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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成29年度 委員会会議録 > 平成29年9月21日 障がい者差別解消条例策定調査特別委員会 会議録

平成29年9月21日 障がい者差別解消条例策定調査特別委員会 会議録

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               障がい者差別解消条例策定調査特別委員会

                           会議録
                           (開会中)

開催年月日   平成29年9月21日(木)   午後3時29分~午後4時57分
会 議 室     601 特別委員会室
出席委員      13名
           委  員  長   杉本 熊野
           副委員長   小林 正人
           委   員   芳野 正英
           委   員   中瀬古 初美
           委   員   岡野 恵美
           委   員   倉本 崇弘
           委   員   田中 智也
           委   員   木津 直樹
           委   員   山内 道明
           委   員   藤田 宜三
           委   員   津田 健児
           委   員   三谷 哲央
                        委   員     中森 博文
欠席     なし
出席説明員    出席を求めず
事務局職員   
               企画法務課政策法務監兼班長  長﨑 禎和
委員会書記
               議 事 課     主幹    黒川 恭子
              企画法務課   主任    樋口 慎也
参考人          1名
              名城大学法学部 教授  植木 淳 氏
傍聴議員      なし
県政記者      1名
傍 聴 者     6名
調査事項
Ⅰ 参考人からの意見聴取について
1 障害者差別解消法の意義と課題について
Ⅱ 参考人の出席要求について(次回分)
Ⅲ その他

