県では、少子化対策の計画「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」にもとづき、結婚・妊娠・子育てなどの希望がかない、すべての子どもが豊かに育つことのできる三重をめざして、さまざまな取組を進めています。
今回、内閣府の地域少子化対策重点推進交付金を活用して、県内14の高等教育機関で学ぶすべての学生約1.6万人、18歳から39歳の住民約3万人、県内で働く18歳以上の従業員約3万人及び県内の事業所3,000社を対象に、結婚や出産、子育て、仕事との両立に関する意識調査を大規模に実施しましたので、その結果をお知らせします。
1 調査結果の概要
(1)結婚についての意識や取組
・住民の約8割は「いずれ結婚するつもり」と回答。
・住民の理想の結婚年齢は平均で男性が29.3歳、女性は27.4歳で、平成28年の平均初婚年齢
(男性30.7歳、女性28.8歳)と比べると男女とも1.4歳の差がある。なお、大学生の理想の
結婚年齢は男子学生が27.0歳、女子学生は26.1歳である。
・未婚の理由は「出会いがない」が最も多い。うち30歳代未婚者の43.8%は婚活を一度もした
ことがなく、「自然な出会いを待ちたい」や「何をすればよいかわからない」とする住民が多い。
・結婚したことによる仕事上の変化は、男性従業員は「やりがいを感じる」や「精神的な余裕が
生まれた」、「業務効率を重視するようになった」、女性従業員は「仕事を制限しなければ
ならなかった」、「業務効率を重視するようになった」が多い。
・従業員、事業所のいずれも多くが職場による結婚支援を望ましいと考えているが、従業員の
プライバシー侵害への懸念や何をしていいのか分からないことから、取り組んでいない事業所が
多い。
(2)理想の子どもの数(希望出生率)
・大学生や未婚の住民の理想の子どもの数の平均はおよそ2人。
・結婚経験がある住民の理想の子どもの数の平均は2.37人で、現在の数(1.49人)とは0.88人の
差がある。
・希望出生率(試算)は県全体で1.84。市町毎ではおよそ1.7から2.1。
(3)仕事(就職)と家庭、男性の育児参画
・女子学生の4人に3人は共働き(家事は分担)が理想と考え、家庭と仕事の両立に向けて、
男性の積極的な育児参画など、夫婦が家事育児に協力することが重要と考えられている。
・女性が働くことについて、男子学生は『中断型』(子どもができたら仕事をやめ、大きく
なったら再び働く方がよい)が多いが、女子学生は『中断型』と『継続型』(子どもが
できても、ずっと働き続ける方がよい)がほぼ同じ割合。男性従業員は『中断型』が多く、
女性従業員は『継続型』が多いが、両立しやすい環境であれば男女とも『継続型』の割合が
高くなる。
・大学生が就職で重視するのは「給料」や「やりがい」よりも「働きやすさ」。
・従業員は、第1子が生まれると職場への帰属意識が高まる。
(4)妊娠、出産に関する医学的情報の認知度
・「不妊の原因の約半数は男性にもある」ことなどはまだ広く知られていないが、大学生、
住民、従業員のいずれも約7割が、妊娠、出産に関する医学的な情報を知ることは将来
設計や行動に変化があると考えている。
2 調査の概要
(1)大学生調査(結婚・出産・子育て、仕事に関するアンケート)
・調査対象 県内14の高等教育機関で学ぶすべての学部及び学部相当学生16,156人
・調査期間 平成29年6月21日から平成29年7月21日
(一部は平成29年9月22日から平成29年10月16日)
・有効回答数 10,723通(有効回答率 66.4%)
・調査委託機関 高等教育コンソーシアムみえ
(2)住民調査(結婚や妊娠・出産、子育てに関する県民意識調査)
・調査対象 平成29年6月2日現在で県内各市町の選挙人名簿に記載のある18歳から39歳の
県民30,552人(無作為抽出)
・調査期間 平成29年7月24日から平成29年8月18日
・有効回答数 8,644通(有効回答率 28.3%)
・調査委託機関 株式会社百五総合研究所
(3)労使調査(みえの労使協働による仕事と結婚・子育て等の両立促進に関する調査)
ア 従業員調査(仕事と結婚・妊娠・出産・子育ての両立促進に関する労使意識調査)
・調査対象 県内の事業所に勤務する18歳以上の従業員30,298人
・調査期間:平成29年6月20日から平成29年7月24日
・有効回答数:22,186通(有効回答率:73.2%)
・調査委託機関:三重労使雇用支援機構(連合三重、三重県経営者協会)
イ 事業所調査(企業や事業所における仕事と結婚・妊娠・出産・子育ての両立促進に関する意識調査)
・調査対象 県内に事業所を置く3,000社
・調査期間 平成29年6月14日から平成29年7月10日
・有効回答数 1,482通(有効回答率:49.4%)
・調査委託機関 三重労使雇用支援機構(三重県経営者協会、連合三重)
3 今後の取組
結婚や出産などについては、個人の考え方や価値観が尊重されることが大前提で、誰かに強制されるものではないことなどを十分にふまえ、「出逢いたい」、「産みたい」、「育てたい」の希望がかない、子どもたちの笑顔や子育ての喜びがあふれる地域社会づくりに向けて、市町や企業、団体等との協創をより重視し、ライフステージ毎に切れ目のない対策を継続・強化していきます。