平成20年1月17日
イカナゴ情報(H20-1号)
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
1月15~16日に伊勢湾全域において、イカナゴ仔魚の採集調査を実施しましたので,その概要を報告します。
図1に各測点における仔魚採集尾数を示しました。今回の調査で、イカナゴ仔魚は湾内全域の測点で採集されました。湾内全測点の平均採集尾数は55尾/m2で、仔魚が湾全域に拡散した時点の採集密度としては、昨年(1月中旬:228尾/m2)、一昨年(1月中旬:176尾/m2)を下回っています(表1)。 今回湾内全域で採集された仔魚の平均体長は6.9㎜で、体長5㎜前後と11㎜前後にピークがみられました(図2)。 愛知県水産試験場の調査によると、今年度は例年になく早く産卵が始まった模様で、12月26日に、この時期としては過去5年ぶりに、湾口部でふ化仔魚が採集されました。1月4日には、平均体長5.9㎜の加入第1群とみられる仔魚が湾中央部に侵入しており、後続群の加入も認められています。 今回の調査では、湾奥部では主に体長11mm前後の大型個体群が、湾口部から湾央部にかけては体長4mm前後の個体群が分布しています。 なお、今年の伊勢湾の水温は平年よりやや高めとなっています。 次回は愛知県水産試験場が1月25日カイト式稚魚ネットで、28~30日に伊勢湾・三河湾全域でのボンゴネット調査を予定しています。データが整理でき次第、本情報にて報告します。
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位は尾/m2)
表1 ボンゴネットによる仔魚採集量(湾内全点平均値)
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成