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知事定例記者会見

知事定例会見録

平成21年12月24日
於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目等

・2009年を振り返って(報告)

(知事)これが今年最後の定例会見ということでございます。この1年、県政記者クラブの皆さんには大変お世話になりました。また、県民の皆さんに向けましても、この1年、いろいろと県政にご理解、ご協力いただいたこと、厚くお礼を申し上げておきたいと、このように思います。さて、この1年を振り返ってでございますけれども、私は度々、今年1年を総括すると、本当に大きな時代の峠だなあということを申し上げているところでございます。まず、過去に例のないような後退をした経済あるいは雇用状況というものがございました。世界全体でもそうでありますけれども、やはり新たな経済・雇用というものについて、方向性を求めながら、しかし現実にはたいへん厳しい状況が続いたところでありました。それから2つ目には、やはり社会の歪みだとか格差問題だとか、貧困層の定着であるとかセーフティーネットの崩壊、こういったことが著しく顕在化をして、極度な不安、閉塞感というものが漂っていた年であったと。もちろんそのことが、3番目に申し上げたい政治混迷がそういう中で続いてきた、機能不全に陥ってきた、その結果、国民がチェンジを衆議院選挙で求め、民主党が圧勝をする中で新政権ができたということでございました。さらに、やはり騒ぎの大きかった点ではおまけに新型インフルエンザ、これは弱毒性ということで、その点は少し安堵をしたところがありましたけれども、かなりそれでも死者も含めた被害が出て、今、年末少し収まりかかってはおりますけれども、大変大きなことでありました。そういう中で、実はこの時代の峠のときに、7月に全国知事会議、これが伊勢の地で開催をされました。麻生会長は「行動し日本を変える知事会」ということで再度知事会長になられているところでございますけれども、こういう中で、例えば選挙がすぐあるということで、各党の政権公約、こういったことについても知事会のほうで評価を行うなど、知事同士の議論も大変活発に行われ、意義深い会議であったと、こう思いますし、特に、私からはこの会議で「この国のあり方に関する研究会」を持とうということを提案し、設置が決まりました。24名の知事さんにご参加をいただいて、私が座長でその後の議論を進めてきたということでございまして、私は常に「ピンチをチャンスに」ということを申しておりますけれども、こういう峠の時代でありますので、しっかりと峠の向こうに見える日本の新たな社会というものは、こういったこれまで見えてきた課題を克服し、やはり希望の持てるような、そういう社会でなければならない、そういった動きというものが一方で出つつある、そういう1年であったと、こういうふうに思っております。新政権においてもそういう中で今後いって欲しいと、こういうふうに強く願っているところであります。さて、そういう中で、本年三重県として対応してきた事柄でありますけれども、まずは経済・雇用への緊急対策、これは大変、今年、最も大きな課題でもありました。国あるいは市町と連携をいたしまして、六次にわたって総額400億円規模に及ぶ緊急雇用・経済対策を講じたところでございまして、こういう中で雇用の創出や職業訓練の実施、中小企業の経営安定化、将来のチャンスづくり、あるいは生活支援も含めて対策に取り組んだところでございます。それから、先ほど申し上げたこの国のあり方という観点でいきますと、三重県では既に文化力という考え方を打ち出し、方向を変えようとしてきたところでございます。経済性とか効率性を求めすぎた結果、地域の特色あるいは独自性が失われ、本来持っていた「助け合い」あるいは「思いやり」といった絆が薄れつつあるわけでございますけれども、そういう中で、今、やはり希望を持って生きられる社会をめざして地域の絆を再生するとともに、地域や経済の元気を回復していくということが非常に大事でございまして、その取り組みの最も象徴的な取り組みとして、本年、三重県では「美(うま)し国おこし・三重」の取り組みをスタートさせ、「文化力立県元年」としてオープニングの年にしてきたところでございます。