県が実施している貝毒定期検査において、尾鷲海域(紀北町)産のマガキから規制値を超える麻痺性貝毒が検出されました。このため県は、この海域でマガキを養殖している生産者に対し、三重外湾漁業協同組合を通じてマガキの出荷自主規制を依頼しました。
1 内容
(1)県が実施している貝毒定期検査において、令和3年2月4日に尾鷲海域(紀北町)産のマガキから、
食品衛生法の規制値(4MU/g)を超える31MU/g(可食部1グラムあたりのマウスユニット)
の麻痺性貝毒が検出されました。
(2)食品衛生法では、規制値を超える麻痺性貝毒が検出された場合、水産物等の販売等を行うことを禁じ
ています。
(3)このため、県は、本日(2月4日)、この海域でマガキを養殖している生産者に対し、三重外湾漁
業協同組合を通じてマガキの出荷自主規制や回収を依頼しています。また、国や市町等の関係機関への
情報提供を行います。
2 今後の対応
出荷自主規制が解除されるまで、県が貝毒や貝毒原因プランクトンの検査を行います。
なお、出荷自主規制の解除は3週以上連続して4MU/g以下となることが必要となります。
3 参考
(1)MU(マウスユニット)
麻痺性貝毒の場合、1MUは20グラムのマウスが15分で死亡する毒の量です。人の致死量は、
体重60kgの人で約3千~2万MUと言われています。
なお、今回検出された麻痺性貝毒の数値は、計算上、体重60kgの人が5~42個のカキを喫食
した時に、最悪の場合、発症する恐れがあります。
(2)麻痺性貝毒
麻痺性貝毒による中毒症状は、食後約30分で顔面等にしびれを感じ、やがて体の末端に広まり、
最悪の場合は呼吸困難等により死に至る可能性があります。また、貝毒の毒成分は熱に強く、加熱調
理しても毒性は弱くなりません。なお、貝毒は二枚貝以外の貝類には蓄積しません。
一度毒化した貝でも、貝毒原因プランクトン(アレキサンドリウム属プランクトン)のいない海水
でしばらく生育することにより無毒化されます。
(3)当該海域の過去の貝毒による出荷自主規制について
平成21年2~3月 尾鷲海域マガキ(麻痺性貝毒)