伊勢湾貧酸素情報
平成20年度貧酸素情報
(第1報)
平成20年6月12日
水産研究所 鈴鹿水産研究室
伊勢湾の底層では溶存酸素量の低下が始まり,湾中央部を中心に広い範囲に2ppm以下の貧酸素水塊が形成されている。
6月6日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は表層で19.6~22.0℃,10mで18.4~20.3℃,底層で14.6~19.8℃の範囲にあり,平年値と比較すると,表層ではほぼ平年並みかやや低め,10mと底層ではやや高めで,特に底層では,湾口のStn.18とAでは平年値より1℃ほど低かったのに対して,湾奥のStn.1,2,4,5の各測点で平年値よりも1.1~1.5℃高くなっていた。塩分は表層で11.38~31.67,10mで26.36~32.13,底層で26.38~32.83の範囲にあり,全層で平年値と比べて低くなっていた。
DO(溶存酸素量)は表層で6.8~11.6ppm,10mで5.3~7.4ppm,底層で0.1~5.9ppmの範囲にあった。鈴鹿-常滑を結ぶ線の以北ではSkeletonema costatum及びChaetoceros spp.を主体とした植物プランクトンが多く,透明度も低下しており,表層のDOは過飽和状態で平年値よりかなり高くなっていた。一方底層のDOは平年値より低い測点が多かった。
DO(溶存酸素量)は表層で6.8~11.6ppm,10mで5.3~7.4ppm,底層で0.1~5.9ppmの範囲にあった。鈴鹿-常滑を結ぶ線の以北ではSkeletonema costatum及びChaetoceros spp.を主体とした植物プランクトンが多く,透明度も低下しており,表層のDOは過飽和状態で平年値よりかなり高くなっていた。一方底層のDOは平年値より低い測点が多かった。底層では伊勢湾中央部の深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が形成されており,その範囲は平年同期よりも広かった。調査時は,まとまった降雨の後で三重県沿岸域を河川から流出した水が湾口へ向かう形となり,荒天が続いた後でもあり,浅場の底層には貧酸素水が波及しにくかったと見られる。今後も沖合を中心に底層の貧酸素化が進行しやすい状態にあるため,沿岸域にも貧酸素水が波及すると予想され,注意が必要である。
*・{年度は愛知県水産試験場と協力して貧酸素情報を収集しております。愛知水試ホームページhttp://www.pref.aichi.jp/suisanshiken/でも画像を見ることができます。
底層溶存酸素量水平分布(6月6日)