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保環研年報 第13号(2011)

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 三重県保健環境研究所年報 第13号(通巻第56号)(2011)を発行しましたのでその概要をご紹介します。

 

 各研究報告(原著、ノートおよび資料)の全文(PDF形式)をご希望の方は、こちらからダウンロードできます。

 

 

 


 

研究報告

 原 著

2011rep1 VNTR法を用いた結核菌の分子疫学解析(2007-2009)

   永井佑樹,岩出義人,中野 学,坂井 隆,田沼正路,片山正彦

   キーワード:結核菌(Mycobacterium tuberculosis),遺伝子型別,VNTR

 三重県内で分離された結核菌145株を対象にJATA12-VNTR解析を実施した.その結果12のVNTRクラスターが確認されクラスター形成率は21.7%であった.また県内分離株の69.0%が北京型に分類され,北京型,非北京型のクラスター形成率はそれぞれ28.3%,7.1%となった.各領域ごとに多様性を比較したところ,分離株全体ではQUB15が最も低く,北京型ではMtub 21,QUB3336での多様性が低い結果となった.
今回実施したJATA12-VNTR解析は,各領域ともコピー数の判定がしやすく,データベース化へ向けた共通領域として有用であると考えられる.ただし北京型株での集団感染など,高い識別能を要する場合には,これらの領域に加え,さらに追加領域が必要となる.どの領域を追加するかについては今後の研究課題であるが,各領域の多様性は地域により異なるため,今後も県内分離株でのVNTRデータを蓄積し,地域に応じたVNTR領域を選択していくことにより,VNTR解析がより強力な分子疫学ツールになるもの思われる.

 

 ノート

2011rep2 過去10シーズンの入所施設等におけるインフルエンザ様疾患発生動向調査と
       インフルエンザワクチンの有効性

   福田美和,高橋裕明,山内昭則

   キーワード:インフルエンザワクチン,接種率,有効性,入所施設

 県内の集団入所福祉施設および医療機関の入所者を対象に実施されているインフルエンザ様疾患発生動向調査結果を基に,1999/2000~2008/2009シーズンのインフルエンザ様疾患の発生状況およびインフルエンザワクチン接種状況等を解析したところ,以下のとおりであった.
 (1) 対象施設におけるインフルエンザワクチン接種率は,1999/2000シーズンは60.4%であったが,2001年の予防接種法改正後は年々上昇し,2008/2009シーズンは89.7%と10シーズンで29.3ポイント上昇した.
 (2) 対象施設におけるインフルエンザ様疾患の発病率は施設の種類により大きく異なることが確認され,施設規模が比較的小さく,平均年齢の低い児童福祉施設で発病率5%以上となるリスクについて,インフルエンザワクチン接種率50%未満の施設と同接種率50~74.9%の施設で比較したところ有意差は認められなかったが,同接種率75%以上の施設では有意に低くなった(RR=0.63,95%CI:0.50-0.80,p=0.0003).
 (3) 児童福祉施設におけるインフルエンザ様疾患の発病率は,インフルエンザワクチン接種率の高い施設ほど低くなる傾向がみられ,集団免疫の有効性が改めて確認できた.入所施設においては引き続き高いワクチン接種率を維持していくことがインフルエンザの流行拡大防止策として重要と考えられた.

2011rep3 農作物中残留農薬一斉分析法の検討

   大垣有紀,林 克弘,川合啓之,志村恭子

   キーワード:残留農薬,一斉分析法,農薬混合標準溶液

 GC/MS(対象農薬92種)およびLC/MS/MS(対象農薬60種) を用いて農薬150種の一斉分析法について検討した.抽出にアセトン・酢酸エチル・n-ヘキサン混合溶媒を用いる独自法で,代表的な5農産物を用いて添加回収実験を行ったところ,GC/MS測定では,92農薬中79農薬で70%以上の良好な回収率であった.LC/MS/MS測定では,60農薬中38農薬が回収率50%以上で,スクリーニング検査に適用可能と判断され,合計117農薬の一斉分析が可能となった.また,イオン化抑制の影響を受けやすいオレンジサンプルを用いて,希釈によるLC/MS/MS測定でのイオン化抑制の軽減を検討したところ,回収率が改善する傾向が見られた.

