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平成23年10月31日

おさかな雑録

No.57 メアジ 2011年10月31日

目の大きな「あじ」

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アジ類 標準体長約13cm 南伊勢町贄浦 平成23年10月19日撮影

 今年は「小あじ」がまずまず獲れており、この日の市場でもまとまった量が水揚げされていました。いつものように測定を進めていたところ、たまたますくい上げた魚の中にちょうど3種類のアジ類が含まれていました。 せっかくの機会ですので、問題として取り上げたいと思います。それぞれ、何という魚かおわかりでしょうか?

 上の個体から順番に、特徴的な部分を示しますので、一緒に考えていきましょう。

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一番上の個体 躯幹部 (矢印は側線鱗を示す) 南伊勢町贄浦 平成23年10月19日撮影

 この魚には、側線の全体に稜鱗(鋭い棘を持つ鱗)が見られます。この特徴は非常に重要で、このことだけでほぼ確実に同定可能です。この魚はマアジで、以前に紹介しています。

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上から2番目の個体 尾柄部 南伊勢町贄浦 平成23年10月19日撮影

 この魚には、尾柄部に小さな鰭が見られます。これは小離鰭と呼ばれ、アジ科の中でもムロアジ属の大きな特徴ですが、この鰭だけでは種の同定に至ることは困難です。ただし、ここに取り上げた3種の魚のなかでは、唯一この魚だけがこの小離鰭を持っていますので、3種をそれぞれ区別するためには重要な特徴といえます。この魚は、以前にも紹介したマルアジです。

 さて、3番目の個体は、これといった特徴が無いように見えますが、3種を並べると、稜鱗が側線全体を覆わないこと、小離鰭を持たないこと、という2つの特徴が浮かび上がってきます。

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上から3番目の個体 (矢印は肩帯下部の突起を示す) 南伊勢町贄浦 平成23年10月19日撮影

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一番上の個体(左)、2番目の個体(右)  南伊勢町贄浦 平成23年10月19日撮影

 また、鰓蓋を開くと肩帯下部に顕著な突起を持っています。これらの特徴をもつことから、この魚はメアジと同定できます。 メアジはその名のとおり目が大きい「あじ」で、体はギラギラとまばゆい金属光沢をもつことから、産地ではドンパクとかキンパクと呼ばれることが多いようです。メアジはマアジやムロアジ類とも異なる、メアジ属に属し、マアジよりも体高が高くボリュームのある体型をしています。

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メアジ 標準体長10.5cm 南伊勢町奈屋浦産 平成22年12月20日撮影

 メアジは珍しい魚ではないのですが、都会のスーパーなどではなかなか見る機会はないため、この魚を知っている人は、何らかの形で魚の勉強をした人だと思われます。一方、産地ではよく知られた存在ですが、その評価はあまり高くないようです。確かにマアジに比べると脂ののりが少なく、味わいもやや薄い感じがしますが、しっかりとした歯ごたえもあって筆者は美味しい魚だと思います。鮮度の良いメアジに出会えたらお買い得。是非お試しを。

 (2011年10月31日掲載 資源開発管理研究課)

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