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

Ⅰ 参考人からの意見聴取について
1 障害者差別解消法の意義と課題について
 (1)参考人からの意見聴取

〇植木参考人 本日はこのような意見聴取の場を与えていただきまして、ありがとうございます。名城大学法学部で憲法を担当しております植木です。
 もともと私は憲法の平等原則を中心に研究しておりましたが、その中で、特にアメリカの憲法における平等保護条項の研究から、アメリカにおける障害差別禁止法である、後に御紹介するADAという法律の研究をするに至ったというのが現在までの研究履歴です。
 今日の話では、資料の1ページから2ページにかけて、まず障がい差別禁止というのは何かというアイデアの御説明を15分ぐらいかけてお話をさせていただき、その後、3ページから6ページの頭にかけて、今の障害者差別解消法の意義と課題について、その後、15分程度ぐらいかけて、6ページから7ページのこの障害者差別解消法施行以前からある障がい差別に関する裁判例を幾つか御紹介するという形で御報告をさせていただきたいと思います。
 では、1ページですが、まず、そもそも障がい差別禁止とは何かというお話をさせていただきます。
 この点、既に御承知の方も多いと思いますが、この障がい差別禁止というアイデアの背景にある考え方が社会モデルという考え方になります。
 この点、従来、障がいというものをどのように考えるかについては、個人モデルという考え方、これは別名医学モデルともいいますが、医学モデルという考え方が主流でした。この考え方は、要はその人自身の心身の機能障がい、例えば足が不自由であるとか、あるいは目が見えないとか、耳が不自由であるという機能障がいこそが障がいの原因であると考えて、そのような機能障がいを予防し、治療し、リハビリテーションによってその人が克服するのが重要だと考えられていたわけです。
 ところが、それにかわる新しい概念である社会モデルという考え方、これは要は、その人自身の心身の機能障がいだけが障がいの原因ではなく、そもそも障がいのない人を基準につくられている社会によって障がいが発生しているんだという考え方になるわけです。
 一番簡単な例でいいますと、例えば足が不自由な人も、もしかすると18世紀以前の農耕社会ではさほど不都合なく移動ができたかもしれないが、19世紀以降の都市化の中で段差がつくられて移動困難になっていった、あるいは、今の世の中であれば、車椅子があるので自由に移動できるはずなのに、段差があることによってその人が障がいに直面するようになっているんだという考え方が簡単に言えば社会モデルという考え方です。
 下の図式でいいますと、まさに足が不自由であるという機能障がいが直接不自由の原因なのではなくて、そこに段差があるという社会的な障壁によって、その人は初めて移動困難という障がいに直面しているんだという考え方です。
 逆の言い方をしますと、個人モデルというのは、要はできない人の問題であるというふうに捉えるのに対して、社会モデルという考え方は、できなくさせている社会の側の問題なのだというふうに捉える考え方だということになります。そこで、強いてできなくさせるように社会をつくっていることが差別だというふうに考えるという考え方、これが社会モデルだということになります。
 例えば、私は今日は名古屋の大学からここまでやってきました。名古屋市内から三重県まで自力でやってきたというふうに自分では思っていますが、自力でやってきたといっても、もちろん私は走ってきたわけではないわけでして、塩釜口の駅から地下鉄に乗って、名古屋駅で複雑な経路をたどって近鉄電車に乗りかえて、ここまで来ているわけです。これは、たまたま私が足に不調がないから、地下鉄も駅も近鉄電車も障がいのない人に合わせて建物をつくっているから私が移動できたのであって、それを、例えば車椅子の人は移動できないようにつくっていること自体が差別だというふうな発想、これが社会モデルの基本的な発想だということになるわけです。
 実際に昨年、私は実家にいる77歳の母を名古屋の街に観光に連れていきましたが、いかに町なかにバリアが多くて、いかに足の不自由な母親にとって不便であるかと。それはもはや、そういった建物をつくっていること自体が差別ではないかという発想ですね。これが社会モデルの基本的な発想だということになります。
 実際にこのような社会モデルという考え方を、今から30年も前にアメリカでは、障害のあるアメリカ人に関する法律、通称ADAと言われる法律の中で取り込んでおります。
 その内容を簡単に御説明しますが、まず(1)にありますが、このADAでは、障がい差別禁止について、まずは差別禁止の対象分野を3つに分けて、まず第1編で雇用に関する差別を禁止、第2編で公的機関、ここでは例えば州や地方公共団体のような政府機関による差別、ですから、例えば道路の建設や、あるいは司法手続や、あるいは刑事手続における差別なども含めて公的機関による差別を禁止。さらに、第3編では公共施設における差別。ここでいう公共施設というのは、民間事業者が営むものも含めて、例えばレストランや、あるいは店舗や、あるいは映画館や、あるいはスタジアムのようなものも含めて、不特定多数の人が利用するような公共施設における差別を禁止するというものになっております。
 何よりも重要なのは差別禁止の枠組みでして、基本的にこのADAでは、その下の米印にあるように、資格を有する障がいのある個人に対して、その障がいを理由にして不利益を与えることを禁止するという構造になっています。ここで言う資格とは何かというと、要はその社会活動の本質的機能を営むことができることということであり、わかりやすい例でいうと、例えば足が不自由なピアニストがいるとします、ピアニストにとってもちろん本質的機能なのはピアノを弾くことですから、足が不自由であっても、ピアニストとして優秀であれば、資格を有する障がいのある個人だということになるわけです。そして、その人、ピアニストとしては優秀なのに、足が不自由だということを理由にして不利益に扱う、これは差別だという構造、これがADAの基本的な発想になります。
 ですからもちろん、例えばシステムエンジニアだとか、あるいは通常の事務職だとかでも、例えば足が不自由であっても事務職として非常に優秀な人はいるわけですから、その人を足が不自由だということを理由にして不利益に扱うということが差別だと考えるわけです。
 そして、その上で最も重要なのが、1ページの一番下です。このADAでは、差別というものを3つの類型に分けます。1つ目が直接差別の禁止で、この直接差別とは言うまでもなく、障がいを直接の理由にして差別をすることであり、例えば障がいがあるからあなたは採用しませんとか、あるいは精神障がいのある人は入店できませんというような種類の差別が直接差別ですが、それ以上にこの障がい差別の領域で重要なのが、2つ目の間接差別という領域になります。
 この間接差別とは何かというと、これは、表面上は障がいを理由にする差別ではないが、障がいのある人に対して不利益な効果のある行為で、一番端的な例を挙げると、エレベーターのない建物の2階で会議を開く、あるいはエレベーターのない建物の2階で集会を開くというのは、もちろんそれ自体が障がい差別とは言えませんが、車椅子の人はそれで参加できませんから、表面上は障がいを理由にする差別とは言えないが、事実上は障がいのある人を排除するということになります。これを差別だと考えるのが間接差別の禁止という理屈になるわけです。
 あるいは、例えばそこに耳の聞こえない人が参加するのがわかっているのに、手話通訳や文字通訳を配置せず、口頭だけでコミュニケーションをすると。筆記等もすることなく、口頭だけでコミュニケーションをするというのは、それ自体は差別とは言えない、直接差別とは言えないかもしれませんが、事実上、耳の聞こえない人の参加を排除していますから、それは間接差別だということになるわけです。
 そして、日本でも最近話題になっている、3番目ですが、この合理的配慮の提供義務というのは、1番目と2番目の差別禁止の裏表の関係になっていて、要は直接差別や間接差別を回避するための義務として合理的配慮の提供義務があるということになります。
 つまり、例えばエレベーターのない建物の2階で会議をする、そのままだと障がいのある人は参加できませんから、間接差別になります、ですから、それを回避するために、例えば場所を1階に変更しましょうとか、場合によってはその人をみんなで2階まで持ち上げて、抱え上げて参加してもらいましょうというのが合理的配慮になるわけです。また、耳の聞こえない方が集会、会議に参加されているという場合に手話通訳や文字通訳をつけるというのも、間接差別を回避するための合理的配慮だという関係になるわけですね。
 これがADAにおける直接差別の禁止、間接差別の禁止、合理的配慮の提供義務という3つの義務です。ただ、特に3番目の合理的配慮の提供義務に関しては、相手方に対して過重な負担を与える場合には、そのような義務を免れる、あるいは、それがその社会活動の本質的な性格というものを変更させる場合には、そのような合理的配慮の提供義務を免れるという構造になっております。
 かなり重要な具体例を1つだけ紹介します。
 2ページの一番上をごらんください。
 これは、2000年にアメリカの連邦最高裁で判決が下ったPGA対マーティンという判決でして、日本でも割かし話題になった判決なので御存じの方もいるかもしれませんが、このPGAとは何かというと、年配男性の方は御存じの方が多いかもしれません、これはアメリカプロゴルフツアー、PGAツアーでして、このマーティンさんという人物がどんな人物だったかというと、まさに足の不自由なゴルフプレーヤーでした。
 この方は、学生時代に大学で全米のチャンピオンになるほどのゴルフの腕前だったわけですが、難病にかかって、足の機能だけが衰えていくという状況になりました。当時のPGAのレギュレーションでは、本選ラウンドでカートを使えないというふうなルールになっていたので、この人は足が不自由ですので、ショットメークはできるけれども、ラウンド内では歩き回れないということで、カートの使用を禁止されてしまうと非常にプレーに支障が出るというか、事実上参加できなくなるわけです。
 先ほどの図式でいうと、ここでは、カートを使えないというルールはまさに間接差別になるわけです。直接障がいのある人は参加できないわけではないが、足の不自由なプレーヤーが事実上参加できなくなるということですから、間接差別ということになり、そこで彼に合理的配慮としてカートを使わせるべきかどうかというのが論点になりますが、ここで最大の論点になったのが何かおわかりになりますでしょうか。
 これは、1ページの一番下にもう一回戻っていただければわかりますが、要はプロゴルファーにとって本質的な機能とはショットを打つことだけなのか、あるいは3日間ラウンドを歩き続けることも含めてプロゴルファーの本質的な機能と言えるのかどうかという問題です。
 実際PGAは何と主張したかというと、ゴルフという競技は、3日間、4日間歩き続けて、疲れながら、それでも正確なショットを打つということがゴルフなので、その意味で、ある意味でカートを使わせて、この人に歩かせなくていいということは、ゴルフの本質的な機能を変更させてしまうと。だから、この人はそもそも資格のある障がい者とは言えないし、カートを使わせることがゴルフという競技の本質的変更になるので、それは認められないというのがPGAの主張です。
 実際そのためにPGAは、ジャック・ニクラウスは御存じですよね、ジャック・ニクラウスまで証人に仕立てて、ジャック・ニクラウスに歩くことは大切だとか言わせているわけですが、アメリカの連邦最高裁の判断は、ゴルフにとって本質はショットメークであるということをゴルフの歴史をひもといて論証して、そこでこの人にはカートを使わせなければならないというふうな判決を下したということになります。
 その意味で、このADAは、PGAのルールさえ変えてしまうような、ある意味で社会的なインパクトのある法律であったということが言えるわけです。
 そこで、(2)を見ていきますが、障害差別禁止法、アメリカの法律がどの程度の実績を示しているのかということを簡単に御紹介しますが、まず①ADAに関する裁判例の展開ということで、アメリカは御存じのとおり訴訟社会ですから、このADA制定以降、多くの裁判が起こされておりますが、ここでははっきりした傾向があり、まず、ADA第1編、雇用差別禁止の領域においては、障がいのある労働者が裁判でなかなか勝てないというはっきりした傾向があります。これは理論的な説明ができるかどうかというよりも、むしろ裁判所の判断として、労働の局面で使用者に犠牲を強いてまで障がいのある労働者に対して配慮させるのは好ましくないというような判断があるのかもしれません。いずれにしても、雇用の場において障がいのある労働者は極めて不利な判断がなされる傾向があります。