2011rep4 浮遊粒子状物質に含まれる多環芳香族炭化水素類について(4)

   佐来栄治,小山善丸,西山 亨,吉岡 理

   キーワード:浮遊粒子状物質,多環芳香族炭化水素類,粒径別実態調査,パーソナルカスケード,
          インパクト(PCI)サンプラー

  浮遊粒子状物質に含まれる多環芳香族炭化水素類(PAHs)について,三重県北勢地域の3地点(納屋,桑名,桜)において2008年8月から2011年3月にかけてパーソナルカスケードインパクト(PCI)サンプラーを用いて粒径別実態調査を行った.
 実態調査の結果,フィルターに捕集されたPAHsの濃度については,粒径別では各地点とも納屋,桑名,桜とも2.5μm以下 > 2.5μm~10μm > 10μm以上の順に高く,地点別では,各粒径とも納屋>桑名>桜の順に高かった.また,各地点とも秋期から春期にかけて高く,春期から秋期にかけて低いという季節変化が見られた.粒子濃度についても,PAHsの濃度と同様に納屋,桑名,桜とも2.5μm以下 > 2.5μm~10μm > 10μm以上の粒径の順に粒子濃度が高い傾向を示した.また,粒子濃度は,僅かであるが桑名,納屋において調査開始時期よりも減少傾向を示した.

2011rep5   環境汚染物質測定技術の改良に関する研究(第2報)

        -大気ばい煙発生施設等の有害物質分析-

   西山 亨,寺本佳宏,棚瀬敦史,小山善丸,吉岡 理

   キーワード:イオンクロマトグラフ,ふっ素化合物,塩化水素,硫黄酸化物

 当研究所ではこれまでに,ばい煙発生施設から採取した排ガスを分析するために,イオンクロマトグラフを用いる方法を開発し,排ガス中のふっ素化合物,塩化水素および硫黄酸化物を分析して,公定法である吸光光度法および滴定法と比較した.その結果,イオンクロマトグラフ法は,妨害物質等による影響もなく,また,標準品の添加回収試験での回収率は100~110%と良好であったことから,特に問題なく実試料に適用できることが確かめられた.

 

 資 料

2011rep6 2010年感染症発生動向調査結果

   赤地重宏,矢野拓弥,楠原 一,大久保和洋,永井佑樹,岩出義人,田沼正路

   キーワード:感染症発生動向調査,病原体検査定点,インフルエンザウイルス

 2010年1月1日~12月31日までに県内の病原体検査定点医療機関から検査依頼のあった患者数は458人であった.疾患別の内訳は,感染性胃腸炎114人,インフルエンザ様疾患67人,リケッチア感染症50人,手足口病30人,不明発疹症26人の順に多かった.
 これらのうち,284人(62%)から病原体が分離・検出された.主な分離・検出病原体はノロウイルスGⅡ(NVGⅡ),サポウイルス,インフルエンザウイルスA/H1N1pdm(AH1pdm)型,インフルエンザウイルスB型,インフルエンザウイルスAH3(AH3)型,ヒューマン・<^ニューモウイルス(hmpV),日本紅斑熱リケッチアであった.

