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三重のふるさと

心豊かな里づくり研究会第1回研修会 要旨

~地域コミュニティづくりと地域資源を活用した交流方策を学ぶ研修会~

 

平成16年12月21日、 「地域コミュニティづくりと地域資源を活用した交流方策を学ぶ」をテーマとして、第1回研修会を開催しました。 前半は、県内でコミュニティづくりを実践されている、高橋幸照氏、前田洋氏、海山裕之氏にご協力いただき各30分事例紹介をしていただきました。後半は、コーディネーターに三重大学生物資源学部助教授木本凱夫氏を、パネリストに前半で発表していただいた 3名の方をお迎えし、パネルディスカッションを行いました。県内各地から地域づくりを実践されている方々を中心に約70名の方にご参加いただきました。研修会の要旨は次のとおりです。

パネリスト・コーディネーターのご紹介

コーディネーター

三重大学生物資源学部助教授
木本凱夫 氏

三重大学生物資源学部生物資源学部共生環境学科助教授として、「水計画学」「田園計画学」をご専門に、「農業用水の管理運営」や「グリーンツーリズム」などの研究を進められている。また、東海農政局むらづくり審査会の審査委員として、東海3県のむらづくり事例に精通されている。

パネリスト

水土里ネット立梅用水事務局長(勢和村)
高橋幸照 氏

減反等による農業離れの危機を前に、歴史ある立梅用水の価値を見直そうと考え、地域のボランティアの方々と水土里ネット立梅用水の協働により、農村の美しい景観づくりや生態系の保全策を検討。「あじさいいっぱい運動」や「農村のビオトープづくり」に取り組むほか、地域資源を活用した健康づくりや子ども教育、あじさいまつりやメダカまつりなどイベントを通じて、都市と農山村との交流にも取り組まれている。

羽根村づくり実行組合組合長(伊賀市)
前田洋 氏

関西市場で高評価を得る白鳳梨の産地である伊賀市羽根地区において、「羽根村づくり実行組合」組合長を務められている。実行組合では、農産物直売所「農村市場」をオープンし、地域ぐるみで地域の農産物を直売するほか、有機農場見学ツアーや収穫祭などの開催を通じて、都市と農村の交流に取り組まれている。

コミレスネットこらぼ屋代表(四日市市)
海山裕之氏

地産地消ネットワークみえ北勢支部の代表を務められるとともに、地域の人材と消費者をつなぐ場として、ワン・ディ・シェフシステムの「コミュニティレストランこらぼ屋」を運営するNPOコミレスネットの代表を務められている。また、循環者ファンド運営委員会事務局長として、地域通貨Jマネーを利用した遊休資源活用型のまちづくりを進められている。

1.事例発表のポイント

発表していただいた3名に共通している点は、①新しい視点で新しい取り組みを進められ、また、②その取り組みを確固たる信念のもと継続されている点にある。3名ともコミュニティ作りを進められているが、海山氏は、最終的には全国規模のネットワーク作りを目指されているように、より広い範囲で、食に関心のある方たちによるコミュニティづくりを進められており、高橋氏や前田氏が進められる地域コミュニティの再構築とは視点が異なる。 都市部では農村部のような地域コミュニティが構築されておらず、新たにコミュニティを構築されるにあたり、都市部のNPO ならではの有効な方策を構築されており、この方策を農村部が地域コミュニティを再構築するにあたって活用することは有意義なことではないかと思う。また、農村部の地域コミュニティは、食や環境をテーマとした都市側のコミュティと、相互に場を提供しあうことで、積極的に交流を進めていく必要があると思う。まだ、三重県内では農山漁村側と都市側が対等 ・相互な関係で交流している事例は少なく、今後、行政側から両者が協働できる機会を作っていく必要があると思う。

高橋幸照氏(水土里ネット立梅用水事務局長)

 

高橋氏は、兼業農家を中心とした農村地域で、非農家や子供も巻き込む形で、あじさいの植栽運動などを通じて用水や農地の保全活動を進め、結果として、地域において用水や農地に対する関心を呼び戻すことに成功された。取り組みの特徴としては、土地改良区としての既存の役割から一歩先に進み、非農家の方に農地や用水への 関心を呼び戻し、農家も非農家も一緒に、「農地」つまり「集落」を守っていくのだという雰囲気を作られたことにある。

前田洋氏(羽根村づくり実行組合組合長)

 

前田氏発表の全文はこちらをクリック

前田氏は、梨農家を中心とした農村地域で、非農家を含めて地域全体で村づくりを検討され、最初は、高齢者を中心として生産者サイドから取り組みを始められた。直売所の開設、環境保全型農業への取り組み、梨オーナー制度、イベントの開催など、次々に新しい取り組みを企画され継続され、農業生産を核とした農村地域の活性化に成功された。取り組みの特徴としては、常に新しい視点を求められ地域の非農家の若い世代からの意見も取り入れるとともに、同業者との連携に加えて、農業外の団体との連携も進められているところにある。