座談会については既に総数450回を超える座談会がもう行われてきたという報告を直近に受けました。またパートナーグループについても110を超えるパートナーグループが登録をされてきたところでございまして、本年度まだ年明けて3月までございますが、その中でオープニングの集大成を図り、対話する大会とか、一同に会する大会を持ちながら来年度に展開を進めていきたいと、こう考えております。それから、昨年策定しました「新県立博物館基本計画」につきましては、その基本計画に基づきまして、本年は県立博物館の概略設計等をやってまいりまして、県議会でのご議論もいただいてきたというところでございます。併せて、この新博物館については県民のご意見を聞く機会を持つ、特に「新博ティーンズプロジェクト」という子ども会議博物館版を開催しまして、絶対行きたくなるような博物館というのを子どもの中で討議をしてもらってきたところでございます。それから、今年あと申し上げるところが、非常に大型イベントが続いたということがございます。「美し国おこし・三重」のオープニング以外に、全国知事会議もございましたが、特に7月から8月にかけては全国高等学校総合文化祭がございました。また9月には51の国と地域から約700人の選手団をお迎えして世界新体操選手権大会が伊勢で行われました。それから、熊野古道の世界遺産登録がちょうど5周年でありましたが、その記念事業が7月から12月にかけて行われたというところでございます。さらに、10月には鈴鹿サーキットにおきまして3年ぶりにF1日本グランプリ、これが開催をされまして、3日間を通じまして延べ21万人の来場者があったというところでございます。こういったことを通しまして、本年を「文化力立県元年」と位置づけましたけれども、文化力の向上に向けた一歩一歩の取り組み、前進というものが行われてきた1年でもあったと、こういうふうに思っております。しかし一方で、県民の安心・安全を脅かすような事案もあったわけであります。先ほど冒頭のほうで申し上げました新型インフルエンザ、これは学校等にも大きな影響を与えたところでございました。それから10月には台風18号の大きな被害が出たということでございました。この被害によりまして一部不通となっておりますJR名松線の家城―伊勢奥津間につきまして、JR東海から、この区間をバス輸送に切り替えるという提案があったところでございました。さらに11月には、フェリー「ありあけ」が御浜町の海岸付近に座礁するという突然の事故も発生をしたところでございます。これらの事案については、今後とも引き続き地元あるいは関係機関と十分に連携して対応していかなければならないと、こう思っているところでございます。それから最後にもう一つ、県立病院の改革のことについて触れておきたいと思いますが、今年2月に県立病院改革基本方針案を提示しましたが、より具体的な姿が見えるようにということで、「病院の姿」可能性詳細調査を実施いたしまして、11月にその結果を報告したというところでございます。いろいろご議論もいただいておりますけれども、この調査結果等を踏まえまして、また県議会や県民の皆さんのご意見もいただきまして、今後改革の工程も含めました基本方針を決定していきたいと、こう考えているところでございます。以上、本年を総括して私の感じているところを申し述べたところでございますけれども、三重県は文化力ということを申し上げてきているのと同時に、「常若(とこわか)の三重」を実現していこうということで取り組みを続けているところでございます。どうぞ引き続き、来年も県民の皆さんのご支援・ご協力、併せて県政記者クラブの皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げて終わりたいと思います。 