2011rep7 2010年度感染症流行予測調査結果(日本脳炎,インフルエンザ,風しん,麻しん)の概要

   矢野拓弥,楠原 一,赤地重宏,岩出義人,田沼正路

   キーワード:感染症流行予測調査,日本脳炎,インフルエンザ,風しん,麻しん

 感染症流行予測調査では,人の抗体調査による免疫保有状況について年齢等の別により分布を知る感受性調査と,病原体の潜伏状況および潜在流行を知る感染源調査を実施している.2010年度に実施した調査結果の概要は次のとおりである.
(1)日本脳炎感染源調査については三重県中部地域で飼育された豚の日本脳炎ウイルス (JEV)に対する赤血球凝集抑制(Hemagglutination inhibition:HI)抗体保有の有無を調査した.IgM抗体の指標となる2-Mercaptoethanol(2-ME)感受性抗体は2010年8月30日に1頭で認められた.
(2)ヒトの日本脳炎感受性調査での中和抗体保有率は291人中168人(57.7%)であった.
(3)動物のインフルエンザウイルスの侵入を監視する体制強化の一環として,豚100頭を調査したがインフルエンザウイルスは分離されなかった.
(4)ヒトのインフルエンザウイルスの流行動態および規模に最も影響を及ぼす乳児から学童期の年齢層の流行期前のHI抗体保有率(40倍以上)は A/California/7/2009(H1N1pdm)は0-4歳15.8%,5-9歳50%,A/Victoria/210/2009(H3N2)は0-4歳17.1%,5-9歳58.3%であった.B型インフルエンザウイルスに対しては,B/Brisbane/60/2008 (ビクトリア系統)は0-4歳7.9%,5-9歳16.7%であり,B/Florida /4/2006(山形系統)は0-4歳1.3%,5-9歳8.3 %であった.
(5)風しん感受性調査での全年齢層におけるHI抗体保有率は89.3%(男性:85.7%,女性:91.9%)であった.
(6)麻しん感受性調査での全年齢層におけるPA(Particle Agglutination Test)抗体保有率は93.8%であった.

2011rep8 2010年度の先天性代謝異常等検査の概要

   大久保和洋,楠原 一,片山正彦

   キーワード:先天性代謝異常等検査,先天性副腎過形成症,先天性甲状腺機能低下症

 三重県における先天性代謝異常等検査事業は三重県先天性代謝異常等検査実施要綱に基づき,アミノ酸代謝異常症3疾患,ガラクトース血症,先天性副腎過形成症および甲状腺機能低下症の6疾患を対象に実施している.2010年度は県内の新生児のうち保護者が希望した16,920件について検査を実施した.そのうち疑陽性と判定し再採血を依頼した検体は計504件であり,精密検査を依頼した検体は先天性副腎過形成症22件と先天性甲状腺機能低下症9件の計31件であった.また確定患者数は、先天性甲状腺機能低下症の8人であった.

2011rep9 三重県における2010年度環境放射能調査結果

   吉村英基,森 康則,澤田陽子,前田 明,志村恭子

   キーワード:環境放射能,核種分析,全ベータ放射能,空間放射線量率

 文部科学省からの委託を受け2010年度に実施した三重県における,降水中の全ベータ放射能測定,降下物,大気浮遊じん,淡水,土壌,蛇口水および各種食品試料のガンマ線放出核種(Cs-137,I-131,K-40)分析,ならびに空間放射線量率測定を行った.
 降水中の全ベータ放射能,モニタリングポストを用いた空間放射線量率の連続測定およびサーベイメータを用いた月1回の空間放射線量率の測定結果では,異常は認められなかった.核種分析においては,東日本大震災後に採取した3月分の降下物試料でI-131が微量検出されたが,その他の試料では過去の検出状況および全国の調査結果と比較して特に問題が認められるものはなかった.

2011rep10 GISを利用した土壌汚染関連データベースの構築

   新家淳治,棚瀬敦史,秋永克三

   キーワード:土壌汚染,データベース,GIS

 土壌汚染対策法(2003年2月施行)において,土壌汚染(指定基準不適合)の原因が自然由来か人為由来かの判断は行政に委ねられている.この判断結果によって,土壌汚染事案のその後の取り扱い方が大きく異なってくる.このため,科学的判断根拠の確立は行政や土地所有者等にとっては非常に重要である.今回,行政から判断の根拠確立のための支援要請がなされたため,まず,県内の土壌汚染等に関する専門家の存在調査および情報聴取(対象:大学,短大,高専,教育委員会および博物館)を実施し,県内図書館の土壌汚染関連蔵書の調査,行政等が所有する土壌・地下水関連情報(水質汚濁防止法上の有害物質使用特定事業場情報を含む)を収集・整理した.次いで,得られた情報を,三重県簡易型GISソフトウェア(M-GIS)を利用して1kmメッシュ空間コンテンツの属性情報としてデータベース化し,イントラネットで共有する仕組みを構築した.

 

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