表面欠点「くすぶり」の防止法
現在、文献に記載されている「くすぶり」の欠点防止法を左欄に示します。 右欄には、当研究会で検討した結果として、その意味(科学的理由)を示します。
くすぶり:釉または釉と素地との間に炭素が入り、黒色化したもの
欠点防止法 | その意味(科学的理由) | |
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1 | 焼成過程における「あぶり」を十分に実施する | 低温での焼成を十分時間をかけて行い、素地中の有機物などを完全に分解除去する。 「あぶり」は室温から約800℃までの昇温過程とする。 |
2 | バーナの噴霧を良くして、油滴などを飛ばないようにすること | 重油や灯油を燃料としたとき、バーナーをきれいにすることで、噴霧を良好にして不完全燃焼を防止する。 |
3 | 釉の溶ける前に十分酸化すること | 釉の熔ける前に十分に酸化し、釉中の炭素などを除去しておく。 |
4 | 湿式成形品の乾燥をできるだけ速やかにすること | 湿式成形品の内部や表面でバクテリア・カビが繁殖し、有機物が増加・濃集することや、可溶性塩類が表面に濃集するのを 防ぐため、できるだけ速やかに乾燥する。 |
5 | 素焼を完全に実施すること | 素地中の有機物を素焼によって完全に分解除去する。 |