 ところが、その一方で、公的機関や公共施設においては、障がいのある原告を参加させないことは違法であるという裁判例が相次いでいます。
 例えば、1つ目の事例ですが、まだエイズを発症していないHIV感染者が、歯科医からそれを理由にして治療拒否をされました。これは直接差別の事例になりますが、この直接差別の事例に関して連邦最高裁は、歯科医がHIV感染者を治療することで感染するリスクなんてないということを立証して、このような治療拒否は違法であるというふうに判断したわけです。正当な理由がないという判断です。
 また一方、麻薬中毒患者のためにリハビリテーション施設をつくろうとしたところ、これが建設不許可になったという日本でもありそうな話については、これも直接差別であると認定され、このような建設不許可処分の背景には周辺住民の偏見なり憎悪があったということが認定されて、ここでも違法だという判断がなされています。
 また、3番目ですが、ワイン工場の見学ツアーがあったんですが、そこで動物持ち込み禁止のルールがあったわけです、動物持ち込み禁止のルールのため、視覚障がいのある人で介助犬を持ち込めなかったという人が訴えを起こしたんですが、これはアメリカの文脈でいえば間接差別の事例になります。つまり、動物持ち込み禁止それ自体は直接障がい者を排除するものではないが、結果として介助犬を持ち込めないので、これは間接差別であるというふうにされ、ここでも裁判所がその工場の見学ツアーを検証して、動物を持ち込むことによって異物が混入するという工場の言い分には全く合理的な根拠がないということを裁判所が証明して、そのような持ち込み禁止のルールは違法であるというふうな判断をしたわけです。
 また、4つ目ですが、これもなかなか興味深い事案ではありますが、高校のスポーツは、恐らく日本でもそうだと思いますが、年齢制限があります、ですから、例えば、日本の例でいえば、プロ野球に一回行った人がもう一回高校に入り直して、高校野球で甲子園に行くということはできないということになっているわけですが、そのようなルールの結果として、例えば知的障がい等で進学の年次が遅れた生徒が年齢制限を理由にして試合に出場できないということが違法かどうかが争われたという裁判があります。これも、年齢制限自体は直接障がい差別とは言えませんが、結果として知的障がいや精神障がいのあった生徒に対して不利益な効果を及ぼすので、違法ではないかというのが争われたんですが、これは、結論的には合法・違法判断が分かれています。
 例えば、考え方としては、身体接触が出てくるスポーツだと、体格の大きな年長者がまじると危険が大きいので、体格の大きな人もまじる年長者を試合に出場させないことには合理性があるというふうに判断された事例もありますが、例えば水泳だとか、あるいはその他、身体接触のないスポーツであれば、年長者が入ることによって競技の本質が変わるわけではないし、危険があるわけではないということで、それを参加させないことは違法だというふうな判断がなされた事例もあるということで、いずれにしても、このADAにおける直接差別の禁止、間接差別の禁止というルールは、アメリカ社会にはかなり大きな影響を与えているということになります。
 また、真ん中、②、ついでにこれも御説明しますが、行政機関による救済の枠組みというのも設けられています。
 まず第一に、雇用差別の場では、裁判ではほとんど原告が勝てないという話はいたしましたが、ただアメリカでは、いわゆる人種差別に対する取組の延長線上として、雇用機会均等委員会が差別に対する不服申し立てを受けております。その不服申し立てで、ADAに関する不服申し立てのうち20%程度では何らかの合意が当事者間に成立しているということですから、これはそれなりの成果があるのだろうということになります。
 また、公的機関による差別や公共施設における差別に関しては、司法省に対して不服申し立てをするということになりますが、これについても、5年間で全米で690件程度の救済合意が成立しているということになります。これはまさに司法省が間に入って和解あっせんをするというソフトなやり方で問題を解決するという手法で、特にこの司法省による救済合意がどういう意味があるかというと、どんな救済合意がなされたのかがホームページで公開されます。そうなるとどうなるかというと、要は、大体この程度の企業であれば、障がいのあるお客さんに対してこの程度の配慮をしないといけないんだというのがある意味で相場としてできていくということになります。大体この程度のフランチャイズ店のレストランであれば、この程度の義務はあるよねということがホームページで公開されることによって、ある意味で新しい社会通念が形成されるというふうな面があるということになるわけです。
 3番に行きますが、このような形でアメリカで始まった障害差別禁止法という枠組みは、その後、世界に広がっていき、2006年には障害者権利条約が国連で採択され、そこでも、一番下にありますが、直接差別の禁止、間接差別の禁止、合理的配慮の提供義務という義務が設けられるようになったということになります。
 余談ではありますが、今の1ページから2ページの話、アメリカのADAの紹介については、日本で紹介されることはめったにありませんが、唯一紹介されている文献として、植木淳著「障害のある人の権利と法」という私の書いた本がありまして、『障害のある人の権利と法』という著作でございます。日本評論社から2011年に出版されておりまして、値段が5460円でございます。これを当事者団体の皆さんの前でお話しすると、値段を言った瞬間に皆さん目をそらしていくという問題があるわけですが、よろしければアマゾン等でごらんください。
 では、3ページに参りましょう。
 3ページに行きまして、このようなアイデアを受けて、日本でも障害者差別解消法が制定されるに至ります。
 法律制定に至る経緯ですが、日本政府は2007年に障害者権利条約に署名しますが、きちんとした差別禁止のための国内法がないのに、それを条約だけ批准しても意味がないというふうな反対もあり、この権利条約の署名から、日本でもきちんとした障がい者差別解消のための法律をつくるべきだという議論がなされるようになります。実際それで障がい者制度改革推進会議、後に障害者政策委員会によって議論が始まり、2011年には障害者差別解消法に先行して障害者基本法がまずは改正され、その4条1項で障害者に対する差別禁止を定め、さらに4条2項では障害のある人に対する合理的配慮の提供義務を盛り込みました。
 中でも注目されるのは、その4条2項の合理的配慮の提供義務のほうですが、「社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは」、次が重要なんですが、「それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう」、必要かつ合理的な配慮をしなければならないというふうに書いてあり、これは何を言わんとしているかというと、要は、必要かつ合理的な配慮が過重な負担でないにもかかわらず、それをしないことは前項の規定に違反するんだ、つまり差別なんだという認識が示されているということです。過重でないにもかかわらず必要かつ合理的な配慮をしないことは前項の規定に違反する、つまり差別だというふうな、そういう立法上の認識がなされているわけです。
 実際にその後、2012年には、障害者政策委員会の差別禁止部会が障害差別禁止法をつくるべきだという意見をまとめ、実際にそこでは、まずは総論として、直接差別、間接差別も含めた障がい者に対する不均等待遇の禁止と合理的配慮の提供義務を義務づけるべきであると。さらに2つ目に、各論部分として、10の領域にわたって差別禁止を規定するべきであると。そして、3番目に、救済手続として、行政救済の手続と司法救済の手続を設けるべきであるということ。これを2012年9月の段階で、障害者政策委員会の差別禁止部会は答申をいたしました。それを受け、翌年の2013年6月に当時の自民党、民主党、公明党の三党合意に基づいてつくられたのが、2番目の障害者差別解消法というものになるわけです。
 この点は既に御存じの方が多いかもしれませんが、念のために若干の説明をいたしますと、この法律は、まず(1)、目的として、全ての障がい者が、障がい者でない者と同じく、基本的人権を享有する個人として尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されている権利を有することを踏まえ、障がいを理由とする差別の解消を推進する、これが法律の目的だとされています。
 ポイントは2つありまして、障がいのある当事者に権利があるんだということをはっきりと認めていること、これが1つ目のポイントになりますが、2つ目のポイントは、この法律の名称にもなっていますが、差別禁止ではなくて、差別の解消を推進するという書きぶりになっているということがまずはポイントといえばポイントになります。つまりこれは、差別禁止というような原案に比べれば、若干、差別禁止に対するトーンが下がっているということはちょっと否定できない部分になろうかと思います。
 そしてまた、障害の定義として、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む)その他心身の機能の障がいがあって、日常生活または社会生活に相当な制限を受けるものが障がい者であるとされ、難病等々の人たちも含まれますよというのが政府の説明だということになるわけです。
 最大の問題なのは、(3)のこの差別禁止規範の内容ということになりますが、まず行政機関に関して言えば、行政機関等は、障がいを理由として障がい者でない者と不当な差別的取り扱いをすることにより、権利利益を侵害してはならないという形で、不当な差別的取り扱いを禁止するとともに、行政機関等は、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をしなければならないとして、合理的配慮を義務づけました。
 ところが、その一方で、民間事業者との関係では、事業者は、障がいを理由として障がい者でない者と不当な差別的取り扱いをすることによって、権利利益を侵害してはならないとしつつ、事業者は、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をするよう努めなければならないというふうにしているわけです。つまりここでは、事業者との関係では、不当な差別的取り扱いの禁止は法的義務だが、合理的配慮については努力義務だという扱いになっているというのが法律におけるかなり重要な点になりました。
 さらに、③ですが、この法律では、雇用差別に関しては、この差別解消法ではなく、改正障害者雇用促進法の中で、募集、採用と採用後の状況について、それぞれ機会均等の保障と差別的取り扱いの禁止を定めているわけですが、ここについては今日は詳しくはお話をしないということにします。
 5ページをごらんください。(4)ですが、さらにこの法律では、法律の実効性を確保するために、内閣は基本方針をつくり、それに基づいて、国や地方公共団体の行動指針、つまりガイドラインとして対応要領をつくり、さらに民間事業者の行動指針、つまりガイドラインとして対応指針をつくるということ、これが決まっていて、実際にそれがつくられているということは既に御案内のとおりだと思いますが、(5)、それに加えて、この法律の実施体制に関して、この差別解消法では余り明確な規定が分かれていないということになります。
 まず1つ目に、相談・紛争防止として、国及び地方公共団体は、障害を理由とする差別に関する相談に的確に応じるとともに、紛争の防止または解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図るものとするという形で、行政救済のための枠組みはある意味で先送りされているというふうな印象の法律になっております。
 また、②ですが、障害者差別解消支援地域協議会という枠組みで、国及び地方公共団体の機関で、障害を理由とする差別を解消するための取組を効果的、円滑に行うため、関係機関によって構成される障害者差別解消支援地域協議会を組織することができるという形で、これも地方の実情に応じてと言いつつ、問題解決の枠組みをある意味で先送りしているというふうなことにはなるわけです。
 最初にお話ししたADAの仕組みとある意味で対比してということになりますが、3番、この障害者差別解消法の課題というものを幾つか考えておきますと、まず1つ目に、先ほど申し上げましたとおり、法律の名称として、差別を禁止するという明確なメッセージではなくて、差別の解消を促すというような法律の書きぶりになったというのは、これはある意味で若干のトーンダウンをしているんだというふうな印象は拭えません。
