色落ちノリの色調評価と硫酸アンモニウム添加海水への浸漬による色調回復
日本水産学会誌第69巻第3号399-404(2003年5月)
坂口研一・落合 昇(三重科技セ水)・Chan Sun Park・柿沼 誠・天野秀臣(三重大生資)
内容
ノリ葉体の色落ちの程度を色彩色差計で,LAB表色系を用いて評価した。色落ちの程度が中程度から重度のノリのa*値はマイナスの値を示し,正常ノリのa*値が示す赤色方向から緑色方向に色彩が変化した。色落ちノリの色調を回復させるため硫酸アンモニウム添加海水で浸漬処理を行ったところ,液胞は大きいが細胞内の各器官の形態が明瞭で,細胞質が顆粒状になっていない中程度から重度の色落ちノリを,NH4-N 濃度25 mg/Lに調整した海水に24時間浸漬したときの色調回復効果が最も高かった。