は熾火のような状態が続き、中は高い温度が長い時間続くことになり、土器がより焼きしまって丈夫になります。
一人一人が製作した土器を中央に並べ、藁や薪をみんなでその上に置きます。生徒や先生方でこねた泥を上に少しずつかぶせた後、生徒の代表が着火すると、大きな炎が上がり、生徒からは歓声が上がりました。
その後はセンター職員で火の管理をし、授業が終わるころにもう一度集まってもらって、焼き上がりを確認してもらいました。しっかり乾燥してもらっていたこともあり、土器は一つも割れることなく無事に焼きあがりました。あらかじめ土器につけてあった自分の目印を探しながら、まだ少し熱い土器を嬉しそうに取り上げる姿がとても印象的でした。
三重県埋蔵文化財センターでは、教室での出前授業のほか、このような体験や製作をともなう活動へのご相談にも応じております。保管している県内出土の遺物も製作の参考になるほか、地域の歴史学習とも結びつけた授業づくりも可能です。三重県の貴重な財産を、ぜひ授業でご活用ください。(活用支援課)
活動の様子

