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県土整備部の契約事務とその運営状況について

1.外部監査の方法

(1) 監査の要点

  • 入札から落札までの一連の手続きが適正に執行され、又、透明性、公平性、競争性が確保されているか。
  • 設計金額、予定価格及び最低制限価格の取扱いは適正か。
  • 低入札価格調査制度の運用は適正か。
  • 談合情報事案の処理は適正になされているか。

(2) 主な監査手続

北勢県民局桑名建設部、北勢県民局下水道部、南勢志摩県民局伊勢建設部、紀南県民局建設部を監査対象として、

  • 予定価格が2億円以上(北勢県民局下水道部は5億円以上)の契約及び2億円未満の契約で必要と認めたもの
  • 低入札価格調査制度に該当する契約
  • 談合情報事案(県土整備部全部)

2.監査結果の内容

(1) 競争性の確保に問題があると認められる事例

現在、設計金額の「積算基準」と「設計単価」が公表されている等、各入札業者は予定価格に近い数字を想定できるにもかかわらず、入札金額の大部分が予定価格を越える金額である。
 各部とも入札業者の70%~80%前後は予定価格を越える入札を行い、予定価格以下の入札業者は20%~30%程度となっており、「競争性の確保」に問題があると言えよう。

(2) 分割発注したにもかかわらず、すべて1社が受注した事例

平成10年度、11年度のある土木工事を調査したところ、平成10年度(12月7日、2工事)、11年度(3月15日、5工事)の入札において、すべて同一業者が落札。
 桑名建設部では、平成11年度の工事(平成10年度よりの繰越工事を含む。)のうち、分割発注した工事について、18の工事箇所において、それぞれ1社が受注している。

3.工事契約の解除について

桑名建設部において、工事契約が建設部側の都合により解除される事例が認められた。その理由は、作業現場への進入道路の使用願いを、現場進入路の管理者から認めてもらっていなかったこと、地元住民から工事開始の承諾を得ていなかったことであり、同部の事前確認漏れが原因である。

4.契約が頻繁に変更された事例

桑名建設部において、契約が頻繁に変更された事例が認められた。(平成10年3月30日付けで契約)
地元関係者との同意が得られていないとの理由で、2日後に一時中止、工期を延長した。
その後、平成11年3月18日に再度変更しているが、期間変更の理由の一つに、既に半年以上も前に終わっている水田耕作に伴う施行不能をあげ、金額変更の理由を、盛土を他の工事から流用する計画であったが、流用が不可能となったためとしている。
 前提条件の調査が不十分のまま、契約を行ったものと考えられる。

5.その他調査を行った事項

談合情報事案の処理について

平成11年度における県土整備部関係の談合情報は5件あったが、談合情報対応マニュアルに従った適正な調査は行われていると認められた。

設計金額、予算価格及び最低制限価格の取扱について

設計金額は、積算基準と設計単価により適正に計算されており、又、その基準は公表されている。
 予定価格は、平成10年度から設計金額と予定価格は同一に設定されている。
 最低制限価格は、各工事とも適正に設定されている。

低入札価格調査制度の運用について

平成11年度に、桑名建設部1件、伊勢建設部1件、紀南建設部3件の工事について、低入札価格調査を実施し、適正に履行できると認めて契約している。
 予定価格に対する落札価格の割合は67.7%から44.8%となっており、落札率を低下させる効果があると認められている。

外部監査人意見

1.請負工事に関する予定価格の事前公表の必要性について

3建設部1下水道部の請負工事に関して入札調書を調べた結果、入札1回について、20%程度しか予定価格以下での入札がなく、競争性が低いといえる。入札した約8割の社会の多くは、最初から落札の意思がないということになる。
 一般的には、指名しても数回連続して入札の意思がない場合は、辞退したと考え、以後指名しないというのが常識である。
 そこで、予定価格を明示した上で入札を行うことにすれば、約8割の会社は、予定価格以下の金額で入札せざるを得なくなり、金銭的にある程度の改善は期待できる。

