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令和05年05月18日

まちかど博物館体験レポートvol.14~うらら花~
2023.5.18公開


 今回ご紹介するのは、令和5年に「松阪紀勢界隈まちかど博物館」に仲間入りした「うらら花(か)」です。



<目次> 
開館について
多彩な花の作品
 1)生花(いけばな)
 2)美しさが長続きするお花の種類
 3)花を用いた様々な表現方法
「うらら花」展にて

館の概要


 

開館について


 館長の西村綾子さんは、華道歴30年、「華道教授」「プリザーブドフラワー講師」「フラワーバルーン認定講師」など、様々な「花」の資格を持ち、あらゆる「花」を作品にする華道家(フラワーアーティスト)です。
 
 松阪市内で教室を開いています。また、オーダーに応じた作品販売、イベントでの実演、ワークショップ講師、出張販売など、花の作品で多彩に活動してきました。東京日比谷や名古屋など、全国で展示開催の実績があります。2022年12月には、女優、ジャズ奏者として活躍する秋元奈緒美さんのディナーショーのステージ装飾を担当しました。ショービジネスの世界からも声がかかります。
 
 そんな館長さんが、より多くの人に、様々に広がる花の世界を知ってもらおうと、「まちかど博物館」に加入しました。教室を受講しなくても、気軽に作品を見学し、作品づくりを体験することができます。


 
(左)館長の西村綾子さん。
(右)生徒さんが作品を作る教室兼アトリエ。まちかど博物館の体験もできます。


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多彩な花の作品


1)生花(いけばな)

 館長さんが最初に花に触れたのが、伝統的な華道です。もう30年も続けていて、2023年4月現在、「華道教授」の資格まで得ています。最初はいわゆる「花嫁修業」で始めたものでしたが、花を使って空間を表現する芸術に強く惹かれ、「たしなみ」を超えて専門家として追求してきました。
 
 その後、花を使った様々な表現方法に進出していきますが、華道は現在も主要な活動の一つです。生きている花を使うので、鑑賞できる期間が短く手間がかかりますが、教室のある自宅の床の間には常に季節の花を生け、イベントでもいけばなを飾るスペースを設けます。
 
 館長さんのお話です。
 
決まりの少ない自由ないけばなもありますが、基本的に華道ではルールが定められています。決まりに則って生けた花が、床の間に飾られます。床の間は、お客様へのおもてなしをする部屋にあります。精一杯のおもてなしをさせていただく上で、お花を生ける際のルールが生まれました。多くの人の経験を伝統として積み上げたものには、合理的な理由があります。そのことへの『気づき』を積み重ねると、お花の腕が上がります。華道で培った『気づき』は、他のジャンルの作品でも活かされています。
 

 
教室兼自宅に生けられているお花です。

 

 
松坂城跡にある桜松閣(おうしょうかく)で「うらら花」展を開催した際のいけばなです。1枚目2枚目そして4枚目左側のお花が自由ないけばなで、3枚目と4枚目右側のお花がルールに則って生けたものです。単体の美しさとは別に、下の作品の方がより床の間の空間にマッチしているように感じました。

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2)美しさが長続きするお花の種類

 館長さんは、生花以外に、いつまでも美しさを保つことができるお花も使用して、作品にしています。
 
・アーティフィシャルフラワー(いわゆる造花)
・プリザーブドフラワー(本物の花を枯れないよう加工したもの)
・ソープフラワー(花の形をした石鹸)
・ドライフラワー(本物の花を乾燥させたもの)
・フラワーキャンドル(花の形をしたアロマキャンドル)
など
 
 館長さんは、伝統の中で培われてきた、生きているお花の移ろいゆく刹那の美も大事にしていますが、美しさが半永久的に続くことも素晴らしいと言います。そして、忙しい人の多い現代に、気軽に花の美しさの表現に触れられるよう、保存できて扱いやすい素材を使うことに意味があると考えています。
 
 作品の依頼者さんや、習いに来る生徒さんのニーズを聞き、どの種類のお花がいいか、じっくり話し合って素材を決めていきます。まちかど博物館として訪問し、体験を希望する人にも、事前に希望を聞くことにしています。


 
ブーケの美しさを思い出とともに残せます。左は娘さんの結婚式で使われた館長さんの作品です。

 
左はキャンドルを薄く伸ばして花弁の形にした作品です。右は蓮の花RENKAです。

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3)花を用いた様々な表現方法

 館長さんは、長年続けている伝統的な華道の師範資格に加え、花の表現を広める各種団体の講師資格を取得しています。
 
・ブリザーブドフラワー講師
・アロマワックスデザインコース認定講師
・デザイナーズハーバリウム認定講師
・フラワーバルーン認定講師
など
 
 たとえば、「ハーバリウム」は、直訳すると「植物標本」となる語で、ガラス容器の中にオイルを満たして花をデザインする技法です。また、「フラワーバルーン」とは、風船の中に花を飾る技法のことです。
 
