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令和04年09月28日

三重の統計 - みえDataBox

【Hello!とうけい】Vol.272 どうして三重県経済は振れ幅が大きいの?

 令和4年9月28日掲載

三重県の経済成長率は、全国と比べて、上がるときは大きく上昇し、下がるときは大きく下降する傾向があります。そこで、三重県民経済計算結果と鉱工業生産指数を用い、その要因を探ってみました。

 1. 県内経済の特徴(製造業を中心に)
本年(令和4年)7月、令和元年度三重県民経済計算結果(確報)を公表しました。
県民経済計算は、県民の経済活動によって1年間に生み出された成果(付加価値)を「生産」「分配」「支出」の3つの側面から総合的に把握したものです。
まず、実質経済成長率の推移を見てみましょう。(「実質」とは、物価変動分を取り除いた値で、時系列比較をする際に用います。)

図1 実質経済成長率の推移(全国、三重県)

資料出所(全国):令和元年度国民経済計算確報(内閣府経済社会総合研究所)※

※国民経済計算は、令和2年度の確報がすでに公表され、過去の計数も遡及改訂されていますが、比較のため、令和元年度の確報の数値を用いています。

平成27年度を除き、経済成長率の符号(プラス・マイナス)は同じですが、三重県の経済成長率は、全国と比べ振れ幅が極めて大きいことがわかります。この要因を探るため、令和元年度の経済活動別の寄与度を見てみましょう。寄与度とは、全体の変動に対して、各構成項目の変動がどの程度影響を与えているかを示す指標で、各寄与度の合計は名目経済成長率(▲5.9%)と一致(四捨五入による誤差のため、表示数値の合計が一致しないことがあります。以下同様です。)します。(「名目」とは、時価で示した値を表します。)
 寄与度=前期における構成比×当期の前期に対する増減率

図2 経済活動別寄与度(三重県、令和元年度)

三重県の経済成長率に対する寄与度は、(今回は負の方向ですが)製造業(▲6.1%)が圧倒的に大きいことがわかります。三重県がよく「工業県」と呼ばれるのはこのためでもあります。

次に製造業の業種別の寄与度を見てみましょう。
主要3業種の中でも、「電子部品・デバイス」(▲5.3%)が大きくマイナスに寄与していることがわかります。(各業種の寄与度の合計は、製造業の寄与度(▲6.1%)に一致します。)

図3 製造業の業種別寄与度(三重県、令和元年度)

このように、三重県の令和元年度の経済成長率は、製造業の動向に大きく影響を受け、中でも主要3業種(「電子部品・デバイス」、「化学」、「輸送用機械」)、さらにその中でも「電子部品・デバイス」の影響を強く受けていることがわかります。毎年度必ず「電子部品・デバイス」の寄与度(絶対値)が最大となるわけではありませんが、例年おおむね同様の状況であり、製造業(特に「電子部品・デバイス」、「輸送用機械」など)の振れ幅の大きさが、三重県の経済成長率の振れ幅の大きさの主な要因となっています。

最後に、本県の産業構造の特徴を、全国を1とする特化係数で見てみましょう。
特化係数とは、産業別構成比を全国と比べて、高いか低いかを見るもので、1を超えると全国水準より比重が高く、その産業に特化していると言えます。
 特化係数 = 産業別構成比(三重県)÷ 産業別構成比(全国)

図4 経済活動別特化係数(令和元年度、平成23年度)

「製造業」が1.77(平成23年度は1.81)で最も高く、「鉱業」、「運輸・郵便業」などが1を超えています。

図5 製造業の業種別特化係数(令和元年度、平成23年度)

「電子部品・デバイス」が3.54(平成23年度は5.85)で最も高く、「化学」、「窯業・土石製品」、「輸送用機械」などが2を超えています。

2.県内鉱工業の最近の動向
上述しました三重県民経済計算は、数多くの一次統計(国勢調査、工業統計など)を加工して作成する二次統計です。このため、一次統計の公表が出揃った後に推計作業を完了することから、足下の経済情勢を把握することには向いていません。
そこで、後半では、鉱工業生産指数を使って県内の鉱工業(主に製造業)のここ数年の動きを見てみましょう。
鉱工業生産指数とは、現在は平成27年を基準年として、製造業などの動きを生産数量から把握して指数で表したものです。鉱工業生産指数は、景気の動きに敏感であることから、重要な経済指標の一つとして、広く活用されています。
三重県の鉱工業生産指数(季節調整済指数)は、振れ幅は大きいものの、概ね全国を上回って推移してします。平成30年までは上昇傾向にありましたが、平成31年に入ると低下傾向となり、令和2年の3月と5月には10ポイント近い大幅な減少を示しました。この令和2年前半の減少は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響と考えられますが、令和2年6月以降は上昇に転じています。全国と比較しても落ち込みの度合いは小さく、回復も早い状況にあります。

図6 三重県及び全国の鉱工業生産指数の推移(季節調整済指数)


次に鉱工業生産指数(季節調整済指数)を三重県の主要3業種で見てみましょう。
「電子部品・デバイス工業」(集積回路製造業など)及び「輸送機械工業」(自動車製造業など)は振れ幅は大きいものの、おおむね好調に推移しており、県内製造業をけん引していることがわかります。また、化学工業も、しばらくの間低調でしたが、直近(令和4年5月及び6月)では上昇しています。

図7 三重県の主要業種別鉱工業生産指数の推移(季節調整済指数)

今回は、製造業を中心に、県内経済の特徴や動きを部分的に紹介しました。
社会経済全体では、今後も新型コロナウイルス感染症の影響が継続することが予想されますし、ウクライナ情勢などによる供給面の制約等が、今後県内経済にどのように影響を与えるか予断を許さない状況にあります。
みなさんもいろいろなデータの動きをご覧になって、足下の県内経済情勢を観察されてみてはいかがでしょうか。

令和元年度三重県民経済計算結果(確報)は次のページで公表しています。
https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/31774002733_00006.htm

三重県の鉱工業指数は毎月公表しています。
https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/16520003396.htm

全国の鉱工業指数は経済産業省から公表されています。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html

その他の三重県の統計情報は「みえDataBox」でご覧いただけます。
https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/index.htm

次回のHello!とうけい♪Vol.273は、令和4年11月24日(木)に掲載予定です。お楽しみに!

本ページに関する問い合わせ先

三重県 政策企画部 統計課 分析・情報班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎2階)
電話番号:059-224-3051 
ファクス番号:059-224-2046 
メールアドレス:tokei@pref.mie.lg.jp

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