2.質疑応答

 

・報告事項に関する質疑

・子ども手当について

・たばこ税について

・子ども手当について(再質問)

・暫定税率について

・民主党のマニフェストについて

・内閣の支持率について

・普天間問題について

・来年度国家予算について

・鳥羽河内ダムについて

・航空機のファーストクラス利用について

・リニア中央新幹線について

 

(質)1年の総括で1つご質問があるのですけれども、政治混迷の結果、チェンジを求めて民主党政権が生まれたということを知事はおっしゃっていましたけれども、今日でちょうど政権交代100日ということで、支持率が低下している鳩山政権について、知事ご自身はその政権運営についてどのような感想を持たれていますか。

(答)あれだけの圧勝をしてスタートした鳩山内閣でありましたから、国民の新政権に期待するものは極めて大きなものがあったと、こういうふうに思います。しかしながら鳩山内閣が掲げましたのは、平成の維新とも言えるような、戦後の政治・行政の仕組みを根本から変えようというような取り組みをし始めようということで、きたところでございます。それだけ戦後日本が経済発展もしてくる中で、染みついたものが幾つかあり、また、どちらかと言うと市場経済主義に偏り過ぎと言いますか、それのみを強調し過ぎた、そういったことから、この国が本当におかしくもなってきているというふうに感じます。したがって、思い切って出してくるものについてはある意味、国民のとまどいというようなこともあると思いますし、また、あまりにも性急にやろうとすれば国民の理解が追いつかないまま、あるいはまた、必要な地方の意見とか国民の意見が十分聞けないまま、少し議論が進んできたように思います。おまけに、やはり政治への信頼という点からいけば、政治と金との問題は極めて重要なことでございまして、鳩山総理においても、ご裕福なご家庭ということは誰もがこれまでも思っていたと思いますが、しかしあれほど、国民にとってはなかなか理解のいかない課題も提供され、捜査も進んでいるところでございます。こういうことから、発足当初の期待というものについては、その後、いろんな批判や不安というものが入り交じってきているというところは率直に感じるところでございます。特に外交問題、防衛問題、こういったことも、事が非常に大きなことでありますだけに、国民に向けて今ひとつまだ十分な説明ができないまま、その懸案を抱え込んでいるというところであろうと、こういうふうに思います。しかし私自身は、そういう中にあっても確実に、やはりこの国は変わろうとしているところだということも一方で感じておりますので、いろいろ批判は真摯に受け止めていただいて、しかし、あまり早く評価を下してしまうということはいかがなものかなと、私としてはもう少し長い目で少し状況も見ながら、私どもも意見も言いながら見守っていきたい、したがって民主党に対する期待感というものは、私自身は強いものを今も持っているところでございます。

 

(質)今年はイベントが割と、おっしゃったように大きなものがあったんですけど、来年、ある程度それの落ち込み的な、足らないものとかを補わないと全体のにぎわいは落ち込んでいくと思うんですけど、何かそういう手はお考えですか。

(答)今年は大きな行事が確かに続いた一方で、新型インフルエンザにはやはり随分大きく影響もされたのではないかなと、こういうふうに思っております。それから、全国的に観光で言えば入込客全体、観光者は減じてきている傾向がございますし、また円高等の関係もありまして、海外からの、これは経済危機ももちろん影響もしたと思いますが、落ち込んできている、あるいは三重県の場合には何と言いますか、横並びみたいな状況になっているところでございます。来年については、確かに今年やったような大型のイベントというのは来年はございませんけれども、しかし一方では観光施策であるとか、それから、美し国おこしは来年は4月以降いよいよ全県的なテーマに基づく取り組みとか、あるいは地域での課題に向けた地域の取り組みというようなものも始まってまいります。その中でいろんな情報発信の機会というものを作っていくということにもなろうかと思います。なお、伊勢神宮の宇治橋の渡始式(わたりはじめしき)が今年ありましたけれども、そういう意味では、神宮に向けても来年以降、より関心が高まっていくのではないかなと、こう思っております。ぜひ県政全体においても、集客交流あるいは観光も含めてそういった振興が図られるように、また三重県発の情報発信をいろんな機会を捉えてやっていきたいと、こう考えております。だから、必ずしも来年、より減っていくのだという悲観的な見方はしておりません。

 

(質)民主党政権についてなんですが、子ども手当については児童手当との併存という根拠で地方負担というのを求められていますが、このことについて知事のお考えを聞かせてください。