 さらに、館長さんのオリジナルアイデアでも花を表現します。筒状の容器を「松阪木綿」で飾り、花を挿せるようにした作品や、「志摩産の真珠」をあしらった作品など、地域の名産品を振興することも強く意識しています。
 
 こういった様々な技法が、教室で学べる多彩なメニューになるとともに、まちかど博物館の展示品として館内を彩ります。館長さんの作品のバリエーションは、ここではご紹介しきれないほど多くありますので、ぜひ実際にご覧になり、作品づくりを体験してみてください。


 
松阪木綿の中に花を挿します。真珠もあしらってあります。筒の中に消毒剤のスプレーが入っていて、使わないときにかぶせる作品もあります。アルコール容器が置いてある現在の状況に彩りを加えます。

 
ガラス容器の中にオイルを満たして花を飾るハーバリウムの技法です。こちらも消毒剤のポンプを飾っています。花手水(はなちょうず)型に密閉しない方法もあります。

 
風船の中に花を飾るフラワーバルーンの技法です。生花も可能ですが、長くしぼまない特殊な風船で、一度作ったらずっと飾っておける花を入れられます。お祝い等のメッセージを書くこともできます。

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「うらら花」展にて


 各地で展示活動も行っている館長さんですが、2023年3月に「うらら花」として初の展覧会を、松坂城跡にある「桜松閣」で開催しました。
 
 本居宣長記念館すぐそばに素晴らしい建物があることがあまり有名ではないと感じ、一人でも多くの人に存在を知ってもらおうと、会場に選びました。普段は入場有料の場所を無料開放しての開催でした。自身の活動を通じ、花以外にも様々な文化を普及したいという思いが、館長さんには常にあります。
 
 国登録有形文化財となっている建物の中に、館長さんと、教室で講師資格を取得した二人の生徒さんの作品が展示されました。


 

 


 野地利江さんは、同僚の結婚式でブーケを贈りたいと教室に来たのがきっかけになり、ハーバリウムやプリザーブドフラワーの資格を連続で取得しました。今はいけばなに挑戦中です。いろんな方法を学ぶと、前に学んだことがさらに活きてくると言います。館長さんの教え方が楽しくて、「また来よう、また次も来よう」と、どんどん進んでいくことになりました。空間をどんな風に花で埋めるかを考えることに楽しみを感じています。
 
 中林雅子さんはアロマワックスの講師資格者です。最初はアレンジフラワーを習いに教室に来ましたが、アロマワックスをはじめたら面白くて、そちらに集中することになりました。野地さんとは別の形で、メニューの豊富さが活きています。ご自身の性格として、大きな空間で花の配置を考えるより、とにかく細かい作業をするのが楽しいということでした。
 
 個性が対照的なお二人ですが、同じ教室で楽しく学ぶことができるのが「うらら花」です。

 


 館長さんは、その人その人の個性を活かすことが大事だと考えています。そのため、教室でほとんど見本を作りません。生徒さんが見本を真似してしまうからです。その人らしい作品を自由に作ってもらうことを心掛けています。


 館長さんのお話です。
 
きれいな花を嫌いな人はなかなかいないと思いますが、さらに花というのは、人生の節目にやってくる嬉しいことや悲しいことに、いつも添えられる存在でもあります。人生と切っても切れないものです。花があることで、癒しになったり、人が笑顔になったりします。そんな花の世界を伝えたいと思って、活動しています。
 
 花は見るだけでも楽しいですが、自分で作品にしてみると、さらにその人の世界観が広がります。花を通じて人とつながり、自分自身を見つめることができます。そんな場を提供する『うらら花』のことを、私は『コミュニティ教室』と呼んでいます。


 花から広がる世界を、ぜひ皆様も一度ご体験ください。
 
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館の概要


うらら花
 
松阪市久保町890
近鉄山田線「東松阪駅」徒歩19分
JR紀勢本線「徳和駅」徒歩19分
松阪駅発バス停「パークタウン学園前」徒歩7分
駐車場 10台
 
要予約
開館時間 金曜日・土曜日 10:00~12:00、13:30~16:00
(それ以外をご希望の場合は予約時にご相談ください。)
 
電話 090-4251-1833
   0598-29-3663
E-mail ayako.nishimuramade@gmail.com
 
入場無料
体験あり(いけばな、フラワーアレンジメントなど、お花体験全般)
※体験は実費が必要です。ご希望内容によって費用が変わりますので、予約時にご相談ください
 
同館の公式サイトはこちらから
県HPでのご紹介はこちらから




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本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

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