おさかな雑録
No.5 アカネキントキ 2010年1月25日
キントキダイの仲間3種の紹介 その1
平成22年1月20日撮影
1月20日の朝は冷え込みも厳しくなく比較的快適でしたが、漁の方は相変わらず冷え込んでいます。大型定置網も活けのアオリイカやヤリイカが目立つ程度で、選別作業もあっという間に終わってしまうほどでした。今回は選別の際に単独銘柄にならない半端物を集めた「雑」の箱の中から、見た目も華やかなキントキダイの仲間を紹介します。
平成22年1月20日撮影
さて上に並べた3匹の魚、それぞれ別種なんですが、おわかりいただけるでしょうか。尾鰭に着目するとわかりやすいと思います。
平成22年1月20日撮影
右下の魚から特徴を調べていきましょう。腹びれの付け根には黒斑があります。また、背鰭、臀鰭、尾鰭は末端にかけて黒みを帯びます。一方背鰭、臀鰭、尾鰭には黄色や褐色の斑点がありません。尾鰭の後端はやや突出しています。これらの特徴から、この魚はアカネキントキという名前だと判断されます。(背鰭第1~第3棘の鰭膜に黒斑があるようにも見えることから、当初ミナミキントキとして紹介していましたが訂正します。)
アカネキントキ 標準体長約15cm 贄浦 大型定置網 平成22年1月20日撮影
アカネキントキは50m以浅の定置網で漁獲され、熊野灘では冬に姿を見ることができます。キントキダイの仲間はしっかりとした白身で味も良く、種類や魚体の大きさ、漁獲量によっては単独銘柄はおろか、高級魚として扱われるほどですが、数個体で魚体も小さい場合が多く、「雑」の中に紛れていることがほとんどです。こういう美味しい魚が紛れている割に「雑」の値段は非常に安いので、産地へお出かけの際はぜひ地元のお魚屋さんの店頭を覗いてみることをおすすめします。思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれませんよ。
(キントキダイの仲間3種の紹介 その2 キントキダイへつづく)
(2010年1月25日掲載 2011年2月10日訂正 資源開発管理研究課)