菰野町田口集落
集落の底力を引き出して、続けられるしくみづくり
~現状をちゃんと知れば、みんなの力で続けられる!~
当地区は、鈴鹿山脈の釈迦ヶ岳の麓の世帯数約100戸の地区で、集落周辺に広がる水田とともに、林地に囲まれた畑もあります。集落に隣接する竹林やゴルフ場跡地が鹿や猪の隠れ場所となっており、一旦逃げ込まれると手が出せず、またすぐ集落に来るため、対策に苦労してきました。
そこで、①まず、区の班長会で10人の班長から聞き取りをして、サル、イノシシ、シカの出没地図の作成をしました。これをネタにして②役場の協力を得て、区のほぼ全戸の方が参加する勉強会を開いて、皆さんに獣害の状態を十分知ってもらい、何とかしなければと気がつく「場」を作りました。そのうえで③県の協力を得ながら、集落の全戸アンケートも実施して、知っている人は知っているけれど他の人が知らないこと(被害情報)を皆さんで共有しました。
その結果、自分たちで何とかしなければという気持ちが高まって、皆さんで駆除実施や隠れ場所をなくしていきたいといった状態になりました。研修会を重ねるうちに、駆除だけでなく、獣にエサを与えないこと、農作物を守ること、みんなで追い払うことが重要であり、集落内の猟師さんに頼るだけでなく、獣がこないようなしくみづくりの大切さが集落全体に伝わりました。
最近では、地区内の畑に多獣種対応電気柵(延べ100m)設置して、被害防止の新しい対策を地区内外の人に見てもらったり、寄り合いで「猿鉄砲」を作成しながらの「追い払いのしかた」の話し合いを続けています。