 また、6ページですが、2つ目の課題として、先ほどお話しした差別禁止部会の意見では10にわたる各論分野の規定が置かれたわけですが、この差別解消法では各論規定はなく、その点は対応要領や対応指針によって具体的な各論的な要求というものが補われるという必要性があるということになります。
 ところが、内容的により重要なのが(3)、(4)、(5)です。特に、内容に関しては(3)と(4)、手続に関しては(5)が最も重要で、これが法律解釈的にも論点になるところですが、まず1つ目、(3)、この法律は、行政機関も民間事業者も不当な差別的取り扱いをしてはならないというものになります。問題なのは、この不当な差別的取り扱いとは何かということですが、この点、直接差別がそれに含まれるということははっきりと認められていますが、間接差別が含まれるかどうかという問題については、今後の相談事例や裁判例を踏まえて対応するというのが立法に当たっての政府の説明です。
 これから法律をつくる、今、法律ができるというのに、その内容が今後の相談事例や裁判例を踏まえて対応するというのはいかがなものかというふうに当時思いましたが、この法律によって間接差別が禁止されるかどうかは今のところ不明確だということになります。少なくとも政府の解釈では不明確だということになるわけです。
 ただ、先ほどのADAで出てきたように、間接差別の禁止が含まれるというのは、ある意味で直接差別と間接差別は社会通念上、それはもう差別としてくくられるというふうな状況も多々あります。例えば、エレベーターのない建物の2階でわざわざ会議をする。実際にそれで車椅子の人が参加できないという状況になっていて、それを解消することが容易であるにもかかわらず、そうしないのが差別ではないというふうに、これは社会通念上も言えないと思います。
 ですから、もちろん程度問題はありますが、不当な差別的取り扱いの中に間接差別も含まれ得るというのは、むしろ解釈としては常識的な解釈になろうかと思います。社会通念上、直接差別を同視されるような間接差別はこの法律でも禁止されるというふうに考えざるを得ないというふうに私は思います。
 そしてまた、2つ目、(4)で、この法律では、民間事業者の合理的配慮の義務が努力義務だとされました。この点はもちろん、事業者に対する影響というものを考えてこういう規定が置かれたのであろうということは理解できますが、ただ、繰り返したいのは、1ページの一番下でお話ししたこの差別3類型の中でも、この合理的配慮の提供義務というのは差別禁止と裏表の関係になっているので、差別は許されないが、配慮は義務づけられないというのは、実際にはつじつまの合わない局面が出てきます。
 例えば、目の不自由な人が1人でホテルに宿泊したいという状況が仮に起こって、ホテルの側がその人の宿泊を拒否することがもし不当な差別的取り扱いになるのであれば、つまり宿泊させなければいけないのであれば、目の見えない人を宿泊させるに当たって、契約上の付随義務として一定程度の安全配慮義務が発生するのは当然です。ですから、一方で差別を禁止しておいて、サービスを提供しなければいけないとしながら、そのサービス提供に当たって、障がいの特性に応じた配慮が要らないということは、法律的には恐らくあり得ないということになります。
 ですから、その意味では、この差別禁止は法的義務だが、合理的配慮の提供義務は努力義務だという規定は規定として矛盾しているので、解釈で解決される、調整される必要のある問題であろうというふうに思われるわけです。この点は、それを示唆する裁判例が実際にありますので、後から御紹介したいと思います。
 そして、5番目に、行政救済の手続で実効的な手続が存在していないということが、この法律における大きな課題だということになります。実際アメリカの例で出てきましたが、アメリカはもちろん相当の訴訟社会ですから、差別禁止法に基づいて多くの裁判が起こされました。ただ、そのアメリカにおいてすら現実には全ての人が裁判を起こせるわけではないので、行政救済の手続によってソフトな解決を目指すという必要性は相当高い、そして、その意義は相当あるということが指摘されています。
 日本においてももちろん、後から紹介するように、障がい差別が裁判になることは多々ありますから、最終的には裁判で解決するということにはなりますが、それでも裁判で全てが解決できる、全ての人が裁判を起こさなければいけないということにはやはり少しなりにくいので、行政救済という形で、行政機関が介入して当事者間の和解とあっせんを図るという必要性は相当大きいのではないかというふうに思われます。
 結論を先取りするようですが、私としては、地方の自治体がもし差別解消条例をつくるとすれば、このソフトな解決として行政救済をする枠組みをつくるというのが最大の意義になるのではないかというふうに思います。つまり、事業者も納得し、当事者も納得するような、そういう法の知見とアドバイスを行政機関が行うというソフトロー的な手法を条例で補う必要が極めて強いのではないかというふうに考えております。
 若干話は前後しましたが、その話も含め、Ⅲに参ります。
 実は、この障害者差別解消法ができる以前から、日本でも裁判所において、この障がい者の差別に関する事例は、かなり多くの裁判例が蓄積されています。その幾つかだけを紹介いたしますが、まず教育に関しては、2000年代から障がいのある児童生徒が普通の保育園、学校に行けないことは違法であるという裁判例がかなり確立しております。
 例えば、レジュメにありませんが、1993年に神戸地裁で出た判決では、筋ジストロフィーに罹患している中学生が普通高校にそれを理由にして入学できなかったことは違法だとされて、普通高校に入学させなさいというふうな裁判例がありますし、2000年代になって出てきているこの徳島県藍住町立幼稚園入園拒否事件は、水頭症に罹患している5歳の幼児が町立幼稚園に入園できなかったという事案について、この水頭症という病気では移動や安全確保に対する極めて高い危険があるわけですが、徳島地裁は、この子どもに対する移動介助や安全確保に関する危険性は教職員を1名加配することによって克服できるとして、かなり驚きなのですが、ここでは裁判所は町の財政状況まで審査した上で、町の財政状況から見て、この子どもに1人の職員を加配することも可能なはずだという判断のもとで、本件入園不許可処分は違法であるという判断をしております。
 また、2番目の下市町立中学校入学拒否事件、これは、脳性麻痺に罹患しているXという生徒が、特別支援学校に就学通知を受けたということについて不服を唱えて、普通中学校に行きたいというふうなことを訴えた事案について、奈良地裁は、本件の普通中学校は補助員の雇用や教室の再配置や移動経路の調整や施設の改善などによってXを受け入れるということは可能であるというふうに判断して、このXを普通中学校に入れなさいというふうな判断がされたわけです。
 これらの事例は、いずれも義務教育を受ける機会、もちろん幼稚園は義務教育ではありませんが、基礎教育を受ける機会に関する事例という特殊性はありますが、それでも裁判所が、障がいのある児童生徒には一定の合理的配慮をする必要があるということを前提にした上で、それが過重な負担と言えるかどうかについての判断をしているというふうな事例であるということは言えるわけです。
 また、2つ目ですが、公共交通に関して、これは近年、バニラ・エア問題という問題が起きたので、かなり関心の高いところだろうと思いますが、この辺に関しても裁判例の傾向は変わっております。
 例えば、2001年のJR東日本車椅子対応トイレ設置訴訟という訴訟は、車椅子対応トイレが設置されていないことは違法であるという訴えを東京地裁も東京高裁も退けた判決だったわけですが、(2)のシンガポール航空事件は、かなり重要な事件でありまして、どんな事案だったかというと、全身性の脳性麻痺のある男性がシンガポール航空の関西国際空港発バンコク行きの飛行機を予約していたと。ところが、電話予約だったために、航空会社にはこの人が障がい者であるという情報が伝わっていなかった状況で、当日朝、カウンターに行って、航空会社の人はその人が障がい者であることを知って、その場で搭乗できませんと言って搭乗を拒否したという事実関係の中で、大阪高裁は次のように判断します。
 大阪高裁は、まず、航空会社が搭乗を拒否することができるのは、対応困難または対応できない援助が必要な旅客に限られるのだというふうに判断した上で、ここでのXに対する援助の困難性が例えば高齢者や子どもと比べて大きな差異があったかどうかは疑問であると。例えば、食事の介護や、あるいは緊急脱出時の介護というふうなことを考えても、高齢者、子どもに比べて、この人に対する援助は不可能である、あるいは対応困難であるということは言えないとして、この人は対応困難または対応できない援助が必要な旅客だったとは言えないというふうな判断をするわけです。ただし、航空会社の担当者が出発当日にXの障がいを知ったという状況の中で、担当者のその場の判断でその人の搭乗を拒否したことは過失があったとまでは言えないという判断で、損害賠償請求は拒否するという判断だったわけです。
 そうなると、結論的にこの裁判は、Xが敗訴しています。損害賠償請求は認められていません、ただ、この裁判の理由づけを考えると、この人がもし事前に自分の状況を伝えた上で搭乗を申し込んでいれば、搭乗させなければいけなかったというのが大阪高裁の判断だということになります。
 その意味でこの判決も、実際に航空会社は障がいのある旅客に一定の合理的配慮をしなければいけないということを前提にした上で、あとはその配慮が過重な負担と言えるかどうかを判断するという枠組みに立っており、実際に過重な負担でないにもかかわらず、援助が必要だという理由で搭乗を拒否したら、それは違法だという判断をしているわけですから、この事例でもまさに搭乗拒否と援助は裏表の判断になっているということになります。つまり、必要な援助をしないでその人の搭乗を拒否したら、それは直接差別であり、搭乗させる以上は必要な援助をしなければいけないと。そして、その援助を拒否できるのは、それが過重な負担と言える場合だけだというふうな判断、枠組みを裁判所はとっているということになります。
 また、7ページに参りますが、3番で、商品・サービスに関して言うと、これに関しても、近年では、障がいだけを理由にしてその人を排除するような行為は違法だという裁判例はもう確立しつつあります。
 まず、インターネットカフェの店長が、もともとそこを利用していたXがたまたま精神障がいの手帳を持っていることを知ったために、それ以降、その人の入店を拒否したという、ちょっとこれはもう信じられないような事例で、このような入店拒否は、これは違法な差別行為に当たるとして慰謝料が認められているということになります。
 また、次のほうが若干微妙な事例ではあったんですが、性同一性障害特例法に基づいて男性から女性に性別変更したXが、女性としてゴルフクラブに入会したいということを申し出たにもかかわらず、それが拒否されたという事例について、静岡地裁の浜松支部は、実際Xの外見等々も判断して、女性としてこの人が入会することによって他の会員等に対して損害を与えることはないと判断して、本件入会拒否を違法であるというふうに判断したわけです。
 その意味では、近年、この障害者差別解消法の制定、施行にかかわらず、実際に不法行為訴訟や、あるいは公序良俗に関する訴訟の中で、少なくとも民間事業者と顧客との関係の中で障がい者を差別するというふうな事例は違法であるという裁判例はかなり固まりつつあるというふうな状況にはなるわけです。
 ただ、このような裁判例はかなりハードな解決でこういった事例に至ったわけでして、繰り返しますが、全ての人が問題が起こったときにすぐ裁判というわけにはいかないわけですし、それはまた事業者の側にとっても負担の多い話になりますから、その意味で、この障害者差別解消法で本当は国の行政機関としてもっとソフトな介入で問題を解決するということができれば最善だったわけですが、その体制が整わない現在では、地方公共団体が条例制定を通じてそういったソフトな解決ができるというふうな状況になるということが望ましいというふうに考えます。
 私が、この障害者差別解消法に関して、当事者団体の方々、特に当事者の方々を前にお話しするときにも必ず言う話ではありますが、憲法で男女平等が規定されて70年でございますが、憲法で男女平等が規定されたからすぐ男女平等になったわけではなく、また雇用差別、男女雇用機会均等法が施行されてもう30年たちますが、それですぐ男女平等になったわけではないと。ある意味で法律が施行されてすぐに世の中で差別がなくなるということはないわけですが、少なくともこの障害者差別解消法とその後の条例等における取組が、障がい者とそうでない人たちの共生社会が実現できるという第一歩になるのではないかというふうに思っております。
 最後まとまりませんでしたが、以上で私からの意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
   

