尾鷲水産研究室

研究室の概要
・尾鷲水産研究室は、マハタなどの養殖新魚種の種苗生産技術の開発、マダイなど養殖魚の生産技術や付加価値の向上に資する研究を進めています。また、魚病の診断を行うとともに、魚病の予防・治療対策の指導を行っています。
沿革
| 1928年 | 昭和3年 | 12月 | 三重県議会で「水産試験場 尾鷲支場」の設置を満場一致で可決 |
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| 1933年 | 昭和8年 | 8月 | 三重県水産試験場 尾鷲支場を尾鷲町(現尾鷲市)南浦名月セギノ山に開設 |
| 10月 | 尾鷲支場の竣工式開催 | ||
| 1953年 | 昭和28年 | 11月 | 三重県水産試験場 尾鷲分場に改称 |
| 1967年 | 昭和42年 | 3月 | 三重県尾鷲水産試験場に改称 |
| 1973年 | 昭和48年 | 3月 | 種苗生産研究施設を尾鷲市元須賀利に設置 |
| 1982年 | 昭和57年 | 3月 | 三重県尾鷲水産試験場を尾鷲市天満浦古里に移転 |
| 1983年 | 昭和58年 | 3月 | 種苗生産研究施設(尾鷲市元須賀利)を閉鎖 |
| 1984年 | 昭和59年 | 4月 | 三重県水産技術センター 尾鷲分場に改称 |
| 1998年 | 平成10年 | 4月 | 三重県科学技術振興センター 水産技術センター 尾鷲分場に改称 |
| 2001年 | 平成13年 | 4月 | 三重県科学技術振興センター 水産研究部 尾鷲水産研究室に改称 |
| 2004年 | 平成16年 | 3月 | 種苗生産研究施設(「三重のマハタ」種苗量産安定化研究施設:通称ハタ研)を尾鷲市古江町に開設 |
| 2008年 | 平成20年 | 4月 | 三重県水産研究所 尾鷲水産研究室に改称 |
まぼろしの魚 マハタ を育てる
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・尾鷲水産研究室では、マダイ養殖に替わる新しい魚種の開発を目的として、一般に種苗生産が困難とされ「幻の高級魚」と呼ばれるクエおよびマハタの種苗生産試験に取り組んできました。 ・現在は、マハタ種苗の品質向上に向けた研究等、三重県のマハタの競争力強化の取り組みを進めています。 |
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- まぼろしの魚(クエ・マハタ)を育てる(スライドショー)
- クエにつづきマハタの種苗生産にも成功(PDF)
- クエ・マハタ種苗量産技術確立事業フロー図(PDF)
- クエの種苗生産技術の開発(PDF)
- マハタの種苗生産技術の開発(PDF)
- クエ×マハタ交雑種の種苗生産
- 魚類の種苗生産に関する研究の歴史
魚病に関する研究
・人間や家畜と同じように魚も病気にかかることがあり、養殖魚に病気が発生すると、大きな損失を招きます。・このため尾鷲水産研究室では、養殖業者から持ち込まれた病気の魚を診断し、治療対策指導を行っています。
・また、病気には予防が肝心です。免疫力を高めるための飼育管理手法など、病気の発生予防に関する研究を行っています。
- マハタのウイルス性神経壊死症に対するワクチンの有効性
- 経肛門投与したアジュバント添加Edwardsiella tarda粗リポ多糖に対するマダイの免疫応答
- 数種の海産種苗のマハタ由来神経壊死症ウイルスに対する感受性
- マダイイリドウイルス病に対する絶食の有効性
- マダイイリドウイルス病に対する低密度飼育の有効性
- 育成期におけるマハタのウイルス性神経壊死症の病理組織学的研究
![]() 病魚の解剖 |
![]() 感染実験によるワクチンの有効性 (マハタのウイルス性神経壊死症) |
養殖魚のエサや給餌方法の開発
・魚類養殖業の生産コストのうち、飼料費が60%程度を占めています。近年、円安などの影響による配合飼料価格の上昇が続いており、養殖経営を圧迫する大きな要因となっています。
・このため尾鷲水産研究室では、高価な魚粉を削減した新たな飼料の開発や、東紀州特産の柑橘類を添加した飼料による養殖魚の身質向上など、コスト削減や付加価値向上に資する研究開発を行っています。
![]() 試験用のドライペレット |
![]() 試験魚への給餌 |
魚類養殖漁場の環境変動に対応するために
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・近年、三重県沿岸においても水温の上昇傾向が顕著です。水温は、養殖魚の生理状態や魚病の発生に大きな影響を及ぼすことから、養殖管理手法を見直していくことが必要です。 |






