練り物(さつまあげ)
少し手間はかかりますが、手作りの「かまぼこ」づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?今回お示しするレシピはプロのかまぼこ屋さんが作ったものにははるか遠く及びませんが、冬の楽しい調理実習としてチャレンジしてみる価値があります。材料とする魚は、とにかく鮮度のよいものを用いてください。また、加工に要する間になるべく材料を冷たく保ったままにしましょう。(白身魚で作るのが基本で、鮮度さえよければ大丈夫です。タイ、メジナ、ハモ等が向きます。弾力はかなり劣りますが、イワシアジサバ等の青魚でやってもよいでしょう。)
①骨を丹念に取り除いた魚肉を粗く刻み、たっぷりの氷水に晒(さら)します。ここで、筋肉中の脂や水溶性のたんぱく質を取り除きます。その後ざるで水と氷をのぞき(クッキングペーパーなどで水気をよく除くこと)、重量を測ります。
※①の工程は、すり身特有の弾力を出すためです。
水にさらすことで味も若干抜けてしまうので、ご家庭で作るときにはあえて水晒(さら)し
を行わなくてもよいかもしれません。
②調味料を計ります。晒(さら)した後の魚肉100gに対して、塩を1~2g、砂糖2.5g、片栗粉10g、水30mlです。
③晒(さら)したメジナの身をすり鉢で30分くらい摺(す)ります。温度が上がらないように寒い場所で行います。魚肉の粒粒が残らないようにしっかりと摺(す)りましょう。
※一部の方はここで体力が尽きる可能性がありますが、その時にはその時点で次の工程に進めばよいのです。魚の粒粒が残っていてもそれはそれでおいしいものです。
※フードプロセッサーをお持ちの方はそちらを使うこともできます(時間は1分程度)が、機械だけでは意外に弾力は出ませんので、その後ですり鉢に入れてする工程を入れた方が良いかもしれません。
④塩を加えて粘りが出るまでさらによく摺ります。弾力が出てきたら、残りの材料をさらに加えてよく摺ります。
※ここで、卵白、山芋、アカモク等の粘りのある海藻(刻んだもの)等を入れると食感がソフトになります。
※すり身に刻んだごぼう、ニンジン、玉ねぎ、紅ショウガ等を入れても大変おいしいです。
⑤すり身を適当な大きさに成型し、160度程度の油でじっくりと揚げてできあがりですなるべく平べったい形にしたほうが、火の通りが均一となります。
さつま揚げ(この時の材料はハモ)
今回お示しした方法は、家庭用の素朴なさつま揚げを作るためのものです。市販のかまぼこの様なきめの細かい弾力を出すことは難しいかもしれませんが、プロの練り物屋さんの技術の高さに改めて感動することができます。
(水産資源育成研究課)