(答)私ども、知事会の方では、子ども手当というのは新しい制度としてスタートしていくものでありますから、それは地方に新たな負担を求めるものではなくて全額国庫負担でやっていくべきものであり、そうしなければならないという要請も出してきたところでございます。しかし政府においては昨日の閣僚間折衝において、どうもこの子ども手当については、22年度というのは暫定的な形、支給額も全体額の半分というようなことでありますし、それから制度そのものも、国の財政状況も反映する中で、旧来の児童手当プラスそれの増額分としての子ども手当というような形を取るということでございます。23年度以降は、子ども手当はこれは全額国庫、国費で、そして子育てのいろんな政策については地方でやってもらうという、言わば現金給付である子ども手当は全て国が責任を持つ、一方で現物給付たる子育て政策については地方が、ということであります。もちろん、この子育て政策を地方でほとんど賄っていく場合の財源手当てというものが一括交付金化されて国から手当てされてくるものなのか、その財源が十分な現物支給を地方がやれる程度確保できるのかどうなのか、こういった課題がありますけれども、また23年度以降は確定しているわけではありませんけれども、そういう議論をやっていこうということについては、私は、「この国のあり方研究会」の方でやっている議論とも同じような方向にも見えるのかなということでございます。したがって22年度については、地方財政対策が一方で十分にされるという前提を置けば、私としてはやむを得ないのかなという受け止めを感じているところであります。ただこの地方財政については、多分明日ぐらいでしょうか、地方財政計画についてどのような形になってくるのか、今の時点では地方交付税、それから臨時財政対策債合わせて3.6兆円増やしてくるということですが、税収の落ち込みも実はかなりあるところでありまして、その辺を見てもトントンぐらいなのかなと、あるいはそれがもっと減るということになってきますと、子ども手当のこういった地方負担については、地方によってはまただまされたというようなことも出かねないところがあろうかと思いますので、評価はやっぱり予算編成が、予算案が全部明示された上でやらなきゃいけないのかなと思います。

 

(質)一定の理解は示すというのが今の見解ですね。

(答)そうです。23年度以降の議論の方向も含めて、地方財政そのものに著しい不満、不安が生じなければ一定の理解ができるということが言えます。

 

(質)県内で言いますと松阪市長が非常に反対されていらっしゃいますが、松阪市長の方から知事の方へ何かしらお話というのはございませんか。

(答)ないです。多分、全体の姿が見えた中でいろんな評価があるかもしれませんけれども、私自身もきちっとした評価はやっぱり明日以降でないとできないということは、先ほど申し上げたとおりです。

 

(質)もう一点。たばこ税なのですけれども、1箱100円程度増税されるという方向みたいですが、愛煙家であられる知事として受け止めを教えてください。

(答)たばこであれ、何であれ物の値段が上がるということについては、いろいろご意見もあろうかと思いますが、ヨーロッパ等へ行きますと、たばこを街で買えばものすごく高いのですね、そういう意味では日本はまだまだこれまで安かったということも言えるのかなと思います。個人的な嗜好の分野からのコメントはいたしません。

 

(質)さっきの児童手当というか子ども手当なのですけども、知事会が主張してきたことと、昨日ある程度決まったことというのは、ズレという感じはしないのですか。

(答)私どもは、つい先般、知事会の方で戦略会議をやりまして、私も行って議論をしておりましたが、小沢幹事長が党の方へ要望を出してくれた、非常に現実的であり、いろんな意見を取り上げて、いくつかの点で集中的に党から政府に意見をしたわけです。ところが、その中身を評価する中で、子ども手当については新たな負担は地方に求めないと、こういうふうな文言がありますけれども、「新たな」という解釈についてはこれまでの児童手当では地方負担があったから、「その負担分を超えた新たな」というふうに財務省は読んでいるかもしれないねと、しかし、我々は子ども手当が新たな制度としてできるのだから、したがって児童手当はなくなるのだから、新たな負担を求めないということは、全額国庫負担という意味であるべきだわな、ということで麻生会長のコメントにも翌日そういうことも含めて出させていただいたところであります。今回出てきたのは、したがってその折衷案的な児童手当についてはそれを残し、その上積み分を子ども手当という形でやるのだというような、何て言いますかね、財務省の一流の理屈の付け方をしてきたというようなことなのかなと思います。

 

(質)その地域戦略局の方に北川さんがメンバーで入っておられますね、今後何らかの折衝とかいうのは今のところないですか。

(答)ないです。あれの議論も今後どういうふうに進んでいくのか、地方分権等の今後の方向性なりスケジュールだとか、そういう形の中での議論がいろいろされていくのだろうと、こう思います。多分、知事会としてはああいった地域主権戦略会議との意見交換なり連携というものは今後必要になってくることではないかなと。

 

