イセエビのフィロゾーマ幼生の脱皮と変態のタイミング
Fisheries Science掲載論文要旨(69巻1号)
松田浩一・竹内泰介(三重県科学技術振興センター)・山川 卓(東京大学大学院農学生命科学研究科)
内容
飼育したフィロゾーマ幼生の脱皮とプエルルス幼生への変態の時刻を調査した。自然日長で飼育した場合,脱皮は日の出時刻前後に起こり,日の出時刻の変化とともに脱皮時刻も変化した。蛍光灯による人工照明下では,脱皮は蛍光灯点灯時刻の前後に起こり,脱皮時刻は照明の点灯時刻の調整により制御できた。蛍光灯の点灯時刻と消灯時刻を変化させた場合の脱皮時刻の変化から,脱皮は内因的なリズムに基づいて起こり,そのリズムには日の出時刻が大きく関与していると推察された。変態は、自然日長では日没時刻前後に,人工照明下では消灯時刻前後に起こった。