平成13年度第3回意見書
1 経過
平成13年8月2日に開催した平成13年度第2回三重県公共事業再評価審査委員会において、県より海岸事業3箇所、道路事業2箇所、農道整備事業3箇所の審議依頼を受けた。
各審議対象事業に関して、県の担当職員から事業説明を受けるとともに、審議資料に基づき審議を行った。
2 対応方針案に関する意見
審議対象事業に関して慎重な審議を行った結果、以下のような意見を委員会としてとりまとめ、三重県知事に対して答申するものである。
(1)海岸事業
① 長島港海岸中ノ島地区高潮対策事業
② 木本港海岸木本地区侵食対策事業
③ 千代崎港海岸山中地区侵食対策事業
①~③については、平成4年に事業着手し、10年を経過して継続中の事業である。
再評価の結果、背後に密集した人家等を高潮等から保全するといった事業の必要性、事業の投資効果が認められることから、事業を継続するとの対応方針案について了承する。
なお、三重県は1000kmを越える海岸線を有するが、今後、限られた資金計画の中でこの海岸線を如何に効率的に保全するかが大きな課題である。そのためには、既存堤防の詳細な調査を行い、客観的な評価を行った上で既存堤防の有効活用を図り、経済的効率性と安全性を兼ね備えた海岸整備を図るよう要望する。
また、離岸堤を必要とするような長大な海岸における保全対策にあたっては、全体の保全計画と整合した個別地区の効率的な事業を進めること。
(2)道路事業
① 国道260号南島バイパス
② 国道368号色太バイパス
①~②については、平成4年に事業着手し、10年を経過して継続中の事業である。
再評価の結果、現道の幅員狭小な未改良区間の解消を図ると言った事業の必要性、事業の投資効果が認められることから、事業を継続するとの対応方針案について了承する。
(3)農道整備事業
① 玉城南部2期地区一般農道整備事業
② 磯部浜島3期地区揮発油税財源身替農道整備事業
③ 上野依那古地区揮発油税財源身替農道整備事業
①~③については、平成3年に事業着手し、10年を経過して継続中の事業である。
再評価の結果、生産コストの低減等農業経営の安定化を図るという事業の必要性、事業の投資効果が認められることから、事業を継続するとの対応方針案について了承する。
なお、費用対効果分析にあたっては農業効果のみではなく、農業外効果の客観的評価手法の検討を行うとともに、事業完了後の実績評価にも努めること。
(4)公共事業一般
公共事業による環境リスクを下げる観点から、法面の緑化にあたっては、外来植生を持ち込まない、郷土植生を使った緑化あるいは外来植生から郷土植生への遷移を図る発想を取り入れることが必要であり、環境先進県をめざす三重県からぜひ技術の提案を行ってほしい。