(2)質問

〇杉本委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御意見を受けまして、委員の皆様から御質疑等をお願いいたします。
 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言し、また委員に対しては質疑をすることができないことになっておりますので、御了承をお願いいたします。
 それでは、御質疑があればお願いをいたします。

〇三谷委員 どうもありがとうございました。
 行政救済でソフトな解決を目指していくというのが非常に大事だというお話だったんですが、先ほど来、いろいろ具体例をお示しいただきますと、解釈だとか判断が非常に微妙で、難しいものがたくさんあって、実際にアメリカ等の例をお伺いしても、現場でいろんなことを検証したり、様々なこと、観点から判断をしていっているわけですが、行政救済をする場合にそういう微妙なものに対しては、裁判に至らずにソフトに解決できればそれでいいんですけれども、裁判所のような多角的な検討だとか、そういうふうなことが行政で本当にできるのかということなんですが、そのあたりのところはいかがなんでしょう。

〇植木参考人 大変難しい問題だと思います。ただ、まず裁判の場合は基本的に当事者主義になりますから、原告、被告がそれぞれの費用において証拠を集めて、裁判所が判断するという枠組みになるのに対して、どちらが効率的な状況把握の方向、方法と言えるのかというのは、むしろその意味では微妙だということになります。
 行政機関がということであれば、例えば強制的に証拠を押さえるような手段が恐らくないでしょうから、まずは当事者の言い分を聞いた上で、法の趣旨を説明して、法の趣旨にかなった取り扱いになっているかどうかというのを両方に問いただすというような、対話のプロセスによる解決ということに恐らくなるのではないかと思います。ですから、その意味で、委員がおっしゃるように、厳密な事実認定ができない状況の中で、対話で問題を解決することを促すというようなプロセスにすぎないといえばすぎないということにはなろうかと思います。

