令和3年度に県内宿泊事業者を対象に執行した県補助金について、虚偽の実績報告により過大な補助金の交付を受けた事案が判明しました。本件を受け、補助金申請者を三重県警察に刑事告訴し、本日、受理されました。
1 刑事告訴状の受理日
令和4年11月4日
2 告訴人
三重県知事 一見 勝之
3 被告訴人
三重県伊勢市二見町茶屋537番地26
有限会社浜千代館 代表取締役 濱千代 裕章(はまちよ ひろあき)
4 告訴事実
令和3年度に、県が、県内宿泊事業者を対象として実施した県内宿泊事業者感染防止対策等支援補助金事業において、被告訴人(以下「当該宿泊事業者という。)は、新型コロナウイルス感染症対策として申請した工事が、実際には未施工であったにも関わらず、これを施工済と偽った実績報告書を作成するという不正な手段により、過大な補助金の交付を受けた事実が判明しました。
当該宿泊事業者による上記行為は、三重県補助金等交付規則(以下「交付規則」という。)第16条第1項に定める「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受けたとき」に該当し、刑法第246条第1項に規定する詐欺罪が成立するものとして、三重県警察に刑事告訴しました。
5 不正受給の内容
令和4年6月15日及び16日に、当該宿泊事業者の代表者の立会のもと、現地調査を行いました。
当該宿泊事業者からの実績報告書において報告された、以下の工事のうち、
①換気機能付きエアコンの更新工事(3台)
②和式トイレの洋式化工事(2台)
③既存洋式トイレの自動開閉便座への更新工事(8台)
④洗面所の蛇口を自動水栓へ交換(3台)
⑤館内抗ウイルス加工コーティングの実施
⑥空気清浄機及びパーテーションの設置
①②③の工事が未施工であることを確認しました。
当該宿泊事業者は、上記事実にも関わらず、虚偽の工事発注書と工事完了報告書を作成するとともに、施工済であるかのような写真も添付し、実績報告書を作成の上、令和4年1月30日に県に提出を行い、同年3月30日に補助金(6,000,000円)を不正に受給しました。
6 県による措置
(1)交付決定の取り消し
令和4年6月27日付けで交付決定の全部(6,000,000円)を取り消しました。(交付規則第16条第1項)
(2)補助金返還命令
交付決定の取り消しに伴い、同日、補助金の返還を命じました。(交付規則第17条第1項)
(3)補助金の返還
同年6月28日に、交付決定を取り消した補助金の全額が当該宿泊事業者から県に返還されました。
同年7月6日に、当該宿泊事業者に対し、加算金(163,800円)の納付を課しました。(交付規則第18条第1項)
同年7月11日に、加算金全額が当該宿泊事業者から県に納付されました。
7 上記事案を受けて実施した再調査
上記の不正受給事案を受け、本補助金にかかる全体の再調査を行いました。
令和4年6月下旬から7月上旬にかけて、すべての交付決定案件(487施設)について、県に提出された書類の再チェックを実施しました。その結果、現地で現物を確認すべきと判断した165施設について、7月中旬から9月上旬に、現地調査を行いましたところ、不正に補助金を受給した事案はありませんでした。
8 今後について
今回の事案を反省点として生かし、交付申請や実績報告の各段階において、複数の担当職員間によるチェックを徹底していきます。
そのことと合わせて、偽りや不正な手段については、今後も厳正な対応で臨むことといたします。