(質)この23年度以降の手当の部分をどうするかというのは、官邸レベルでは地域戦略局で揉むという話ですよね。

(答)23年度以降の議論、そういうことになるのかなと思いますけれども、私どもとしては、まずはこの国のあり方でこういった現物給付・現金給付、これの仕分けのあり方、それ以上にまた政策的なボリュームがどうあるべきなのか、その質がどうあるべきなのか議論しますので、そういった議論は地域主権戦略会議の方で議論される時に、ぜひ反映していただくように申し上げていきたいと、こういうふうに思います。まだ、今後の課題だと思ってます。

 

(質)暫定税率なのですけれども、名目を変えて維持するという判断というのはどうお考えですか。

(答)暫定税率については、既に1年半前、道路特定財源の議論がありました際に、この財源をいろいろと変更していく、あるいはそれを減じていくということで、どういう影響が出るのかということについて、当時から私どもはその影響をいろんな具体的なモデルにしながら説明はしてきたのでありますけれども、どうもその理解があまりいっていなかったのではないかなと、こう思います。地方負担がなくなるから、財源、暫定税率と振り替えたらいいという、そういう意見はその顕著な例で、中身の仕組みが全く分からない人の議論でございました。しかし、多分議論を進めていく中で、暫定税率が廃止をされて地方もその税収が全くなくなるという影響を受けると、地方、例えば県にしても、県がやる道路事業については、新規事業はもちろんのこと、継続事業も全てストップをし、おまけに維持管理費をこれまでの量が全部賄えないというような影響が出るというようなことは、多分理解しないままやってきたのじゃないかと、こう思います。しかしここへきて、これは大変だと、したがって打ち出してきたマニフェストとこの現実的な混乱がひょっとして起きるかも知れない、私はもしも暫定税率廃止でそのまま道路事業等ができないようにしたら、来年の参議院選挙なんてのは、とてつもない大きな影響が出てくるだろうと思います。そこはやはり小沢さんは非常に現実的な対応としてされたのだと、後は税収が非常に落ち込んでいる時、そして一方では消費税等もやっぱり増税していかなければならんではないかという議論も社会の中にいっぱいあるわけですね。その時にこの暫定税率について、減ずるだけでよいのか、そういう意味では環境税に振り替えていくというのが将来的な方向として、私は現実的なことだと思います。その中の来年度は暫定税率は廃止するけども、つなぎ税制で税の負荷水準は維持していこうということでありますから、そのつなぎ税制として現実的な対応になったと、こういうふうに思います。

 

(質)その場合、政治家として、知事も政治家でいらっしゃるので、そのマニフェストとの違いが生じたことについてはどう思われますか。

(答)マニフェストなんてのは、間違ってたと分かったら勇気を持って変えるということのほうがずっと正しいことであります。しかしそれは間違っていたと分かった時に、国民にもしっかり謝らなければいかんでしょうし、また説明責任を十分果たしていかなければならないところであります。しかし、一方で時代の変化の中で、公共事業のあり方というものについては、これまでどおりにはいかないわね、というのもこれも一つでありますから、そういう意味でただ単に選挙の時のマニフェストに記載をされているからというような、そんなことよりも、より現実的に議論を進め、それを修正すべきものは修正していく、それが正しいのではないか、というふうに思います。

 

(質)ただ、練った形で有権者にそれを示し、有権者はそれをもとに投票するという、今年の衆院選なんかその典型ですけど、そのパターンになった時に実際それは間違いだったとか、あるいは考えが随分足らなかったとか、後出しされると有権者がより政治不信になるという、そんな感じじゃないですか。

(答)事と中身によってはやっぱりそういういろんな影響があると思います。だから支持率だとか、そういうところにもそういうのは影響してくる可能性もあります。しかし、国民も一方で選挙の時のマニフェストを見た時と、またその後の議論の中で、やっぱりそうは言えこっちの方がいいのかなという理解を示すということもありますから、そういう意味ではきちっと説明責任を果たすということ、それから君子豹変なんてのはあるわけでありますから、こういうリーダー達は間違っていると分かれば即刻それを正していくということは私は大事なことであると、こう思います。

 

