三重県 食品の衛生管理指標
1.目的
「食品・添加物の規格基準」で定められた成分規格以外に、食品等事業者に対する衛生指導及び助言、並びに食品等事業者の自主衛生管理推進のための指標を設け、県内で製造、加工、流通する食品の衛生向上を図り、食の安全・安心を確保することを目的とする。
2.定義
(1)衛生管理指標
基本的な食品の衛生管理の指標
(2)目標値
より高度な自主衛生管理を目指すために推奨する値
3.対象品目
対象品目は、次に掲げるものとする(原材料及び中間製品には適用しない。)。
(1)調理ご飯
主食に具材等を混ぜ合わせて調理したもの(おにぎり、炊き込みご飯等)、又は主食と副食が接触した状態のもの(丼物等)を容器包装に詰め、そのまま喫食できるようにしたもの。
【例】おにぎり、炊き込みご飯、混ぜご飯、ちらしずし、いなりずし、巻きずし、 かつ丼、牛丼、親子丼、いかめし等
(2)調理パン
サラダ、ハム、カツ、コロッケ等の副食物をパンにはさみ込み、そのまま喫食できるようにしたもの。
【例】サンドイッチ、ハンバーガー、ホットドック、やきそばパン等
(3)生菓子
出来上がり直後において水分40%以上を含有する菓子類(ただし、餡、クリーム、ジャム、寒天若しくはこれに類似するものを用いたものにあっては、出来上がり直後において水分30%以上含むもの。)。
洋生菓子
【例】洋菓子類(ワッフル、アップルパイ、シュークリーム、ショートケーキ、パウンドケーキ等)、菓子パン類(アンパン、ジャムパン、クリームパン等)
和生菓子
【例】うぐいすもち、さくらもち、きんつば、どらやき、いなかまんじゅう、ようかん、くしだんご等
(4)そうざい
通常、副食物として供される食品であるもの(長期流通を目的とした佃煮、びん詰食品及びかん詰食品等を除く)。
なお、幕の内弁当類等で、副食と副食が接触しない状態で詰め合わせたものについては、個々の副食をそうざいとして扱う。
加熱
卵焼、フライ等の加熱処理をしたもの。
【例】煮物(煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、煮豆等)、焼物(串焼、網焼、ホイル焼、かば焼等)、いため物(野菜いため等)、揚物(空揚、天ぷら、フライ等)、蒸し物(しゅうまい、茶わん蒸し等)
未加熱
サラダ、生野菜等の未加熱処理のもの。
【例】あえ物(胡麻あえ、サラダ等)、酢の物(酢れんこん、たこの酢の物等)
(5)豆腐
豆乳に凝固剤を加えて凝固させ、成型したもの(包装後加熱殺菌したものを除く。)。
【例】もめん豆腐、きぬごし豆腐
(6)生食用鮮魚介類
さしみ、貝むき身(生食用かきを除く)、すし種等生のまま又は湯煮等で簡単に調理した後、そのまま喫食できるように調理加工されたもの。
(7)生食用かき
むき身かき
(8)漬物(浅漬(一夜漬ともいう))
通常、副食物として、そのまま摂食される既製食品であって、野菜、果実、きのこ、海藻等を主原料として、塩、しょう油、みそ、かす(酒かす、みりんかす)、こうじ、酢、ぬか(米ぬか、ふすま等)、からし、もろみ、その他の材料に漬け込んだもののうち、漬け込み後熟成させ、塩、アルコール、酸等により保存性をもたせたもの(但し、熟成後調味のための加熱工程のあるものを除く。)以外の保存性の乏しいもの。
(9)生めん類
生めん
小麦粉等の穀粉類を主原材料として製めん又は成形したもの及びこれらに準ずるもの。
【例】生うどん、生日本そば、生中華めん、生スパゲッティ、生マカロニ、ぎょうざの皮(ワンタン、春巻及びしゅうまいの皮を含む。)等
ゆでめん
生めんを蒸し又はゆでたもの。
【例】ゆでうどん、ゆで日本そば、ゆで中華めん、蒸し中華めん、ゆでスパゲッティ、ゆでマカロニ等
4.衛生管理指標
衛 生 管 理 指 標 |
目標値 | 備考 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
生菌数 ( /g) |
大腸菌群 | 大腸菌 | 黄色 ブドウ球菌 |
腸炎 ビブリオ |
サルモネラ 属菌 |
生菌数 ( /g) |
|||
調理ご飯 |
≦10万 |
(-) |
(-) |
|
(-) |
≦300 |
未加熱の具材が含まれている場合は、生菌数の衛生管理指標を≦100万、目標値を≦500とする。 | ||
調理パン |
≦10万 |
(-) |
(-) |
|
(-) |
≦400 |
未加熱の具材が含まれている場合は、生菌数の衛生管理指標を≦100万、目標値を≦500とする。 | ||
生菓子 | 洋菓子 |
注1 ≦10万 |
注1 (-) |
注1 (-) |
(-) |
≦300 |
発酵食品が含まれている場合は、生菌数及び目標値は適用しない。 | ||
和菓子 |
≦10万 |
(-) |
|
(-) |
|
|
≦300 |
発酵食品が含まれている場合は、生菌数及び目標値は適用しない。 | |
そうざい | 加熱 |
注2 ≦10万 |
注2 (-) |
注2 (-) |
(-) |
≦300 |
|||
未加熱 |
注2 ≦100万 |
(-) |
(-) |
(-) |
≦500 |
発酵食品が含まれている場合は、生菌数及び目標値は適用しない。 | |||
豆腐 |
≦10万 |
(-) |
≦300 |
||||||
生食用鮮魚介類 |
≦10万 |
(-) |
≦1100 |
腸炎ビブリオについては規格基準あり | |||||
生食用かき |
注3 ≦1万 |
注3 ≦100/100g |
生菌数、大腸菌、腸炎ビブリオについては規格基準あり |
||||||
漬物 | 浅漬 |
注4 (-) |
注4 (-) |
||||||
生めん類 | 生めん |
注5 ≦300万 |
注5 (-) |
注5 (-) |
|||||
ゆでめん |
注5 ≦10万 |
注5 (-) |
注5 (-) |
注1 洋生菓子の衛生規範を引用
注2 弁当及びそうざいの衛生規範を引用
注3 三重県 かきの取扱いに関する指導要領に基づく
注4 漬物の衛生規範を引用
注5 生めん類の衛生規範を引用
目標値は、平成18年度から21年度に三重県が実施した食品の検査成績で、上位25%の順位となる菌数を算出したものです。
「食品の衛生管理指標が定められました」(PDF:762KB)