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平成23年03月17日

おさかな雑録

No.42 ウッカリカサゴ 2011年3月17日

18本か19本か

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ウッカリカサゴ(上)、カサゴ(下) 南伊勢町宿浦 平成23年2月21日撮影

  市場の活魚水槽にはさまざまな種類の魚がいて、時には珍しい魚や、生きている状態を見ることが珍しい魚に出会うことができて楽しいものです。今回紹介する魚も、水揚げ自体は珍しいものではありませんが、深いところから釣り上げられることがほとんどであるために、生きている状態でお目にかかることはめったにないと思われます。

  ウッカリカサゴは名前のとおり、見間違えるほどカサゴと良く似ています。うっかりしていなくても、こういう魚がいると知っていなければ見分けることはできないかもしれません。しかし、そんな魚でも外見で区別することが可能です。

  ウッカリカサゴとカサゴの見分け方。まず、数えることで区別できるのが胸鰭の鰭条数です。18本ならカサゴ、19本ならウッカリカサゴと判断できます。下の写真、もっとも腹側の小さい一本がちょっとわかりにくいですが、左は19本、右は18本数えられます。

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ウッカリカサゴ(左)、カサゴ(右) 南伊勢町宿浦 平成23年2月21日撮影

 次に、体色と斑紋も微妙に異なります。ウッカリカサゴはカサゴに比べ、色がややぼんやりしています。カサゴやウッカリカサゴは生息水深によって体色が変わり、深いところでは赤っぽくなるのですが、ウッカリカサゴはややオレンジがかった薄い赤、カサゴは鮮やかで濃い赤です。また、体の斑点は、ウッカリカサゴでは黒く縁取りがあり、カサゴでは縁取りがありません。

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ウッカリカサゴ(左)、カサゴ(右) 南伊勢町宿浦 平成23年2月21日撮影

 慣れてくると、まず色彩と斑紋でほとんど見当をつけることが可能で、ちょっと迷うような個体は胸鰭を見ると確実です。ウッカリカサゴはカサゴに比べやや深いところにすみ、体も大型になりますが、生息域は一部重なっており、似たような大きさのものもいますので、獲れた場所や大きさだけで判断しないようにすることが大切です。今回のウッカリカサゴも、元気に泳いでいましたので比較的浅い場所にすんでいたと推定されます。体もウッカリカサゴにしては小さく、ちょうどカサゴの大きさと同じくらいでした。浅い場所でお目にかかるウッカリカサゴは小型のものばかりなので、ひょっとすると老成するとともに深い場所へとすみかを変えるような暮らしをしているのかもしれません。

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ウッカリカサゴ 南伊勢町贄浦 平成22年3月18日撮影

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ウッカリカサゴ 南伊勢町贄浦 平成21年6月26日撮影

 (2011年3月17日掲載 資源開発管理研究課)

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