ホウボウは、鮮やかな朱色と柔らかい肌色の入り混じった美しい魚体に、ひときわ深い緑色にトルコブルーの宝石がちりばめられた翼のような胸びれを持つ大変美しい魚です。冬にフグの延縄や定置網などで漁獲されます。
ホウボウは冬にフグのはえ縄漁で混獲されることで漁獲が増えるさかなです。身は、若干ピンクがかった白身で、鍋をはじめ多くの調理法で楽しむことができます。しかし、きめ細かくほのかに甘味がのった繊細で上品な身ですから、ホウボウの特性を活かすには、あっさりとした味付けをすることが大切です。おすすめは、ぶつ切りにした身に軽く塩を振り、30分~1時間ほど寝かせた後に昆布を敷いた深い容器に入れ、お酒をたっぷりと注いでから蒸し上げた酒蒸しです。できれば少し柚子の皮を散らして、醤油を垂らし香り付けして食べてください。ホウボウの蒸し物には大根おろしも相性がよいです。
とれたてのホウボウより、内臓を除いて一晩くらい寝かせて旨味を引き出したものを、刺身、鍋物や煮付けにすることもおすすめです。ホウボウのちょっと変わった料理法として、塩焼きや一塩をして一夜干しにしてはいかがでしょうか。淡白ではありますが、旨味はしっかりとある魚ですので、吟醸酒より純米酒と一緒に楽しんでいただくことをおすすめします。もちろん炊き立てのおいしい三重のお米との相性も抜群です。
まだまだ寒い冬ですが、食卓に色鮮やかなホウボウの華を咲かせて春を先取りしてみてはいかがでしょうか?
(企画・資源利用研究課)