マハタ雄性化のためのホルモン投与法の検討
水産増殖(2003年第51巻第1号49-54)
土橋靖史・田中秀樹・黒宮香美・柏木正章・吉岡 基
内容
マハタ未熟雌に経口または医療用シリコンチューブの埋込によってMTを投与した。対照区の生殖腺は実験期間を通じ,全て周辺仁期の未熟卵で占められていた。MT経口投与区は,2ヶ月後には精子も見られたが,周辺仁期の卵が数多く残存しており,雄性化の程度は低かった。MTインプラントの埋込による投与区は1 mg,4 mgともに2ヶ月後には活発な精子形成が見られた。1年後には,経口投与区は完全な雌,MTインプラント1 mg区は雌雄同体に戻っていたが,4 mg区は雄の状態を維持していた。したがって,MTインプラントの埋込により体重1 kg当たり2 mgのMTを投与することによって,マハタ未熟雌を完全かつ持続的に雄性化できることが明らかになった。