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タイリクスズキに見られた新しい心臓ヘネガヤ症

平成14年度日本魚病学会大会講演要旨P47(2002年9月15日)

横山 博(東大院農)・川上秀昌(愛媛魚病セ)・安田広志(宮崎水試)・
田中真二(三重科技セ)

目的

近年、養殖タイリクスズキ(Latrolaabrax sp.)においてヘネガヤ属粘液胞子虫の寄生に伴う死亡事例が発生している。本研究では、原因粘液胞子虫の同定を行うとともに、疫学的、病理学的特徴を調べることで寄生虫の由来や発病機序について検討した。

方法

1998年から2002年までに愛媛県、宮崎県、三重県下の養殖業者からタイリクスズキ病魚が供試された。種苗の由来は中国産のみならず国内産も含まれていた。病魚を剖検した後、病理組織学および寄生虫学的検査を行った。患部から胞子を回収して顕微鏡観察により形態学的特徴を調べ、既知種と比較して種の同定を行った。

結果

病魚は種苗導入年の12月から翌春6月頃まで見られ、慢性的に死亡が継続して7月には終息した。剖検的には、鰓の貧血、粘液分泌過多、心臓の炎症と肥大、内臓の貧血などが特徴的であった。ウエットマウントにおいては、心臓と鰓の毛細血管に沿って大量のヘネガヤの胞子が検出された。病理組織学的には、粘液胞子虫が主に心臓の動脈球内で発育し、寄生体の成熟に伴いシストが崩壊して胞子が散逸する過程が観察された。鰓弁内に流入した胞子が毛細血管内に充満し血管閉塞および鰓弁上皮の剥離を引き起こすと考えられた。胞子は卵形で縫合線の隆起が顕著であった。胞子の長さ10~12μm、幅6.5~8μm、厚さ6~6.5μm、尾端突起の長さ31~50μmで、形態学的特徴は既知種と明らかに区別された。本症の原因粘液胞子虫についてHenneguya lateolabracisという新種名、および「タイリクスズキの心臓ヘネガヤ症」という新病名を提案する。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 水産研究所 企画・水産利用研究課 〒517-0404 
志摩市浜島町浜島3564-3
電話番号:0599-53-0016 
ファクス番号:0599-53-1843 
メールアドレス:suigi@pref.mie.lg.jp

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