令和07年07月01日
夏休みにおける少年の非行・犯罪被害防止と有害環境の浄化

夏休みは、学校以外で様々な体験ができる機会ですが、一方、学校や勉強から解放されて、子どもたちの気も緩みがちになり、夜遅くまで出歩いたり、お酒やたばこに手を出したりするなど、非行の兆しが出やすい時期でもあります。
加えて、夜遅くまで出歩くことで、犯罪被害に遭う危険も高くなります。
また、近年はスマートフォンやSNSをはじめとする様々な機器・サービスが普及し、子どもを取り巻くインターネット環境が大きく変化しています。
こうした中、SNSの利用をきっかけに、児童買春や児童ポルノ、誘拐事件の被害に遭ったり、特殊詐欺や強盗等を募集する情報に安易に応募し、犯罪に加担させられるおそれがあります。
危険が潜む子どものインターネット利用
インターネット上には、役立つ情報がたくさんある一方で、暴力的な表現やアダルト画像といった、子どもに悪影響を及ぼす有害な情報も数多く存在します。
また、メールやインターネット掲示板、SNS等のコミュニティサイトについても、利用方法を誤ると自分が気づかないうちに見知らぬ人に個人情報を知られてしまうなど、様々なトラブルが生じる危険があります。
子どもを守るために
フィルタリングを上手に活用しましょう
スマートフォン等を利用する際には、有害情報へのアクセスを制限する「フィルタリング」を活用しましょう。なお、携帯電話事業者は、18歳未満の子どもが利用する場合、フィルタリングサービスについての説明や設定を行っています。
子どもの年齢や使い方によりレベル設定ができ、利用したいサイト、SNS等の個別設定もできますので、上手に使って子どもの安全を守りましょう。
ペアレンタルコントロール(※)機能を活用しましょう
保護者が、子どものスマートフォン等の利用状況(アクセス履歴や利用時間等)を把握したり、安全管理(利用時間の管理や課金制限等)を行ったりする仕組みで、OS事業者、アプリ開発事業者からサービスが提供されています。子どものプライバシーに配慮しつつ、発達段階に応じて上手に活用しましょう。
※ 保護者が子どものライフサイクルを見通して、その発達段階に応じてインターネット利用を適切に管理することをいう。
家庭で親子のルールづくりをしましょう
ルールづくりは、子どもと一緒になって話し合うことが大事です。また、そのルールは成長と共に少しずつ変えていくことが必要です。
STOP!子どもの性被害
子どもを性被害から守るのは、保護者を含めた大人の責任です。
子どもたち一人一人が健やかに成長できる社会を作りましょう。
画像、動画投稿サイトによる被害
児童ポルノ被害が、高水準で推移しており、被害に遭う子どもが増加傾向にあります。具体的には、子どもがSNSを通じて知り合った面識のない者に脅されたり、言葉巧みにだまされたりして、自分の裸体を撮影した上、メール等で送信させられる被害に遭っています。画像は一度流出すると回収が困難です。
「他人に個人情報を流さない」「下着姿や裸の写真は撮らない、送らない」ことを約束させましょう。

非行や犯罪被害の危険が多い「深夜はいかい」
夜遅くの外出には危険がたくさんあります。恐喝や暴行、性犯罪等の被害に遭う危険性があるほか、喫煙、飲酒等の不良行為をするきっかけとなる誘惑も潜んでいます。
家庭でも、夜遅くに子どもだけで外出しないことや、門限等の約束ごとを子どもと一緒に決めましょう。
深夜はいかいをする子どもの中には、「家の中に自分の居場所がない」と感じていることも少なくありません。
遅くまで帰らない子どもを頭ごなしに叱るのではなく、子どもにとって家庭が安らぎを感じられる居場所であるかどうかを考え、家族で話し合ってみましょう。
また、少年犯罪の多くは万引きや自転車盗の初発型非行と呼ばれるものが多くを占め、これら犯罪をきっかけに大きな犯罪へと発展するおそれがあります。
絶対に犯罪を行ったり、加担したりしてはならないことを、子どもにしっかり約束させましょう。
アルバイト感覚で犯罪に加担しないために
最近では、SNSやインターネットの掲示板などで、仕事内容を明らかにせず高額な報酬を謳い、強盗や特殊詐欺などの実行犯を募集するといった「闇バイト」、「裏バイト」等と呼ばれる投稿が確認されています。
アルバイトのような感覚で、軽い気持ちでこれらに応募した少年が、実際に強盗や特殊詐欺などの犯罪に加担させられ、検挙されるなど、取り返しのつかない結果を招くことになります。
「闇バイト」に応募してしまうと....
- 応募の時に送った自身の顔写真や住所等をもとに、「家に行く」、「家族に危害を加える」などと脅され、犯罪に加担せざるを得なくなってしまいます。
- 自身の行為の危険性を認識しないまま、重大な犯罪に加担させられ、自らも犯罪者となってしまいます。
- 強盗等の実行犯や特殊詐欺の受け子等として犯罪の首謀者から都合よく利用された後、組織の「捨て駒」として切り捨てられてしまいます。
楽をして大金を稼げるアルバイトはないことを子どもに理解させ、怪しいと思ったら家族や警察に相談するように約束させましょう。

大麻や覚醒剤等の薬物は身近な場所にも
薬物乱用の恐ろしさは、乱用者の心身に深刻な影響を与えて健康を損なうことに加え、繰り返し使用することで、さらに使用を重ねる「薬物依存」を引き起こすことになります。
そうなると、自分の意思ではやめることができなくなり、身体と精神を破壊してしまいます。
大麻や覚醒剤等の薬物乱用は少年にも広がっており、最近では大麻乱用の拡大が深刻化しています。
全国で、大麻乱用で検挙される少年が大幅に増加し、令和5年には過去最多となり、令和6年も高止まりの状況となっています。
大麻の不正な栽培や売買、所持、使用は法律で厳しく規制されていますが、インターネット上や友人・知人からの「大麻は他の薬物より安全、害がない」「少ない量の大麻なら依存症にならない」などという誤った情報を鵜呑みにして、好奇心やその場の雰囲気で安易に乱用するなどの例が後を絶ちません。
日頃から子どもと薬物乱用の危険性や誘われた場合の対処方法(「きっぱり断る」、「断りにくい場合はとにかくその場から離れる」等)について話し合っておきましょう。
また、インターネット上での大麻や覚醒剤等に関する誤った情報を子どもが入手してしまうことのないよう、子どものスマートフォンや携帯電話にはフィルタリングを設定して危険な情報を遮断し、子どもを薬物の危険から守りましょう。
被害防止のための特設ページ
三重県警察ウェブサイトでは、SNS等の利用によって犯罪被害に遭わないための対策を動画やまんが、クイズ形式で紹介しています。
「 SNS被害防止のための特設ページ 」で確認出来ますので、ぜひ活用してみてください。
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相談窓口
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