2.分割発注について

(1)分割発注の目的は、地元業者の育成、受注機会の拡大、公平性の確保及び工事期間の短縮等とされているので、分割発注した場合には、全て同一業者とならないような対応を考えるべきではないか。

(2)下記の仮橋設置工事工事において

入札日 工事名称 予定価格 当初契約額
A工事 12.3.22 主要地方道四日市員弁線 大泉橋(国補) 208,128千円 207,900千円
B工事 12.3.22 主要地方道四日市員弁線 大泉橋(地方) 184,591千円 124,950千円
  • A工事、B工事ともに同一の業者が落札した。B工事については、基準価格以下の入札であり低入札価格調査を経て契約した。
  • A工事の落札率は99.9%、B工事のそれは67.7%。両工事は平成12年3月22日の午後1時30分、同50分に入札されており、A工事の入札価格の説明がつかない。
  • 民間工事の場合、A工事について値引き交渉するのは当然であり、相手がそれに応じなければ、次の機会において値引をしない、前回の利益相当分を値引きさせる等のペナルティを課すのが普通である。仮橋工事を右岸と左岸に分割して発注したため、別工事であるとしてA工事の請負価格については追求しないとする考え方は民間では存在しない。

(3)分割発注された工事を1社で受注するという事例は特に桑名建設部で目立っている。この事例は、

平成11年度だけの問題ではない。ここ数年繰り返されている。このような状況では、分割発注の 目的を達成できないので、分割発注をやめるべきではないか。

3.公募型指名競争入札の参加要件の緩和の必要性について

一般工事の公募型指名競争入札の参加要件は、

(1)所轄建設部管内の市町村に本社を有すること

(2)経営事項審査による総合評点の基準

(3)三重県建設工事等入札資格者名簿に指名工事業種で登載されている建設業者であるなどである。

(1)要件は、指名競争入札と同一に近い業者の公募しかなく、入札参加の障壁となっており競争性を低下させていると考えられるため、

(1)隣接建設部管内の市町村に本社を有する業者を加える

(2)北勢地域・中勢地域・南勢地域の区分まで地域限定の範囲を広める等の必要があると思われる。

4.談合情報事案の処理について

公正入札調査委員会が談合情報マニュアル通りに入札参加者から事情聴取を行っても、参加業者が自ら談合を行ったと申し出る例は皆無に近く、入札参加業者から談合を行っていない旨の「誓約書」をとり、写しを公正取引委員会に送付しているが、談合の真否が確認できない事案が大部分である。延期後の入札では、談合情報の業者が入札する例が多いため、談合事案についての入札では、特別に入札参加業者を追加して入札する等の工夫が必要である。

5.桑名建設部の工事契約解除について

原因は、建設部の員弁町等に対する町道利用の事前調整が完了していないにもかかわらず契約をしてしまったことが認められるので、今後は、確認項目を列挙したチェックリストを作成し、確認作業を進めながら契約事務にあたることが必要で・る。
 契約上解除できるから解除し、前納金は返納してもらうということでは、県職員としての責任の自覚、コスト意識が欠けている。県内業者育成という観点からも問題がある。
 契約の相手方からは損害賠償請求はなかったが、行政の姿勢としては、損害賠償請求するよう要請すべきである。
 逆に県が損害を被った場合は、損害賠償請求を工事業者に当然すべきである。

6.契約が頻繁に変更された事例について

頻繁な契約の変更は、前提条件の調査が不十分であったことによるものである。特に当初契約のわずか2日後の契約変更は、問題があるのではないか。
 今後は、万全な事前調査を行ってほしい。

県土整備部においては、入札・契約制度のあり方について検討するとのことであり、その結果を見守りたい。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 総務課 企画調整班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2056 
ファクス番号:059-224-3170 
メールアドレス:soumu@pref.mie.lg.jp

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