(質)先ほど知事は支持率の問題を出されてました。国民が待望して圧勝したと、民主党が、当初70数%、4%、5%という非常に高い支持率でした。ところが最近において各社の世論調査、50%を切ったり、ちょっと上向いたり、20%もぐんと下がったわけですね、これはいろんな背景があると思いますけど、知事はこのなぜ急に下がった、これはどこだと思いますか。

(答)先ほどずっとそのことを申し上げましたよね、選挙の直後は非常に期待感が強くあったけれども、その後戦後行政の大掃除というような形でいろいろ新しい仕掛け、事業仕分けなんかもそうでありますが、やりましたね。だけれどもその中には例えば教育であるとか、スポーツであるとか、文化であるとか、科学技術であるとかいうようなことについて、必ずしもこれはコスト対便益の物差しだけで推し量れるものではない。ですから事業仕分けも、小泉政権の時の新自由主義みたいな立場だけで押していくとやっぱり不十分だと思いますね。そういう議論があったり、政治とお金のことがあったり、あるいは優柔不断すぎて総理が一体どう思っているかが見えにくいとか、いろんなことが、これはチェンジの時ですから、期待が大きければ大きい程、国民にしてみれば分かりにくさ、見えにくさ、不透明さというものを感じる。そのことが数字として出ているのだろうと思います。しかし一方では、やはりだから前に戻れるのかという思いは国民は持っていないと思いますから、そういう意味では依然として、期待をかけている人たちもある、あるいは同じ人でも期待と不安とが少し入り交じった状態であると、こういうふうに思います

 

(質)今、鳩山内閣には岡田さんとそれから中井さん、二人の大臣が入っているわけですね。特に知事が今おっしゃられましたが、いわゆるリーダーシップのなさ、特に外交問題の普天間の問題、これがやっぱり非常に国民が真剣に捉えてますから、一体どうするのか、「私を信じてください」、大統領にそういう言葉を投げかけて、それは三党の連立ですから難しい背景はありますけれども、これはやっぱり日米基軸と言いながら、じゃあ一体どういうふうに持って行くのか、社民党をどのように説得するのか、そのあたり非常に難しいと思うのですが、特に岡田さんが外務大臣だけに、このあたりを知事はどういうふうに考えてみえるかなと思いまして。

(答)岡田さんは就任以来、世界各国いろんなところを、自分の足を運んで、現場でやっぱり肌で見て物事を捉えてくるということで、大変なご苦労をされ、努力をされていると、こういうふうに思います。しかし、外交は特に普天間の問題なんかはもちろん、防衛問題、日本の安全保障にも関わるようなところでありますから、そこのところは関係閣僚としっかりスクラムを組んでやっていくことだし、最終的には総理の指導なり判断ということが大事でありますね。私は内部の話まで分かりませんけれども、そういう中で外務大臣としては最大限、努力をされていると、こういうふうに評価をしております。

 

(質)来年度国家予算の政府案が、もう近々に決定されると思いますけれども、特に知事が三重県に関連する個別の事業の箇所付けも含めて、注目されている点は何でしょうか。

(答)先ほども言いましたように、地方財源そのものが一体どうなっていくかというところ、これが一番気になるところであります。3.6兆円、実質的に国から来る、あるいは臨時財政対策債を入れてそういうプラスがあると言っても、一方で税収が三重県の場合にはかつて良かっただけに落ち込みもひどかったわけですね、県への影響として差し引きしてプラスになるのかどうなのか、ここらがやはり一番気になるところでございます。マイナスになるということは、今いろんな形で予算の項目要求、各部からの予算要求も出てきているところでありますから、それを選択と集中により切っていくにしても、予算・財政の確保が若干でもプラスにいくのかいかないのか、これはもう大変大きな影響の出るところでございます。それから来年度の事業で、例えばダムだとかそういった関係については、今後の議論を待たなければなりませんので、その議論を待った上でということでありますが、川上ダム等、仮にやることになっていくとしても、もうそれだけで2年ほど遅れが生じてくる、1、2年はもう事業がそのままでもいきますね。それから国の直轄道路の関係について、既に内々示的にあった状況のままでまいりますと、これは北勢バイパス、中勢バイパスの鈴鹿地域、それから東海環状、それから関のバイパス、松阪の42号のバイパス等々、心配なところがたくさんあります。三重県はそういう意味では基幹道路の整備が遅れてきているところでありますので、そういったところへの国の配慮をぜひ期待をしたいと、こう思っております。後は私どもとしては、第二次戦略計画の最終年に入っていきますので、目標達成に向けてより効果の上がる予算の執行をしていきたいと、こう思っております。

