伊勢湾貧酸素情報
平成15年度貧酸素情報
(第1報)
平成15年6月10日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
伊勢湾中央部の底層に溶存酸素量2 ppm以下の貧酸素水塊が出現し始めた。その面積は平年の同期よりやや広い。
6月9日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は表面で20.8~22.5℃,10mで 18.0~20.4℃,底層で15.5~20.1℃の範囲にあった。表面では湾奥部~湾中央部で平年並,湾口部でやや高め,10mでは湾全域で平年よりやや高め,底層では湾奥部及び湾口部で高め,湾中央部で平年並であった。
塩分は表面で23.48~31.16,10mで29.92~32.46,底層で30.58~33.91の範囲にあった。表面では湾全域で平年よりやや高め,10m及び底層では湾全域で平年並であった。
DO(溶存酸素量)は,表面で7.8~10.9ppm,10mで3.8~8.2ppm,底層で1.4~6.1ppmの範囲にあった。表面では湾全域で平年並,10mでは湾奥部及び湾口部で平年並,湾中央部でやや高め,底層では湾奥部及び湾口部で平年並,湾中央部でやや低めであった。
今回の観測では赤潮は確認されなかった。
伊勢湾中央部の底層には2ppm以下の貧酸素水塊が分布していた。その面積は,昨年同期及び平年同期と比べてやや広い傾向にあった。今後の動向を注視する必要がある。