木曽三川感潮域のヤマトシジミの漁場形成と個体群動態
日本水産学会誌第71巻第2号151-160(2005年3月)
水野知巳(三重科技セ水)・南部亮元・関口秀夫(三重大生資)
内容
木曽三川の感潮域において,ヤマトシジミ漁獲個体の時空間分布を調べた結果,揖斐・長良川では主に感潮域の下流側の定点に,木曽川では主に感潮域の上流側の定点に出現し,その密度は春季から夏季に上昇し,秋季から冬季に減少した。
漁獲個体を殻長頻度分布を用いてコホートに分離し解析した結果,両河川の漁獲量は春期から夏季に加入した新規加入群によって維持されており,これらの新規加入群が主に漁獲によって順次減耗していき,次の新規加入群が加入する直前の冬季に漁獲量あるいは資源量が極小となった。