伊勢湾貧酸素情報
平成16年度貧酸素情報
(第2報)
平成16年7月5日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
溶存酸素量2ppm以下の貧酸素水塊は,伊勢湾中央部及び津市から明和町にかけての沿岸部底層に分布している。その面積は平年よりやや狭い。
7月2日の調査船「あさま」の定線観測によると,DO(溶存酸素量)は,表面で6.3~10.6ppm,10mで3.6~7.3ppm,底層で0.7~4.0ppmの範囲にあった。
伊勢湾中央部の底層における2ppm以下の貧酸素水塊の面積は平年よりもやや狭いが,津市~香良洲町~三雲町~松阪市~明和町にかけての沿岸部底層に分布が見られた。
また,三重県側の沿岸部を中心に表層の塩分低下が著しいため,今後貧酸素水塊は急速に拡大する可能性がある。
ただし,人工衛星画像等によると,現在熊野灘で黒潮蛇行の北上部が伊勢湾口に向かっており,湾外から黒潮系の高塩分水の流入とともに,伊勢湾内の海況が大きく変化する可能性もあるため,今後湾外の海況変化の動向をも注視する必要がある。
調査時には三重県側全域でThalassiosira sp.とChaetoceros spp.による水色の変化が見られた。先月まで見られたHeterosigma akashiwoは減少してほとんど見られなかった。