 

(質)鳥羽河内ダムの影響については知事はいかがお考えですか。

(答)かつて水害もありました。地域の安全・安心に関わる課題として、地元からの熱い思いがあって、今日までの議論も進め・轤黷トきたこと、これをしっかり受け止めているところでありますけれども、国が今後こういった補助ダムについても検討をされていくということであります。それがどういうふうに影響を及ぼしてくるのか見守った上で地元とも必要な相談をしながら対応していきたいなと、こういうふうに思います。まだ先の課題になるだろうと思います。

 

(質)鳥羽のダムは実際に補助というのが無くなれば、県営のダムでありますけど、県だけでやっていくというのは不可能なんでしょうか。

(答)今計画されている鳥羽河内ダムについては総事業費が197億円で、そのうち50%国、50%県という、そういう中でありますから、ほぼ国からのお金が100億円程度あるわけです。もちろん既に今まで関連のいろんな事業がありますから、既に25.6億円、進捗率は13.5%というところになっているところでありますが、それにいたしましても、170億円以上の事業の中で80数億、90億円とか100億円近い補助金が無くなるとすれば、これはなかなか影響は大きいなと、こういうことでありますが、まだこれについては今後の議論が行われていくところでありますから、注視をしていきたいと、こう思っております。

 

(質)この前の知事会見でもちょっと伺った点なんですけど、海外視察のファーストクラス利用の件で、最近参院の方でもファーストクラスではなくビジネスと、与党もビジネスクラスを使う方針を国の方で示されてると思うんですが、改めて知事が海外視察をされる時そういうお考えというのは。

(答)いろいろな検討の動きがあるようですし、それからビジネスでもいわゆる昔のファーストクラスのような座席もありますし、さらに進んで最近のビジネスでは180度フラットになるようなそういう新しい新鋭機が出ているようであります。いろんな状況を見ながら、知事という、最終的に県政の中で全ての責任を持っている知事という、その職務にふさわしい形というものが考えられるのかなと、こう思いますので、今後の課題だと、こういうふうに思います。当面海外へ行く予定はしておりません。

 

(質)JR東海のリニアの中間駅の建設費を地元に負担するような話が出ているようなんですけど、これについて三重県はどうお考えですか。

(答)今東京から名古屋へまずは作って、その後、名古屋から大阪まで全線開通へ向けていくということなんで、随分先の話であるのかなと、こう思っているところであります。まだこういった議論をする機会というものが全くないわけであります。三重県の中間駅については地上駅というようなことが先般出ておりまして、大深度の地下駅になるような所、例えば奈良あたりはそういうふうなことでありますが、建設費がもう全く金額的にも違うというような状況が出ておりました。具体的に、どこがどういうふうにして負担をするのがいいのかという議論はこれからだと思います。まだJRのそういった一つの考え方が提示されたところだということでございます。これからしっかり議論がなされていくと、こういうふうに思います。一定の便益がありますから、JR東海が全て負担できない時に、その便益に対して地方がどういう形で負担をするのかというのも、これも一つの理屈ではありますけれども、直轄事業なんかでの地方負担も、そういう議論の中で政府としてはできあがってきたところではありますけれども、リニア事業そのものをJR東海が、民間がやるわけでありますが、国のプロジェクトとして国が責任を持つべきなのかどうなのか、そういったことも今後の議論の中には出てくるのではないかなと、こう思います。

 

(質)野呂知事としてはリニアが三重県を通ることについては賛成ですか、反対ですか。

(答)私は、ぜひリニアができる際に、三重県に駅ができてもらうというのは、三重県の今後の県政発展には大変大きなことだと、重要なことだと、こう思っております。ぜひ期待したいと考えております。

 

                                                           以上

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