〇三谷委員 今後、条例をつくっていく上で、そういう行政救済等の仕組みづくりも条例の中に組み込んでいかなければいけないのかなと、こう思っていまして、最終的に、例えば合理的配慮が必要ですよということを前提に、それが過重な負担になるかどうかというような判断を、行政のほうでできるのかと。話し合いで解決ができればいいんですが、最後に話し合いがつかなければ、裁判に行くまでもなく、どこかで解決しようとすれば、一定の判断をせざるを得ないんですが、そういうことというのは可能なのかどうかって、そのあたりはどうなんでしょうか。

〇植木参考人 非常に難しい問題ではあろうかと思います。
 まず、仕組みとして、直接差別、間接差別が禁止されています。不利益な行為をしないでください、これを前提にした上で、あとはそれに対するサービス、合理的配慮の提供がどれぐらい過重かということを両当事者は考えてくださいねということをまず説明するということにしかならないといえばならないということになります。
 問題は、過重な負担ってどこまでなのかということに関しては、相場が今のところない状態なわけです。その相場をつくっていく作業から始めないといけないということにはなります。
 例えば、具体的に言えば、非常にわかりやすい例で言うと、町なかの雑居ビルの2階で夫婦2人でお店をやっていると。車椅子でそこに行けませんと。エレベーターをつけるのも、お店の人が介助して上に上げるのも困難ですから、そこでそういう人がそのお店にアクセスしたいということを合理的配慮として要求しても、それはその当事者にとって過重な負担だということに常識的になると思います。
 その一方で、例えば全国展開している大手レストランチェーンが、事実上、車椅子の人が全く利用できないという状況になっていて、それが差別解消法違反じゃないということであれば、それこそ何のためにこの法律ができたかわからないというようなところの間に相場があるんだと思います。
 そこの相場は、まさに今の社会通念でどの程度のところを相場とするかというふうな判断しかないということになりますので、まずはその相場ができていくということが必要になるという、非常に曖昧な話で申しわけありませんが、そういうことになろうかと思います。
 その上で、個々の事案に関する厳密な事実の認定を行政機関がするのは無理だと思いますが、ただ、最終的に裁判になったらあなたたちは負けますよというところが行政救済のきくポイントになりますから、その意味では、行政救済の手続の中で問題解決をしていって、望ましくは、こういった事例で、こういう紛争があったけど、こういう解決をしましたというふうな事例が公開されて、合理的配慮の好事例と言えるようなものが公開されて、行政救済の側から相場ができていくと。
 また一方で、裁判が余りあるほうがいいとは言いませんが、幾つかの裁判例の中でこういう裁判例があって、この程度の配慮は必要だというふうに裁判所も言っていますよという裁判例が集積されて、それが相場になっていくんではないかというふうな形にはなろうかと思います。

〇三谷委員 ありがとうございました。

〇杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。

○芳野委員 ありがとうございました。
 まず1点、先ほどもあったソフトな行政の解決方法、ADRみたいな感じかなと思うんですけど、アメリカのADA法は、そういう行政のソフトな解決手法に関して法律上で規定はされているのか。本来なら日本の障害者差別解消法に規定すべきであるというふうに参考人も考えてみえると思うんですけど、アメリカの場合はそれが規定されているのかというのが1点と、あと、ちょっと別の視点なんですけど、合理的配慮は今のところ努力義務ですけれども、障がい者団体の皆さんからは、やはりこれを法的な義務に条例として盛り込んでほしいという要望がすごく強いんですが、それを、条例上そういうふうにすることが法的には可能なのかと。上乗せ規制になるので、それができるのかどうかというのを、参考人の見解をお聞かせください。

〇植木参考人 まず1点目ですが、アメリカでは、いわゆる行政救済に関しては、全て法律で根拠があってできているということになります。ただ、この点は実はアメリカの特殊事情がありまして、もともと人種差別と性差別を禁止する、いわゆる公民権法の枠組みがあって、この公民権法の中で、例えば雇用機会均等委員会のような差別禁止のためのかなり強い行政機関がもともとあって、そこが障がい差別の問題も取り扱うという形になっているので、ADAとしては、そのもともとの公民権法の差別救済の仕組みを準用するという形で、法律上も準用し、行政機関としては、そういうもともと既存の差別禁止機関が差別禁止についての処理をしているということになります。
 ただ、御指摘のADRとの関係ですが、ADRに比べると、このアメリカのADAの介入はより、紛争裁断的ではなくて、当事者の合意、和解を前提にしたやり方ということになります。ただ、それは、当事者の和解、合意ができない場合には裁判になりますよということを前提にした当事者の和解、合意を目指すやり方での問題解決だということになります。
 2点目ですが、国の法律では、民間事業者は合理的配慮義務に関して努力義務になっている、これが条例で義務化することは可能かということに関して言えば、これはまさに上乗せ規制という問題になりますが、上乗せ規制として可能だというふうにまず考えられます。
 さらに言えば、実は、先ほどちょっと簡単に御紹介しましたが、3ページの上の(2)に出てきた2011年の障害者基本法の4条の1項と2項は、文言からも明らかに差別禁止と合理的配慮の提供義務を裏表のものだと考えてできているわけです。だからこそ2項の2行目で、それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう、必要かつ合理的な配慮の提供をしなければいけないという書きぶりがなされていて、必要かつ合理的な配慮の提供がなされなければ前項の規定に違反すると、つまり差別であるという書きぶりに障害者基本法は実はなっているわけです。
 それからすると、障害者差別解消法でその2つを分けて、片方を努力義務、片方を法的義務にしたのは、実を言うと障害者基本法4条の規定ぶりと矛盾しているということになりますから、むしろ障害者基本法4条の趣旨にのっとって、その両者を一体のものとして考えるということが望ましいのではないかと思います。
 この点、条例の規定ぶりの問題ですが、実は、さる自治体でこれを議論したときに同じ点が問題になったんですが、私の意見としては、そもそも差別禁止と合理的配慮の提供義務は裏表の関係なので、できれば障害者基本法4条のような書きぶりが望ましいと。つまり、差別にならないようにするために必要かつ合理的な配慮が求められると。差別は禁止される、差別にならないように必要かつ合理的な配慮が求められるという書きぶりが、恐らくは一番正確でもあり、穏当な書きぶりなのではないかというふうに考えています。

〇芳野委員 ありがとうございました。

〇杉本委員長 ほかの委員、いかがでしょうか。よろしいですか。

○中森委員 ありがとうございます。よくわかりました。
 その中で、法律の実効性の確保の中で、基本方針が内閣で決まったことはもうわかりますし、対応要領の中で、私ども地方公共団体においては行動指針というのがガイドラインの示すようなことを定められる中で、それは一定よく法律のもと、解釈、運用などはガイドラインという形で示されるというのが、行政的な手続上の流れがあって、加えて、全国的には、条例化して、それをサポートというんですか、それを補強するというのか、具体的にある意味では推進を積極的に行うということをアピールするような条例が全国でも幾つかあるわけです。
 しかしながら、法の中の、判例を参考人がおっしゃったということもありまして、法を超えるようなこと、地方公共団体においてもさすがにそこは、法律以上のことは条例化するのは難しいというのが全国的な傾向があって、ここはやはり障がいのある人もない人も、ともに健康で豊かな社会づくりをしましょうねというような条例の名称が、少し工夫して、よりよい社会をつくろうというような条例の名称とした上で、ともに共生社会をつくろうというような条例化があちらこちらであるわけです。
 厳しく穴埋めするような、また場合によっては明確にするような条例化をするよりも、もっともっと地域で暮らしやすい、ともに暮らしやすい社会をつくろうという条例が全国的にある中で、三重県においてもどのような方向にするのかというのは我々の中で議論させていただいているんですけども、参考人のお考えは、ガイドラインがあるから、それをきちっと明確化すべきなのか。それはそれとして、やはり三重県なりの、地方公共団体なりの特色ある、ともに、社会的に、三重県として、障がいのある人もない人も地域的生活がしやすいような環境づくりに皆さん、県民挙げて頑張りましょうねと、行政もお手伝いしますし、いろんな地域社会の構成団体でありますサービス提供者もここは十分わかってねというようなことで、そのようなまとめ方のほうがいいのか。もしそれについての御意見があればありがたいなと思って。

