江上元一さん(防災の星第3回)
このコーナーは、これから地域の防災活動に貢献していこうとお考えの方に、すでにご活躍されている方を紹介しようというものです。
3回目は、第1回でご紹介した伊藤正富さんからのご推薦で江上元一さんをご紹介します。
まず、防災ボランティアTADOのことを教えてください。
平成16年の4月に8人で発足しました。
最初は、個人レベルで防災に関心があって、防災関連の講演会などで顔見知りになったり、地区が同じで元々面識があった方々を中心に、自分たちでも何か始めようということで結成しました。
伊藤正富さんもメンバーだそうですね?
初代会長が私で、現在の会長が伊藤さんです。
伊藤さんは勉強熱心な人なので、適任と思い交代しました。
伊藤さんからは、江上さんのことを「実践派」とうかがったのですが?
被災地へは何回かボランティアとして入ってますので、そう言われたのだと思います。
具体的にはどこに行かれたのですか?
平成16年の水害で海山町(現在の紀北町)相賀に2回行ったのが最初で、その年には兵庫県の淡路市にも行きました。
昨年は、能登半島沖地震で輪島市門前町に、新潟県中越沖地震では柏崎市に行きました。
どのようなボランティアをなさられたのですか?
基本的に、相手から望まれることをしています。
例えば、海山町の水害では住宅軒下の泥出しや家具の運び出しをしましたし、淡路ではボランティアのコーディネートをやりました。
コーディネートというと?
全国から集まってくるボランティアの業務を割り振ったり、調整する業務です。
実は私も県の第4期の防災ボランティアコーディネーター養成講座の受講生でしたので、頭の中ではコーディネート業務がどういったものかはわかってたのですが、この時初めて実践することができました。
実践してみてどうでしたか?
人の役に立つことの歓びというか、充実感がありますね。
奇特な方ですね。
私は、元来こういうことが好きだと思っていますが、ボランティアで参加された方は帰りのバスの中でも口々にそうした話をされています。
やって気づくことがあるのだと思います。
災害ボランティアを始めるきっかけは何だったのですか?
伊勢湾台風の時、この地域でも様々な支援を受けたわけです。
その時の恩をお返ししたいという思いをずっと持っていたことが原点だと思います。
それからボランティアの勉強をされて、いよいよ平成16年から活動を始められたと・・
本当は、ナホトカ号の重油流出の時に知人と福井へ行くことになっていたんです。
でも、私が所用で行けなくなって知人だけ行くことになり、そのことがずっと心に引っかりましてね、後の防災ボランティアコーディネーター養成講座の受講へとつながっていったんです。
話を防災ボランティアTADOに戻しますが、どのような活動を展開されているのですか?
月1回の定例会で勉強会やイベントへの計画策定・確認等を行っています。それと、外部の研修会には積極的に参加して研鑚もしています。
あとは、年1回の文化祭のイベントなどで炊き出し訓練などをやったり、行政が行う9月の防災訓練のサポートとか、小学校の総合学習や中学校で講演などを引き受けたりしています。
防災ボランティアTADO会員募集(PDF:68KB)
現在、何名ほどで活動されていらっしゃるのですか?
13名です。率直に言えば、会員数は加速度的に増えると思っていたのですがそうはなりませんね。
ただ、今の13名は一生懸命やっていますので、無理な規模拡大は目指さない方がいいように思います。
組織としての課題は何かありませんか?
少しメンバーの住む地域が偏っているとは思いますが、いかに気の合う方を見つけるかだと思います。
最後に、何かメッセージをいただければ
ボランティアの話に戻りますが、被災地でそうした活動をしていると、日本もまだ捨てたものではないと感じます。
それと、私はできる限り誰かを誘ってボランティアに行くようにしています。
なぜかというと、連れていった人が必ず喜んでくれるからです。それがまた私の喜びにもなっています。
江上さんのチラシ(PDF:82KB)
防災ボランティアコーディネーター養成講座とは
ボランティアが被災地のニーズを把握できないと有効な支援活動ができないことから、ボランティアの善意を活かすためのコーディネート(調整)する技術を学ぶための講座のことです。