大阪・関西万博にかかる期間限定の特別展示(テーマ:歴史・文化)について、2024年10月に、桑名宗社所有の宝刀「村正」の三﨑大明神を展示することを発表していましたが、展示内容を、三﨑大明神から、春日大明神に変更します。
1.経緯
・当初展示予定であった三﨑大明神は、漆を塗られた状態で保存されており、本年4月に漆を剥ぐ作業
が完了しました。漆を剥いだ刀身の状態を確認したところ、専門家のもとで細やかな管理が必要と
なることが判明したため、桑名宗社と県で検討を重ねた結果、移動を伴う万博会場での展示が困難
との判断となりました。
・このことから、万博会場での期間限定の特別展示(テーマ:歴史・文化)については、三﨑大明神
と同様、村正により作成された春日大明神を展示することになりました。
・春日大明神は三﨑大明神とともに、1543年(天文12年)に桑名宗社へ奉納され、三﨑大明神と同
様、歴史的価値が高いものです。春日大明神は平成31年に漆を落とし、昨年三重県総合博物館で開
催された刀剣展で特別に公開されました(現在は公開を行っていません)。
万博での特別展示という貴重な機会に、春日大明神を三重県ブースでご覧いただけると幸いです。
2.展示期間
2025年7月1日(火曜日)から2025年7月23日(水曜日)まで
【宝刀「村正」について】
・村正は伊勢国桑名(現三重県桑名市)の刀工で、室町時代の末期以降3~4代にわたり作刀していたと 言われています。
・その作品は、鋭い切れ味から家康をはじめ多くの武士達に愛用され、そのため好ましくない妖刀観も生まれましたが、全国的にも著名な刀工の一人です。
・桑名宗社には二代の村正が天文12(1543)年に作成し奉納した二振りの太刀が伝えられています。
・この二振りは、第二次世界大戦時に、十分な手入れが出来ないと考えた当時の宮司により、その対処法として刀身に漆が塗られました。
・平成31年、長い時の経過の中で剥げ落ちた漆の下が心配であり、本来の美しい地刃を明らかにしたいと春日大明神と彫られた一振りを専門の研師に依頼して漆を落としましたところ、奉納太刀に相応しい美しい地刃があらわになりました。
・全体の寸法 全長:約76.0㎝、元幅:2.9㎝、反り:3㎝、重さ:約900g
・2016年2月3日、県指定文化財に登録。