〇植木参考人 まず、条例は、かなりいろんなパターンがありまして、今、委員御指摘のように、障がいのある人もない人もともにつくる条例のような名称の条例もあり、最近では単純に差別解消条例というふうな名称もあるかと思います。
 三重県がどうされるかは、私のとりあえず関知というか、よく知るところではありませんが、1ページから2ページのところで、法の問題として、この差別解消という枠組みがどういう枠組みかというと、私のイメージを申し上げると、福祉と平等、2つの柱があるとすれば、この差別禁止という枠組みは、福祉ではなくて、平等をという発想でできているということになります。例えば、アメリカのADAは明らかにそうですが、足が不自由でも、優秀であれば平等な条件で競争させろという発想でADAはできているわけです。その意味では、この差別禁止法というのは、もともとが福祉ではなくて、平等をという発想にむしろなっています。
 では、それだけでいいのかというと、もちろんそれだけでは、重度の障がいがあったり、いろんな理由で社会生活が困難な方にとっては、実際に社会参加ができないということになりかねませんから、少なくとも日本の法体系の中では、平等も福祉もそれぞれ重要だというふうな位置づけになろうかと思います。憲法でいえば、憲法14条で平等原則が保障され、憲法25条で生存権が保障されている、ともに重要であり、ともに究極的な目的は個人の尊重を定めた憲法13条であるというのが私の理解です。
 実際に国の法律を見ても、障害者基本法というある意味で総論的な法律が上にあって、その下に差別解消法という平等のための法律と、それとは別に福祉のための諸法律があるという体系になっていますので、ある意味で、障がいのある人もない人も、ともに個人として尊重されるべきだという大目標として障害者基本法があり、そのもとで差別はよくないというルール、そして、それとは別に、福祉は充実させるべきだというルールがあるという、ある意味でトロイカ的な法体系を国も採用しており、それは意識されるべきではないかという意見です。

〇中森委員 ありがとうございます。
 あと1つ、他の都道府県でもあるんですけども、行政救済手続について明記がそれぞれありまして、参考人にも御指摘をしていただいて、やはりこれは国の定めよりも、地域に密着した、三重県は三重県なりの行政救済手続が必要ではないかなというのも多分おっしゃっていただいているわけで、我々もそこについてはきちっとすべきですねというのを改めて認識させていただきましたので。これは私のコメントですので。ありがとうございます。

〇杉本委員長 ほかに御質疑はありませんか。

○芳野委員 先ほどの福祉と平等の部分で参考人がおっしゃった、有能であれば平等にするというお話で、先ほどピアニストの例を出されたときも、有能で足に障がいのあるピアニストが例えば文化ホールを使うときに、それがなければ訴えて、違法性があると。例えば、これが一般の、市民発表会レベルで障がいのある方がピアノを弾きたい、だけど、そのホールにはなかったとします。そういう場合は、参考人がおっしゃっているこの合理的配慮の部分では手当てをされないことになるんですかね。ちょっとさっきのお考えを整理したいんですけど。

〇植木参考人 御質問の趣旨として、障がいがない人であれば認められないような利益なり権利を障がいがあるがゆえに認められるかという一般的な論点であれば、それは差別禁止からは出てこないということになります。
 同じ利益なり同じ権利を達成するために配慮が必要だという場合に、その配慮を求める権利はあると思いますが、障がいがなければ得られない権利を障がいがある人であれば得られるという一般的な御質問であれば、差別禁止からはそれは出てこないということになるわけです。
 障がいがあるがゆえに特定の利益にアクセスできないのであれば差別ですが、逆に、障がいがあるがゆえに特権的にその差別にアクセスできるということには、差別禁止からはならない。

〇芳野委員 わかりにくいな。

〇植木参考人 済みません。

〇芳野委員 いやいや、僕の理解が悪いんですけど、余計わからなくなった。

〇杉本委員長 そろそろ予定の時刻になってきたのですけれども、これだけはという委員の方はおみえになるでしょうか。よろしいですか。

              〔発言の声なし〕

〇杉本委員長 なければ、これで質疑を終了いたします。
 この際、参考人に対し、委員会を代表いたしまして一言お礼を申し上げます。
 本日は大変お忙しい中、本委員会のために御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。
 大変貴重な御意見を頂戴いたしました。今後の本委員会での議論に反映をし、役立てていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。
それでは、以上で参考人からの聞き取り調査を終わります。ありがとうございました。
 ここで参考人が退室をされますので、しばらくお待ちください。

              〔参考人 退室〕


   ③委員間討議   なし

Ⅱ 参考人の出席要求について(次回分)

 

〇杉本委員長 次に、次回の参考人の出席要求についてですが、この件につきましては、正副委員長に一任をいただいており、障がい者関係団体の方を招致することを考えております。
 なお、参考人の人選につきましては、正副委員長で協議した結果、お手元に配付の資料1、参考人出席要求候補者名簿のとおり、障がい種別ごとに6団体の皆様に10月12日、17日の両日にお越しいただくことで調整をしております。各団体の皆様からは、障がい者差別の現状及び課題等について、当事者のお立場からの現場の声や御意見をいただけると考えております。
 それでは、お諮りいたします。
 資料1に記載の6団体の皆様に参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

              〔「異議なし」の声あり〕

〇杉本委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
 それでは、10月12日木曜日の午後1時から並びに10月17日火曜日の議員勉強会終了後に本委員会を開催し、資料1に記載の6団体の皆様から御意見を伺いたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

Ⅲ その他

○杉本委員長 次に、参考人招致当日の委員会の運営方法ですが、正副委員長に御一任願えますでしょうか。

              〔「はい」の声あり〕

○杉本委員長 ありがとうございます。それでは、そのようにいたします。
続きまして、障がい者差別事案に関する三重県の相談体制等について報告いたします。
 資料2をごらんください。
 先月の8月21日、22日に県外調査を行いましたが、障がい者差別解消条例の検討に当たっては、やはり相談体制が重要な項目になると考えられます。そこで、三重県の相談体制を確認するため、事務局に整理をさせましたので、説明をお願いいたします。
 済みません、その前に、ただいま16時45分であります。会議時間が午後5時を経過する見込みですが、会議を継続してよろしいでしょうか。

 

              〔「はい」「異議なし」の声あり〕

〇杉本委員長 御異議なしと認め、会議を継続いたします。
 それでは、説明をお願いいたします。

 

