県教育委員会では、児童生徒のスマートフォン等の使用に関する実態・意識等を把握するため、小中高等学校の児童生徒を対象に「スマートフォン等の使用に関する実態調査」を実施しています。
今回の調査では、児童生徒がトラブルに巻き込まれないための取組を推進するため、平成29年度の調査で把握できなかった児童生徒のネットトラブルの実態や依存傾向、学校の取組等を把握するための質問項目を追加して実施し、その結果をとりまとめましたので公表します。
1 調査の概要
(1)調査対象
ア 児童生徒数
11,292人
(小学生4,266人、中学生4,916人、高校生2,110人)
イ 調査対象校
公立小学校 全29市町各1校 4年生から6年生 各2クラス
公立中学校 全29市町各1校 1年生から3年生 各2クラス
県立高等学校 10校 1年生から3年生 各2クラス
(2)調査方法
児童生徒・調査対象校への質問紙による調査
2 主な調査結果
(1)スマホの所持率は、小学生39.3%、中学生72.2%、高校生98.2%となっています。
(2)学校がある日にスマホを1日に2時間以上使用している児童生徒の割合は、すべての校種で昨年度に
比べ減少しています。
(3)スマホを学習で使用している児童生徒は、小学生55.8%、中学生73.5%、高校生82.2%となってお
り、約半数の児童生徒の使用時間が30分未満となっています。
(4)ネットトラブルにあった(あいそうになった)ことや困ったことがあると答えた児童生徒は、小学生
7.7%、中学生13.5%、高校生13.6%となっています。
(5)ネットトラブル等については、「メールやメッセージのやりとりが終わらず、寝不足や勉強に集中で
きなくなった」が、小学生64.9%、中学生46.4%、高校生32.1%で、全校種でもっとも多くなって
います。
(6)ネット依存の傾向にある児童生徒は、小学生2.4%、中学生4.4%、高校生3.8%となっています。
(7)スマホの使用に係る生徒指導上の課題は、小中学校では、「いじめの問題」への対応が小学校
41.4%、中学校69.0%で最も多く、高校では、「画像や動画の投稿・掲載に係る問題」への対応が
90.0%で最も多くなっています。
(8)保護者への啓発等を実施した学校は、小学校75.9%、中学校69.0%、高校60.0%で、校種が上がる
につれ減少しています。
(9)教職員への研修会等を実施した学校は、小学校27.6%、中学校37.9%、高校40.0%にとどまってい
ます。
(10)児童生徒への指導と保護者への啓発を併せて実施している学校は、スマホを2時間以上使用してい
る割合やネットトラブル等にあった割合が、そうでない学校と比較して低いという結果が見られま
す。
3 今後の取組
(1)「インターネットトラブル対応事例集」の追加作成・配付
本調査結果によって明らかになったネットトラブル等を踏まえ、「インターネットトラブル対応事例
集」にネットいじめや不適切な画像等の投稿等への具体的な対応を追加作成し、各学校に配付するとと
もに、研修会でその内容や活用法を周知して、教職員の指導力の向上を図ります。
(2)児童生徒への指導教材および保護者への啓発資料を各学校に提供
児童生徒の実態を踏まえた効果的な指導ができるよう、スマートフォンの特性や適切な使用方法につ
いて、児童生徒がどの程度理解しているのかを確認できる「みえネットスキルアップサポート」や、保
護者に対して、インターネットの危険性や家庭でのルールづくりの必要性等を周知・啓発する「ネット
啓発講座」の実施資料を県教育委員会のホームページに掲載します。あわせて、教職員がこれらを活用
した取組を実施できるよう、研修会等を行います。
(3)児童生徒の主体的な取組を推進
メールやメッセージのやりとりが終わらず、寝不足や勉強に集中できず困っている児童生徒がいるこ
とから、児童会や生徒会が中心となって、スマートフォンの適切な使用に係るルールづくりに取り組む
など、児童生徒の主体的な取組を推進していきます。