海山裕之氏(コミレスネットこらぼ屋代表)

 

海山氏発表の全文はこちらをクリック

海山氏は、市民の関係性が希薄になった都市部においてコミュニティづくりを進めるにあたり、遊休資源(商店街の空き店舗や主婦の調理能力)に着目され、食というテーマによるコミュニティづくりのため、ワンデイシェフ (日替わりシェフ)のコミュニティレストランのしくみを考案された。海山氏の取り組みの特徴としては、全く新しい発想による飲食店のしくみを、かつての経験を活かして考案され、最初はお一人で進められたしくみを、全国まで広げ ようとしておられるところにある。

2.パネルディスカッションのポイント

パネルディスカッションの全文はこちらをクリック

事例発表の補足事項

高橋氏 農村は変化して、荒廃するなど、農村の活力が低下している中で、維持管理だけしていていいのかと思います。これからは、広く地域社会に目を向けて、地域資源を有効に活用できる環境づくりに重要な役割があるのではないかと思います。
前田氏 伊賀地域には、青空市場が17店舗ありますが、地産地消の運動を展開しないと、発展しないと思います。この4月に、消費者団体を含めた地産地消の組織ができた。お互いに助け合い、立場を理解しながら、進めていく形をとらないと、地産地消は進められないと思っております。
海山氏 3年かけて継続できるシステムができあがった。人口のあるところだからできたということは決してない。 いろんなところでやっていただこうという気持ちでやってきた。まず、シンプルであること。どの地域でもあるようなものを使ってやろうということ。いろんなところにできることで、お店どうしの交流、都市部と農村部との交流が絶対に必要だと思います。

情報発信について

海山氏 こらぼ屋の場所を提供しますということを発信して、やってみようという生産者の方がいらっしゃれば、そこに人が集まってくるように仕掛けることがわれわれの役割だと思う。
前田氏 いろんな組織との連携が重要だと思う。

一番苦しかったこと、どう、克服したか

高橋氏 (やり方)を否定したりする方もいるわけですが、それを乗り越えていく。一度方針を決めれば、みなの大事な核となる部分(目標)をとにかくやりぬく。継続ということが大事。
前田氏 自治会を中心に立ち上げたが、非農家の方 にはなんで日曜の休みに当番をしなければならないのかという声がありました。出荷していない方については一時休んでいただき、環境が戻ったら入っていただくということで進めた。今、村おこしということで、企画の段階から組合員以外の方に入っていただいて、若い人からも意見をいただいて、成果を上げている。いろんな団体に呼びかけながら、 協力要請し、要請があれば出向くという関係を大事にしていきたい。
海山氏 シェフを集めることが大変だった。また、合意を形成する際に手を抜くと空中分解することがあるのでそのあたりで苦労した。

田舎では出る杭は打たれるということがあるが?

高橋氏 用水にあじさいを植えだした頃、管理の邪魔になるだろうと農家の方に指摘されました。土地改良区の仕事が位置づけられている中で、ボランティアとの協働による あじさいの植栽ということで、その価値観について手探り のところがありました。平成14年には土地改良法も改正され、環境との調和への配慮ということや、地域住民との調整という新しい役割が位置づけられ、そのようなことが大事な社会になってきたという時点で、あじさいも生きてきたと思いますし、ひとつの町づくりの大事な財産になりつつあるなと思います。
前田氏 事業を起こすために100%の協力いただくのを待っていると、一生できない。80%あれば御の字。あとの20%はなんとか理解してもらうよう努力する。
海山氏 オープンした当初は、NPO自体がわけのわからないやつと思われていた頃だった。商店街に対して、NPOであっても脅威になってはいけないということに気をつけた。

行政への注文

高橋氏 新しい発想のもとに事業が展開することについては、地域の人達が主体的に取り組んでいくことが基本スタイルだと思います。そういったことをよく聞いて 調整もして、水土里ネットが行政との連携を図 っていくという流れが大事だと思います。行政も理解していただいて、協働という観点を支援をしていただきたいなと思います。
前田氏 将来に向けて、リーダーをどのように養成するかということに力を入れていただきたいと思います。
海山氏 行政の方にも、NPOの現場を知っていただきたいなと思います。

その他

前田氏 いろいろ商品は簡単にできますが、それをいかに売り出すかということが重要です。売り出し方を考えれば特産にな ります。その地域にしかできないという付加価値をつけるのです。
海山氏 どこの飲食店でも、コミュニティ力で集客するという部分がかなりあります。
前田氏 物事を処理する中で、高齢者がほとんどなものですから、多彩な知恵がなかなか出てこない。パワーと新しい発想というのは違った年代からは良く出ます。
海山氏 次期リーダーというのは、組織の中で自然に発生してくるものではないかと思います。それを待つのがいいんじゃないかと思います。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 農林水産部 農山漁村づくり課 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁6階)
電話番号:059-224-2551 
ファクス番号:059-224-3153 
メールアドレス:nozukuri@pref.mie.lg.jp

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