〇長﨑法務監 私のほうから、障がい者差別事案に関する三重県の相談体制等について御説明いたします。
 資料2-1、1ページのほうをごらんください。
 まず、1の相談窓口でございます。
 (1)健康福祉部(障がい福祉課企画・社会参加班)で対応しているということ。
 それから、(2)教育委員会、これは人権教育課でございます、で対応しております。
 3つ目の窓口といたしまして、障害者相談支援センター地域支援課でございますけれども、これは平成29年4月から相談窓口ということで位置づけており、この3つが相談窓口という形になっております。
 2番目でございます。平成28年度の相談状況等について御説明いたします。
 (1)の平成28年度の県における相談状況については、別紙資料2-2、3ページをごらんいただきたいと思います。
 相談件数でございますけれども、県及び県教育委員会の窓口への相談状況ということで、19件上がっております。
 5ページをごらんください。5ページには、障がい者差別に関する市町への相談件数ということで、平成28年度の1年間で合計25件ということでございます。
 1ページに戻っていただきまして、2の(2)平成28年10月から平成29年3月までの相談事例等ということで、主なものということで、資料の6ページ以下に整理をしてございます。これは、県や市町等への相談事例等ということで、内閣府に報告した事例ということで掲載をしてございます。詳細についてはちょっと省略のほうをさせていただきます。
 次に、1ページに戻っていただきまして、3、相談対応のイメージでございます。
 図のほうをごらんいただきたいと思いますが、相談事例が発生した場合、おおむね次のような対応となるということでございます。
 まず、障がい者、家族もしくは支援者等も含めてですけれども、①の相談窓口(障がい福祉課等)に対して相談がなされるというようなことをきっかけといたしまして、相談窓口、障がい福祉課ほかでございますけれども、相談内容を整理した上で、②にございますように、相談内容が属する行政分野を所掌する県庁各課でありますとか関係行政機関との間で相談内容について情報共有、連携して相談に対応するということでございます。
 次に、相談窓口または関係課、関係行政機関は、③にございますように、矢印にありますように、相談の対象となった行政機関や事業者等に対して相談内容を伝達するということと、あわせて相談の解決に向けて助言や指導を行うと。
 同時に、④の矢印にございますように、相談の対象となった行政機関や事業者等から主張、言い分、解決策の提示があれば、それを聴取するということになります。
 相談者に対してでございますけれども、相談窓口または関係課、関係行政機関は、⑤の矢印にありますように、相談の対象となった行政機関や事業者等からの主張、言い分、あるいは提示された解決策を伝達する、また相談の解決に向けて助言をするということになります。
 場合によっては、相談窓口または関係行政機関については、⑥でございますけれども、相談を行った障がい者、家族、あるいは支援者の方等を含みますけれども、と相談の対象となった行政機関や事業者等とが話し合い、協議する機会を設定すると。
 障がい福祉課等は相談内容と対応結果につきまして整理をした上で、⑦、図の一番下でございますけれども、三重県障がい者差別解消支援協議会に相談内容と対応結果を報告することで、県、関係者間で相談事案について情報共有するという形の仕組みになっております。
 資料2ページのほうをごらんいただきたいと思います。
 4番目、職員対応要領ということで、障害者差別解消法の第10条で地方公共団体等職員対応要領というものを作成しております。それを踏まえて、任命権者(知事、各種委員会等)ごとに職員対応要領を作成しているというところでございます。
 参考に、代表的な職員対応要領ということで、別紙の2-4のほうに参考資料として職員の対応要領をつけてございます。資料2-4、17ページ以降に職員の対応要領の添付のほうをさせていただいております。
 あわせて、資料の説明になりますけれども、15ページに三重県障がい者差別解消支援協議会委員名簿の添付をさせていただいております。
 説明は以上でございます。

〇杉本委員長 それでは、ただいまの事務局からの説明に対し御質問等がありましたらなんですが、事務局からの説明ですので、詳細な質問にこの場で答えることは難しいですので、そのことを踏まえまして、御質問があればお願いいたします。

〇三谷委員 1ページの3番の相談対応のイメージのこの図なんですが、今、御説明をいただいたんですが、①として障がい者なり家族、支援者等から窓口のほうに相談があって、②として情報の共有をすると。それで、③で相談内容を行政機関なり事業者等のほうに伝達して、向こうの④で主張、言い分、解決策の提示があれば、それを今度、⑤で最初の障がい者のほうにお伝えする、そういうイメージになっていますが、事業者等々の主張、言い分、解決策の提示、この内容が適切であるとか、そういうことの判断というのはこの相談窓口ではしないわけ。そのまま、提示があれば、障がい者のほうにまた伝えるという、いわゆるメッセンジャーみたいな役割を果たすということなんですか。

〇長﨑法務監 一応、相談窓口のほうで、その関係する機関があれば、そこと相談しながら、それぞれのところに解決策を提示するという形になるかと思いますので、右から左でというものにはならないというふうには考えています。ちょっと詳細を確認しまして、またお答えさせていただきたいと思いますけど。

〇三谷委員 はい、済みません。

〇杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。

〇岡野委員 このイメージ図からなんですけども、相談窓口(障がい福祉課等)となっておりますけれども、この上の相談窓口は別々の場所なんですけれども、別段、どこかが責任を持ってではなくて、それぞれの場所、健康福祉部、教育委員会、それからセンターが独立して、こういった機構の中でやっているということなんでしょうか。どこかが責任を持ってその最終的な事案の解決とかというのではなくて、それぞれがという意味ですね、この相談窓口というのは。

〇長﨑法務監 一応確認させてもらって、また回答させていただきますけれども、基本的にはそれぞれの窓口で責任を持ってという形にはなっているかと思うんですけど、当然そこの部局で、その窓口で解決できない部分も多いかと思いますので、そこら辺は連携をしながら、それぞれ責任を持って対応しているというふうに考えておりますけれども、確認をさせていただきます。

〇杉本委員長 ほかに。

〇田中委員 私も、そこの相談窓口を3つ掲げてもらっているところはどう連携しているのかということが聞きたかったのと、それから、教育委員会というのがあるのは、特に、県教育委員会ですから県立学校向けなんですかね。その辺は、何で教育委員会だけ特出しなんや。任命権者が違うでかな。

〇長﨑法務監 教育委員会については、学校現場という形で、職員の対応要領も学校に合わせたものも追加で作成をしておりますので、なぜ教育委員会だけといいますと、即答は、済みません、また確認させていただいて、御回答させていただきます。
 以上です。

〇杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。

〇中森委員 相談内容の結果ですね、和解されたのか、まだ不服で何か裁判まで上がっているのかというデータがあればありがたいんですけど、そこは情報としてはありませんか。

〇長﨑法務監 ちょっと確認させていただきます。

〇杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。

〇山内委員 1点だけなんですけども、この相談対応のイメージは、障がい者並びに家族、支援者等という方が相談をするという形なんですけども、逆に合理的配慮を提供する側の方が、その合理的配慮の手法であったり、先ほど参考人からもあったんですけど、どこまで配慮すべきなのか、その相場的なことであったりとか、また、障がい、バリアが発生しないように、それを予防していこうとすると、どういった手法があるかとか、そういった相談というのもこちらの窓口でよろしいんでしょうか。また、そういった実績があるのかというところを、もしわかる範囲で教えていただければ。

〇長﨑法務監 ちょっと確認させていただきます。

〇杉本委員長 事務局なので、また来ていただいてお聞かせいただくところですので、確認をしていただいて、また御報告させていただくか、どこかの時点で来ていただくかということをまた正副委員長で検討させていただきたいと思いますが、ほかにありますか。

                    〔「なし」の声あり〕

〇杉本委員長 よろしいですか。
なければ、障がい者差別事案に関する三重県の相談体制等についての報告を終了いたします。
 御協議いただく事項は以上でございますが、ほかに何かございませんか。

              〔「なし」の声あり〕


〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
障がい者差別解消条例策定調査特別委員長
杉本 熊野
                             

 

           
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