おさかな雑録
No.47 トラフグ産卵調査 2011年5月31日
トラフグ産卵調査
三重県水産研究所では、毎年トラフグの産卵調査を行っています。トラフグの産卵は海底で行われ、卵は沈むためにプランクトンネットでは採集できません。また、場所、期間も限られているため、産卵期になると定期的に海底の砂や砂利ごと採取して卵の有無を確認しています。今回は、専用の器具を使った調査の概要を紹介します。調査に使われるのはもちろん、調査船「あさま」です。
調査船 あさま 平成23年5月17日撮影
トラフグ産卵調査 平成23年5月18日撮影
調査に使う専用の器具とは、「そりネット」です。写真は投入前のデッキを写しています。
トラフグ産卵調査 平成23年5月18日撮影
「そりネット」という名のとおり、網の前に「そり」がついています。これで網を着底させ、海底の砂や砂利をかきあげてネットで採取します。
トラフグ産卵調査 平成23年5月18日撮影
曳網後、船上へ引き上げられた状態。袋網には砂がぎっしり詰まっています。トラフグの卵は、これらの砂や貝殻と一緒に採取されます。採集物は船上で大まかに選別した後、研究室に持ち帰り、トラフグ卵の有無や数など慎重に調べられます。
トラフグ産卵調査は調査場所や器具が特殊であるため、岸に比較的近い海域にもかかわらず日頃見慣れない生き物がしばしば現れます。先日のアミ類のように、名前がわからないという生き物も珍しくありません。今後もこの調査で採集されたいろいろな生き物を紹介していきますのでお楽しみに。
(2011年5月31日掲載 資源開発管理研究課)